今週はジュネーブモーターショーでお披露目された新型車やコンセプトカーで賑わっていた。エコロジーやエコノミーを前提としつつも、やはり車はワクワクさせられる存在でなければと再認識。そこでジュネーブモーターショー以外からワクワクさせられるニュースをまとめてみた。どうぞ!

テクノロジー

■ドライバー視線で車体を透過したように見える「シースルービュー」機能を開発(富士通テン発|3月3日)

『真上から見下ろしたように車の周りの状況を映し出す「マルチアングルビジョン」に、ドライバーの視線で車体やシートなどの車両部品を透過したように周囲を表示する画面モードが新たに追加された』

百聞は一見に如かず。まずは画像をご覧あれ。これは富士通テンがカーナビに採用した新しい画像処理技術。本来、ボンネットやドアの向こうに隠れて見えないはずのものが一目瞭然になっている。これに近い技術はこれまでにもあったが「ドライバーの視点」からというのがポイント。これなら断然、直感的に対象物との位置関係がつかめそうだ。

この技術は、まずは新型トヨタ アルファード/ヴェルファイアのパノラミックビューモニターに「シースルービュー」機能として投入されているとのことだ。

▲車の前後および左右に取り付けられた、4つのカメラの映像を合成している。ごく自然に見えるところが素晴らしい ▲車の前後および左右に取り付けられた、4つのカメラの映像を合成している。ごく自然に見えるところが素晴らしい

ショー・イベント

■欧州「カーオブザイヤー」の意外な受賞車(欧州カーオブザイヤー発|3月2日)

『1964年に創設され、ヨーロッパの22ヵ国から58人のモータージャーナリストによって選ばれる欧州「カーオブザイヤー2015」がフォルクスワーゲンの8代目パサートに決定した』

車好きにとってパサートは「良くできた車」の雰囲気が漂う。実際、2014年に全世界で最も売れたフォルクスワーゲンはパサートなのだが、日本ではライバルとなるBMWの5シリーズやメルセデス・ベンツのEクラスと比べて(両車は2015年の選考対象ではない)、今ひとつ地味な存在のため、「なぜパサート?」と意外に思う方もいるだろう。

受賞の要因は軽量でボディ剛性が高いことや、このクラスにおいてコンパクトだけど室内や荷室が広いこと。そして、1.4L TSIエンジンをはじめとした効率的なパワーユニットが挙げられている。世界ではエンジンのダウンサイジングと過給器の組み合わせが主流になっており、今後ますますその傾向は強くなるだろう。そして、この先鞭を付けたのがフォルクスワーゲンだ。そのフォルクスワーゲンの中で一番売れているプレミアなモデルが受賞したのは納得のいくところ。

これを機に日本でもパサート人気に火が付くことを期待したい。

▲受賞車のパサート。ちなみに2015年の最終選考に残っていたのはパサートの他、BMW 2シリーズアクティブツアラー、シトロエン C4カクタス、フォード モンデオ、メルセデス・ベンツ Cクラス、日産 キャシュカイ、ルノー トゥインゴなど ▲受賞車のパサート。ちなみに2015年の最終選考に残っていたのはパサートの他、BMW 2シリーズアクティブツアラー、シトロエン C4カクタス、フォード モンデオ、メルセデス・ベンツ Cクラス、日産 キャシュカイ、ルノー トゥインゴなど

ショー・イベント

■約40度の坂を登り、池にドボンを体験する(MEGA WEB発|3月2日)

『MEGA WEB(メガウェブ)では3月23日~31日、急坂やデコボコ道でのSUV 性能を体験できる「オフロード同乗試乗会」を開催。使用するのは本格オフロード4WDのランドクルーザー70、ランドクルーザープラド、4 ランナーの3台だ』

体験内容がすごい。車が転倒しないかヒヤヒヤさせられる「バンク」、谷間へズリ落ちそうになる「モーグル」、スタックしそうな「凸凹」、踏み外さないか緊張させられる「丸太橋」、車内にも衝撃が走る「シーソー」、約40度の斜面を登る「クライム」、そして泥の「プール」……。これらを20分でアッと言う間に体験できるという。

ワクワクを通り越してドキドキ。息をするのも忘れそうだ。日本ではなかなか本格的なオフロード走行の機会はない。世界に悪路走破性の高さで名を轟かせるランクルの実力を知るのには絶好のチャンスだろう。300円の参加費で、上記3台の中から2台を選んで同乗試乗できる。なお、4ランナーとは国内では販売されていないハイラックスサーフのこと。これも希少!

▲インストラクターの運転による同乗試乗。あまりの激しさに仰天しても同情してもらえないので悪しからず ▲インストラクターの運転による同乗試乗。あまりの激しさに仰天しても同情してもらえないので悪しからず

ショー・イベント

■こんなメルセデスに乗りたい! が実現する?(ヤナセ発|3月2日)

『輸入車のヤナセと、モービル1をプロモートするEMGマーケティング(東燃ゼネラルグループ)は、オリジナルデザインを募集して実際にスペシャルカーを制作する、学生を対象とした「ヤナセ100周年記念、こんなメルセデスに乗りたい!コンテスト」を開催する』

ドレスアップカーのデザインコンテストなのだがベース車両の豪華さにワクワクさせられる。なんとメルセデスベンツのGLAクラスだ。フェンダーやスポイラー、バンパー、グリルなどの造形に加え、ボディペイントのアートデザインについて自由な発想を募集する。最優秀作品は、ホシノインパルの金子哲也氏監修のもと、実際に応募作品通りのカスタマイズカーが製作される。最優秀に選ばれても完成車がプレゼントされるわけではないが、自動車関連の学生なら大きな価値になるはずだ。

さて、作品には課題がある。ヤナセ100周年にちなんで100という数字をコンセプトやデザインに含めること。また条件として、モービル1のロゴを入れるスペースを空けておくこと、そして製作したGLAが車検に通って公道を走れるアイデアであること、など。これはデザイン力だけでなく総合力が試されそう。100という数字を含めるのもさりげなくハードルが高い。妖怪ブームにのって「百鬼夜行」をモチーフに……しませんね、はい。

締め切りは4月20日。我こそはと思う学生の方、一念発起してみてはいかがだろう。

▲ベースとなるメルセデス・ベンツ GLAクラス。なお、チームインパル監督である星野一義氏が特別審査員として参加する ▲ベースとなるメルセデス・ベンツ GLAクラス。なお、チームインパル監督である星野一義氏が特別審査員として参加する

まとめ

ワクワクにもいろいろある。昨日の非常識が今日の常識になるのを目の当たりにしたり、まだ体感したことのないものを実体験したり、アイデアを思いめぐらしたり……。もっともっとカーライフの中にワクワクは埋もれているはず。身近なところからもう一度チェックしてみたいと思った筆者でした。では、また来週!

text/ブンタ photo/富士通テン、カーオブザイヤー2015、MEGA WEB、ヤナセ