▲黒澤進さん。群馬県出身。47歳。中軽井沢の瀟洒なカフェ「コーヒーハウス シェーカー」のオーナー。群馬県でこんにゃく製造業を営む家に生まれ、物心ついたときには餌釣りを経験していた生粋の自然派。地元の川でフライフィッシングを楽しむ他、遠征にも出かける▲黒澤進さん。群馬県出身。47歳。中軽井沢の瀟洒なカフェ「コーヒーハウス シェーカー」のオーナー。群馬県でこんにゃく製造業を営む家に生まれ、物心ついたときには餌釣りを経験していた生粋の自然派。地元の川でフライフィッシングを楽しむ他、遠征にも出かける

大切にされてきたディスコを受け継ぎ愛情を注ぐ

日本随一の避暑地である軽井沢は、冬になると雪が積もり、しかも、なかなか解けない。そのため4WD車に乗る人は多く、街道を走っていると、しばしば懐かしい国産クロスカントリー車に遭遇する。

この地でカフェを営む黒澤さんも、初めて買ったのはトヨタのハイラックスサーフだった。

「若い頃はスノーボードにハマっていたので、かっこいい4WDには憧れましたね」

そんな黒澤さん、ウインタースポーツ以上に好きなのがフライフィッシングで、なんと10歳の頃から続けているという。

「今でもお店を閉めてからよく近所の釣り場に行ってます。日中はコーヒーの香りに包まれ、夕方になると川のせせらぎを聞きながら“引き”が来るのを待つ。我ながら贅沢だな~って思います」

▲愛用のリールは英国王室御用達の老舗「ハーディー」のもの。同じく“女王陛下認定”であるランドローバーという名品を得て、黒澤さんの優雅な時間は研ぎ澄まされていく ▲愛用のリールは英国王室御用達の老舗「ハーディー」のもの。同じく“女王陛下認定”であるランドローバーという名品を得て、黒澤さんの優雅な時間は研ぎ澄まされていく

遊びを支える車は、イギリスが誇る4WD専業ブランド、ランドローバーのディスカバリー。それも今ではめったに見かけなくなった初代“ディスコ1”だ。

「最もクラシカルなランドローバーのディフェンダーに乗っている友人が、知り合いの方から手に入れたものです。ただ、2年くらいほとんど乗ることがなく、それじゃあということで僕が譲り受けることに」

▲副変速機付きのフルタイム4WDを備える。1990年代に行われていた、世界の秘境を走破するオフロードイベント「キャメルトロフィー」のオフィシャルカーを務めたほどの走破性を誇る ▲副変速機付きのフルタイム4WDを備える。1990年代に行われていた、世界の秘境を走破するオフロードイベント「キャメルトロフィー」のオフィシャルカーを務めたほどの走破性を誇る

最初のオーナーは新車で購入して以来、ずっと大切にしていたのだとか。

「高齢になって手放したわけですが、愛着があるぶん、ランドローバーに理解のある人に乗ってほしかったようです」

黒澤さんは輸入車を所有すること自体、初めてだったが、そもそもフライフィッシングはイギリスが発祥の、紳士のスポーツ。自然の中で自分と向き合うアウトドアの醍醐味を知る者として、ランドローバーは理想の巡り合わせといえる。

「生活で乗る車は別にあるので、まだそれほど乗ってはいませんが、オリジナルの良さを尊重しながら、じっくりと付き合っていきたいですね」

慌てず、騒がず、車と向き合う様は、まさにフライフィッシング! 黒澤さんのように、時間をかけて本質的な魅力を体感していくことに、中古車の楽しさがある。

▲ディスカバリーは伝統的に3列シート仕様が設定されている。初代は横向きの補助席で、写真のようにリアゲートを開けていれば、外の景色を眺めながら作業ができる ▲ディスカバリーは伝統的に3列シート仕様が設定されている。初代は横向きの補助席で、写真のようにリアゲートを開けていれば、外の景色を眺めながら作業ができる
▲初代はボディ後方の天井が高くなっていて、天窓付き。おかげで後部座席に座っていても閉塞感がない ▲初代はボディ後方の天井が高くなっていて、天窓付き。おかげで後部座席に座っていても閉塞感がない
text/櫻井香
photo/見城了

※本記事は、カーセンサー 2018年7月号(2018年6月20日発売予定)の記事をWEB用に再構成して掲載しています

▼検索条件

ランドローバー ディスカバリー × 全国