「輸入車は壊れやすい」というイメージがあるが、最近の輸入車は出来が良く、頻繁に故障を起こすことはない。しかし、万が一トラブルが発生した場合、国産車よりもパーツが手に入りづらく、車両自体が高額であることが多いため、修理費も高くつきやすいというのは事実だ。今回は、そんな輸入車の修理事例を紹介する。

対象となった車両は、2006年式のM・ベンツ CLSクラス(初代)。Eクラスをベースとした高級セダンで、クーペのようなエクステリアが魅力だ。当該中古車は、CLS350というベースグレードで支払総額が約370万円もしたが、走行距離が約5万kmとなかなかの好物件だった。

新車時価格は800万円を超える車だ。乗り心地は素晴らしく、オーナーはその走りの良さを楽しんでいた。しかし、ある日の走行中、異変が起きた。シフトのアップ/ダウンが非常に不安定になったのだ。

オーナーは慌てて修理に出した。故障した箇所はATソレノイドだった。これはATのシフトチェンジを制御するパーツのひとつで、これの不調のせいでATの動作がおかしくなった。

当然、このまま放置するわけにはいかない。パーツを入れ替え、修理することになった。本来なら修理費として16万円ほどかかるが、アフター保証を使用しての修理だったので、もちろん無料だった。

アフター保証では、輸入車の場合、保証料金は多少値が張るし、修理費も累計80万円までとなっている。保証料金が安価で、修理費が無制限の国産車の場合と比べると、「メリットが薄い」と感じるかもしれない。しかし、それでも万が一のトラブルに備えてアフター保証に入っておいたほうが良いだろう。今回のケースでは、10万円半ばていどだったが、場所によっては数十万もかかる場合もあるのだから。

M・ベンツ CLSクラス。アフター保証に2年間加入していたので、料金は約22万円。今後のことも踏まえると加入したのは正解だったといえる

M・ベンツ CLSクラス。アフター保証に2年間加入していたので、料金は約22万円。今後のことも踏まえると加入したのは正解だったといえる