トータルコストが安上がりで済むかもしれない、珍しい車たち

実は、中古車は現行、旧型という位置にいる間がもっとも値落ちが進み、結果的にリーズナブルに購入できるタイミングなのです。その中でさらに走行距離が少なくてコンディションの良好なものは、やがて骨董的価値が見出され始めます。こういったものを狙うのがトータルでは安上がりに済むというもの。とはいえ今回ピックアップした車は現行、旧型、絶版と様々。つまりそれ以外にも値落ちしにくい理由があるということですが、その理由は各車の解説で説明しておきます。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第10位はフェラーリ360モデナ(絶版)。ようやく1000万円以下でもチラホラ見かけるようになりました。すでに10年近くもたっているのに、新車時価格の半分の価値を維持しているんです。車として語るような相場動向ではないかもしれません。フェラーリのV8モデルは見事なまでのヒエラルキーが完成しています。かつてのV8モデル(328、348、F355など)が中古車相場の"下支え"をしているんです。古いほうが人気のケースもありますが、これは需要と供給の関係によるものです。

第9位はマツダAZ-1(絶版)。80年代後半のバブル景気に登場した、軽自動車のスポーツモデルです。この頃はホンダビート、スズキカプチーノなどがライバルでした。20年たった今もなお、それぞれ軽自動車らしからぬ高値安定の相場を形成しています。なかでもAZ-1をオススメするのは、その非常識ぶりの素晴らしさからです。ガルウイングも独特ですが、走りも強烈です。高速道路における直線安定性とは無縁ですし、小排気量ゆえにドッカンターボも笑いながら満喫できます。将来的には文化遺産?!

第8位はトヨタランドクルーザー(現行)。ランドクルーザーは世界で愛される、本格オフローダーです。かつてのランドローバーがそうでしたが、現在ではランドクルーザーがそのポジションにあります。国連の治安維持活動、砂漠における油田作業車などでも使われています。そんな本気のオフロード性能に応えながらも、街中における快適性まで兼ね備えています。アラブの王族が乗るのも、うなずけます。中古車でも世界的に需要があるので、中古車相場はなかなか下がりません。

第7位は日産スカイラインGT-R(R34)。GT-Rの登場により、R34スカイラインGT-Rの相場はガタ落ちすると思われていました。ところがGT-Rは順調に値落ちしているにもかかわらず、R34スカイラインGT-Rは根強く高値安定しているんです。これも需要と供給のバランスが理由ですが、今後もこの流れは変わらないでしょう。特に走行距離が少なくコンディションの良いものは、今後一層高値で取引されるかもしれません。ある意味"反骨"精神たっぷりなR34スカイラインGT-R、大和魂をくすぐるのでしょう。

第6位はBMW Z8(絶版)。ボンドカーとして登場したZ8はMTのみの設定で、新車時価格も1650万円とBMWにしてはかなり高額でした。当然、新車販売台数はごくわずか。5年ほど前には新車時価格の半分ほどで流通していましたが、最近では1000万円以下で中古車物件を見かけることはなくなりました。今になって人気が出てきた理由は定かではありませんが、そもそも販売台数が少ないですから中古車相場は高値安定する傾向にあるでしょう。将来、下取り価格にも期待がもてそうです。

フォトコレクション

写真:第10位:フェラーリ360モデナ(絶版)|なんでもベスト10

第10位:フェラーリ360モデナ(絶版)

写真:第9位はマツダAZ-1(絶版)。|なんでもベスト10

第9位:マツダAZ-1(絶版)

写真:第8位:トヨタランドクルーザー200(現行)|なんでもベスト10

第8位:トヨタランドクルーザー200(現行)

写真:第7位:日産スカイラインGT-R(絶版)|なんでもベスト10

第7位:日産スカイラインGT-R(絶版)

Report / 古賀 貴司