▲90年代、RVブームを巻き起こした火付け役となったのが、この2代目パジェロ(V系)だった(写真は海外仕様) ▲90年代、RVブームを巻き起こした火付け役となったのが、この2代目パジェロ(V系)だった(写真は海外仕様)

バブルの余韻からまださめやらぬ平成3年

ちまたでは、自分の生まれ年(西暦)に自分の年齢を足すと、2018になるんだって! 1000年に1度の奇跡らしいよっ!

ってTwitterネタが世間を騒がせたそうですが、そんな2018年も間もなく終了。

【平成メモリアル】企画も無事、3回目を迎えることができたじゃ、あ~りませんか(後述)。

残り28回! まだまだ先は長いナー。

前半は懐かしネタ満載でいけるけど、現在に近づく後半はネタになるのかなー。

なんて若干の不安も抱きつつ、平成3年(1991年)編、始めたいと思います。

▲1991年といえば、東京・芝浦にジュリアナ東京ができた年! 全国的にディスコが大流行した(写真はイメージです) ▲1991年といえば、東京・芝浦にジュリアナ東京ができた年! 全国的にディスコが大流行した(写真はイメージです)

カルピスが屋外で飲めるようになった、あの頃…

平成3年といえば、バブル景気はとっくに終わって、失われた20年が始まった時期といわれています。

年初には湾岸戦争が勃発して、社会全体になんとなく暗雲が立ち込めた……

……はずなんだけど、小市民はまだ不況って実感がなく、どうにかなるっしょ!? 

ダダーン ボヨヨン ボヨヨン(当時、チョー流行ったピップのCM・新語流行語大賞大衆部門で1991年銀賞)と完全にバブルボケしてました。

大相撲では大横綱・千代の富士が引退し、かわりに若花田・貴花田(現在の花田勝・光司)が大活躍。

まさか翌年に貴花田と宮沢りえが婚約、翌々年には婚約解消するとはね。まさに、ぶっとび~ですよ。

って、彼はその後の人生の方が波瀾万丈か。

カルピスが缶入り飲料で飲めるようになったり(それまでは自販機で買えたのはカルピスソーダのみ!)、ジュリアナ旋風が巻き起こったりと、いろいろセンセーショナルな年でした。

ちなみに、この年の新語・流行語大賞が、チャーリー浜の「……じゃ、あ~りませんか」。時代を感じますねぇ。

▲牛肉とオレンジの輸入が自由化されたのも、ちょうどこの頃。それまでビーフなんて高嶺の花でした ▲牛肉とオレンジの輸入が自由化されたのも、ちょうどこの頃。それまでビーフなんて高嶺の花でした

車関係のトピックといえば、三菱から2代目V系パジェロ、初代RVRが、日産から初代セレナが、いすゞから2代目ビッグホーンが出るなど、1980年代末から始まったRVブームがますます加熱していきました。

トヨタ 9代目クラウン、初代クラウンマジェスタ、日産 2代目シーマ、マツダ センティアなど、国産ビッグセダンが元気だった時代でもあります。

▲こちらは1991年デビューの三菱 RVR。バックスバニーがCMキャラクターだった ▲こちらは1991年デビューの三菱 RVR。バックスバニーがCMキャラクターだった

日本ならではのスポーツカー……ならぬアミューズメントカー!

▲NSXと同じミッドシップ・レイアウトを採用したビート。車内空間は超タイト! ▲NSXと同じミッドシップ・レイアウトを採用したビート。車内空間は超タイト!

しかし何といっても車好きを驚かせてくれたのは、軽スポーツカーが続々と登場したことでしょう。

その先駆けとなったのが、ホンダのビートです。

軽なのにミッドシップ、軽なのにオープン2シーター、軽なのに四輪独立懸架&四輪ディスクブレーキというスポーツカーらしい贅沢な作りが強烈なインパクトを与えてくれました。

ところが当時、運輸省が「庶民の足であるはずの軽自動車でスポーツなんかダメ、ぜったい」と言っていたから、「ミッドシップ・スポーツ」とは名乗れずに、「ミッドシップ・アミューズメント」と言っていたんですね。

デビュー前年に軽規格改定を受けて載せられるようになった660ccエンジンで、元気よく走ってくれました。

ひと口サイズだけど大人の風味

▲軽なのにロングノーズなフォルムが秀逸だったカプチーノ ▲軽なのにロングノーズなフォルムが秀逸だったカプチーノ

ホンダ ビートを追いかけるように登場した軽オープン2シーターが、スズキのカプチーノです。

あちらがミッドシップなら、こちらはフロント・ミッドシップで、エンジンにインタークーラーターボも付けちゃった。

走行性能にこだわったのはもちろんですが、デビューから30年近くたっても中古車市場で人気なのは、国産車らしからぬかわいらしいスタイルゆえ、でしょう。

細部のデザイン処理でなく、シルエット全体でカッコ良く見せる車……って最近は少ないね。

ワイルドスピードの原風景があった時代

▲1991年にデビューし、11年にわたって生産され続けた名車、3代目RX-7 ▲1991年にデビューし、11年にわたって生産され続けた名車、3代目RX-7

最後にご紹介するのは、アンフィニRX-7(FD3S型)。

RX-7としては3代目にあたるモデルで、アンフィニは当時マツダに存在した販売チャンネルのひとつです。

低重心、軽量のボディを表現するヌメッとしたフォルムが個性的ですよね。

イニDファンにとっては高橋兄弟の駆る車でお馴染み。

あ、兄じゃなくて弟の愛車ね。

これが、量産ロータリー・スポーツとしては最後の車(今のところ)になりました。

同時代のライバルにR32型スカイライン GT-R(1989年登場)があり、翌年の1992には初代 ランサーエボリューションが登場しているんだから、いい時代だったなぁ。

text/田端邦彦
photo/三菱、ホンダ、マツダ、スズキ、photo AC