今回のテーマ

-2007年後半注目の車は?-

10月27日から東京モーターショーが開催されることもあり
2007年後半の車業界は久しぶりに活気に満ちて華やかになっている
今年前半を振り返りつつ、後半に登場する予定(モーターショーでの発表を含む)の
注目している車とその理由を2人の評論家に聞いてみた
松下宏

距離が遠く感じるスポーツカーより
大ヒットとなったフィットの新型に注目


松下 宏さん●自動車評論家
●まつした ひろし
自動車のハード面だけでなく、お金にも強い評論家
小さくて、軽くて、燃費が良くて、安いほど良い車という持論を展開している

 今年後半に登場する予定の新型車の中で、最も話題性が高い車はGT-Rだ。スカイラインGT-Rなのか日産GT-Rになるのかはともかく、10月頃に発売されて大きな話題を巻き起こすのは間違いない。
 ただ、次期GT-Rはあまりにも遠くに行きすぎるようにも思える。すでに漏れ伝わっている情報から判断すると、性能的にも価格的にも普通のユーザーにとって関係のない車になると見られるからだ。車を評価するにも一体、どこで走って評価するべきなのかということになってしまう。
 GT-Rに比べると、ランサーエボリューションXとインプレッサSTIは価格的にも性能的にもリアリティのある車になる。それもライバル関係にある2車種がほとんど同時にフルモデルチェンジを行うのだから、いろいろな意味で話題を集めるのは確実である。

 でも、ランエボとSTIにしても、一般のユーザーからは見ればかなり遠いところにある車。普通のユーザーが普通に選択肢に入れられる車ではない。このように考えると、今年後半の最大の注目車はホンダのフィットだろう。初代モデルが常勝カローラを破るほどの売れ行きを示しただけに、2代目モデルがどのような進化を遂げて登場してくるかは大いに注目される。大ヒットモデルの2代目はあまりうまくいかないというジンクスを破れるかどうかを含めて注目しておきたい。
 最後に、今年は後席シートベルトの装着義務化が進む年になったが、その中でこれまでに登場したデリカD:5、クロスロード、デュアリス、インプレッサ、ヴォクシー/ノア、デミオ、イストなどが、ことごとく後席の中央に3点式シートベルトもヘッドレストも装備していない。後半にはきちんと装備した車がどれだけ登場するかにも注目したい。