▲一般社団法人 ペットフード協会が発表した「平成25年度 全国犬・猫飼育実態調査」では、犬・猫の推計飼育頭数全国合計は2061万5000頭。その内訳は、犬が1087万2000頭で猫が974万3000頭とのこと ▲一般社団法人 ペットフード協会が発表した「平成25年度 全国犬・猫飼育実態調査」では、犬・猫の推計飼育頭数全国合計は2061万5000頭。その内訳は、犬が1087万2000頭で猫が974万3000頭とのこと

猫と車の相性はよくないという事実

「ペットと一緒にドライブ」が珍しくなくなった昨今。快適に車に乗せるための情報やグッズなどはちまたに溢れています。しかし、そのほとんどが犬向けのもの。一般社団法人 ペットフード協会の調査によると、飼育頭数はほぼ半々の割合なのに、なぜ猫と一緒にドライブはあまり一般的ではないのでしょうか。

「そもそも、猫はドライブに向いていません」と教えてくれたのは、東京猫医療センターの服部幸院長。

「もちろん猫の性格に左右されるので、すべての猫がドライブに向いていないわけではありませんが、“犬は人につき、猫は家につく”という言葉があるように、一般的に猫は自分のテリトリーから出ることを嫌います。環境が変化するとストレスを感じて、パニックを起こすことも。もしもドライブ先でパニックになり逃げたりしたら、戻ってこないことも珍しくありません」

とはいえ、動物病院に行く時には、車に乗せることもあるはず。また、帰省など長期にわたり家を留守にする時には、猫も一緒にというケースもあるでしょう。なにか良い方法はないのでしょうか?

「車に乗って出かけても大丈夫にするには、小さいうちから慣れさせることが重要。まずは徒歩で近所に連れ出して、慣れてきたら5~10分くらいの短い時間でドライブ。外出が習慣になると、大人になっても外出にストレスを感じなくなる猫もいます。実際、私の実家の猫は登山やスキーにも連れて行けます」

慣らそうとした段階で、強く暴れたり、呼吸が速くなり口が開きっぱなしになったり、嘔吐をしたりするときは要注意。強いストレスを受けている証拠なのだとか。こうなると、猫とのドライブは諦めた方が良いそうです。

▲実は猫用の酔い止めや精神安定剤もある。ただし、効き目は猫次第。必ず事前に獣医に相談し、長距離ドライブに出かける前に1~2回は試しておくことが望ましい ▲実は猫用の酔い止めや精神安定剤もある。ただし、効き目は猫次第。必ず事前に獣医に相談し、長距離ドライブに出かける前に1~2回は試しておくことが望ましい

猫を車に乗せる時には、キャリーケースを忘れずに

さらに、実際にドライブに行く際もいくつか注意点があります。

「猫が車に慣れたとしても、必ずキャリーケースに入れて乗せること。いくら慣れていても動物なので、何がきっかけでパニックになるかわかりません。猫は狭くて奥まったところが大好き。もし運転席の奥に潜り込んだら、アクセルやブレーキ操作に影響が出て、大事故を起こしてしまう危険があります」

キャリーケースには自宅のニオイが付いたオモチャや毛布を入れておけば、猫もリラックスするとのこと。最近では、使用しない時には折りたためて、シートベルトに固定できるベルトが付いたキャリーケースもあります。

長距離ドライブに猫を連れて行くならば、こまめに休憩をすることを忘れずに。その際は熱中症にも注意すべきとのこと。しっかりと水を飲ませて、保冷剤なども活用して涼しい環境を保ってあげましょう。ただし、風通しをよくするために窓を少し開けたまま猫を車内に残すと、ほんの少しの隙間から外に出ることもあるので注意してください。

もう1つ大事なのが、帰省先や旅行先に到着する前に、信頼できそうな動物病院を探しておくことだそうです。環境が変わったストレスで、普段なら発症しない病気が顕在化する可能性もあるのだとか。

Google先生に「猫 宿泊」で尋ねたところ、200万件以上のヒットがありました。愛猫と宿泊できる宿は珍しくないので、もしも飼っている猫がドライブやお出かけに慣れてくれたら、一緒に旅行すると楽しいかもしれませんね。

text/コージー林田