マーチをベースとした電動ガラストップのオープンカー

日産の人気コンパクトカー、マーチ。初代、2代目はそれぞれ約10年もの期間にわたって作り続けられ、3代目となる現行型も2002年の登場以来、堅実なセールスを記録しています。国内のみならず欧州でも人気で、「マイクラ」という名前で親しまれています。

そんな、マーチの海外版であるマイクラに、オープンバージョンの「マイクラC+C」が追加されたのは2005年末。英国日産によって開発されました。当初は欧州のみでの販売でしたが、2007年7月に1500台限定という形で、日本にもようやく上陸。今回はこの日産マイクラC+Cをご紹介します。

車名にもあるように、ボディタイプはクーペ+コンバーチブルというスタイル。電動のハードトップを備え、閉じているときはクーペとして、開けているときはオープンカーとして使用できます。屋根の開閉時間は22秒。ガラストップ型のルーフと開閉システムは、ドイツのカルマン社が手がけています。
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ルックスはマーチの長所をうまく生かしたスタイル。リアこそ、一目でマーチのオープン版だとは気づきにくいデザインですが、フロントやサイド、室内はマーチ以外のなにものでもありません。ルーフはトランク内に格納するシステム。そのためクローズ時のトランクは広めですが、リアシートは狭く、いわゆる2+2スタイルとなっています。

新車時の車両本体価格は249.9万円。ベースとなっているマーチと比較すると、当然ながらかなり高めのお値段です。しかしプジョー307やルノーメガーヌグラスルーフカブリオレ、シトロエンC3プルリエルといった輸入2+2オープンと比べれば安価な部類。前々回の「見つけたら即買い!」でご紹介したマツダロードスターRHTと比べても、ほとんど差がありません(初期型のベースモデルに比べ、MTは9.9万円高。ATは1000円安)。

エンジンは日本のマーチに搭載される1.4Lではなく、ティーダクラスの1.6Lの直4DOHCエンジンを搭載。最高出力は1.4Lエンジンに比べ22psアップして110psに、最大トルクは25N・mアップの153N・mになっています。車重はマーチの上級モデルに比べて210kg増加していますが、パワーの増強によって高速道路でもストレスのない走りが楽しめます。

このエンジンに組み合わされるトランスミッションは4ATと5MTの2種類。日本の非スポーツカーでMTを搭載しているモデルはかなりレアな存在。あまりスポーツカー然とした車には乗りたくないけど、MTの楽しさは味わいたいという人には、かなり面白い選択肢となりうるでしょう。
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原稿執筆時点で、カーセンサーnetに掲載されているマイクラC+Cの数は10台。最高額車で188万円、最安で149.8万円でした。まだ新しい車なので、相場に上下差があまりありません。走行距離は、多くても1万kmそこそこといったところで、修復歴車は1台もありませんでした。カラーバリエーションは設定された5色すべてが見つけられます。

特筆したいのは全車が車検残ありということ。2007年デビューの車なので、未登録車や一時抹消車などのごく一部の例外を除けば、少なくとも来年半ばまでの車検残が保証されているわけなのです。購入時の初期費用を抑えたいという人には、実に魅力的でしょう。

程度が良好で車検残もあり、カラーバリエーションも豊富。そうなると、新車のマーチを購入しようと考えている人にも、有力な選択肢となりそうです。マーチのベースグレードは車両本体価格が110.355万円ですが、中級グレードにナビなどのオプションを付けることを考えれば、マイクラC+CのUカーのほうがお得になる可能性も。なにより売却時のリセールバリューは、マイクラC+Cのほうが比べものにならないほど、高いはずです。

キュートなルックスが好きで、主な使い道が通勤など多人数乗車をしないという人。マイクラC+Cをぜひ検討対象にしてみてください。わずか22秒でオープンエアが味わえるスイッチは、非日常への扉です。日々のストレスに疲れたとき、休日にちょっと気分を変えてドライブに出かけたいとき。きっと、マイクラC+Cの走りが癒してくれるでしょう。興味をもった人は下の検索窓に「マイクラ C+C」と入力してみてください。


Text/渡瀬基樹