▲加藤弾さん。37歳。グラフィックデザイナー。休日はキャンプや釣りでのんびりと過ごすのが好きで、俳句もたしなむ。愛犬のパンくんは5歳。学生時代にバスケットボールをやっていて、長身(187㎝)の加藤さんとパンくん、そして“ゆるふわ”な日産 パオの組み合わせが、とても洒落ている▲加藤弾さん。37歳。グラフィックデザイナー。休日はキャンプや釣りでのんびりと過ごすのが好きで、俳句もたしなむ。愛犬のパンくんは5歳。学生時代にバスケットボールをやっていて、長身(187㎝)の加藤さんとパンくん、そして“ゆるふわ”な日産 パオの組み合わせが、とても洒落ている

レトロな空間に、気持ちいい風が通り抜けていく

昔の車はどれも丸みを帯びたスタイリングだった。

それはボディパネルを加工するプレスの技術が未熟で、時代によっては職人が手叩きで大まかな形を作っていたのも一因だ。

対して最新の車は折り紙細工のごときシャープなプレスラインをはじめ、より複雑な造形でデザインされている。

どちらがいいかは好みの問題なれど古い車に温もりを感じるのは、そのやわらかなデザインによるものだろう。

加藤さんが乗るパオは、複雑化する工業デザインへのアンチテーゼであると同時に、タイムレスな美しさを追求した傑作車だ。
 

▲イカつい顔の車が多いなか、丸目で優しいパオはとても新鮮。加藤さんは古い欧州車にならって、シビエのフォグランプを後付けしている。ボディカラーは写真のアイボリーをはじめ、4色のペールトーンが設定されていた ▲イカつい顔の車が多いなか、丸目で優しいパオはとても新鮮。加藤さんは古い欧州車にならって、シビエのフォグランプを後付けしている。ボディカラーは写真のアイボリーをはじめ、4色のペールトーンが設定されていた

「ずっとホンダのCR-Vに乗っていて、次もSUVをと思い、ジープ パトリオットを探すもいい出物がなく、日産 ラシーンも気になっていたので専門店をチェックしていたら、パオが出てきました」

加藤さんはパオに、幼い頃、軽ワゴン車を改造したり、古いフィアット 500に憧れていた記憶を重ね、購入を決断する。
 

販売店のプログラムで、シートをはじめとする内装の張り替えやトレイの新設でよみがえったパオは、公園の緑に映え、キャンバストップを開け放った屋根から気持ちいい風が通り抜ける。
 

 

▲ハンドルはウッド製(ナルディ)に交換済み。操作スイッチのデザインも洒落ている ▲ハンドルはウッド製(ナルディ)に交換済み。操作スイッチのデザインも洒落ている
▲電動キャンバストップから流れ込む風が気持ちいい! ▲電動キャンバストップから流れ込む風が気持ちいい!

「窓が広いから気分はいいですけど、クーラーの利きが弱いので、夏はちょっと不安。僕や妻よりも犬の方が心配です」

愛犬のパンくんは暑さが苦手なフレンチブルドッグ。パオの助手席にちょこんと座るその仕草が、なんともかわいい。

「きっとパンくんも、車には満足しているはず。見た目はレトロだけど大きな故障もなく、元気に走ってくれるパオは、車に詳しくない僕にもちょうどいいし」

パオには忘れられない思い出があるとか。「以前、高速道路でパオに乗ったヒゲを生やした白髪の外国人男性を見かけました。車の雰囲気としっくりきていて、今も印象に残っています。ああいうふうになりたいですね」

と本人は言うが、小柄なパオに乗る長身の加藤さんとパンくんも雰囲気満点。

彼らが無意識にデザインする気持ちいい生活は、新たなフォロワーを生むだろう。
 

▲凝った作りの三角窓も付く。細部までこだわりぬいた設計は、好景気時代に企画されたクルマならでは ▲凝った作りの三角窓も付く。細部までこだわりぬいた設計は、好景気時代に企画されたクルマならでは
▲真空管ラジオを思わせるデザインの純正オーディオは、カセットテープが再生できる。お店が製作したダッシュボードトレイには、カラフルなインデックスのミュージックテープが並ぶ ▲真空管ラジオを思わせるデザインの純正オーディオは、カセットテープが再生できる。お店が製作したダッシュボードトレイには、カラフルなインデックスのミュージックテープが並ぶ
▲加藤さんとのドライブでは助手席に座るパンくん。奥様も乗るときは、おとなしく後席に座っているとか。かわいい(?) ▲加藤さんとのドライブでは助手席に座るパンくん。奥様も乗るときは、おとなしく後席に座っているとか。かわいい(?)

※本記事は、カーセンサー 2018年9月号(2018年7月20日発売予定)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
 

text/櫻井香
photo/見城了
 

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