意外と見逃されているコストパフォーマーばかり

高級車の定義は難しいところがありますが、個人的には新車時価格が相対的に高く、"本物感"を味わえる車だと考えています。当時の最新テクノロジーを惜しみなく投入し、自動車技術の進化を味わえる車、基本を押さえた真面目な車作りがなされたもの、そして差別化を図ることができる車をピックアップしています。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第10位はポルシェボクスター(旧型)。2.7Lエンジンを搭載した後期モデルも、3.2Lエンジンを搭載した最高峰モデルも狙えます。ポルシェラインナップのなかでは価格的にエントリーモデルという位置づけではありますが、ポルシェバッジは伊達ではありません。ステアリングから伝わる路面のインフォメーション、ガッツリと利くブレーキ、スポーツカーの模範的存在とさえ言えるでしょう。価格以上の本物感という点で、高級車と呼べます。

第9位はクライスラー300C(現行)。クラシカルな雰囲気で、クライスラーの復権を感じさせる車でした。デビュー当時はダイムラーと提携関係にありましたから、シャーシは旧々型Eクラスのものを採用しています。ボディ剛性は高く、一般的にイメージしがちなアメ車の緩さは皆無です。アメリカではミディアムサイズの位置づけですが、日本ではフルサイズセダンです。頻繁に見かける存在ではないので、差別化を図りやすい車とも言えます。200万円台は買いです。

第8位はトヨタクラウンロイヤル(現行)。"いつかはクラウン"というキャッチフレーズ、もう今の時代では忘れられているかもしれません。乗ってみると、オヤジキラー的な素晴らしさがあります。優れた静粛性、しなやかな足回り、必要にして十分なパワーと燃費を両立させたエンジン、肘掛けの位置、日本流の配慮が行き届いています。それこそ"お座敷"に居るような雰囲気です。クラウンロイヤルを検討したことがない人は、ぜひ一度ご覧になってください。

第7位はホンダレジェンド(現行)。ホンダが誇るセンサー技術を満載した、ハイテクサルーンです。前後のみならず、左右にまで駆動配分するSH-AWDは、抜群の走行安定性をもたらします。3.5L V6エンジンは最高出力300psを誇り、十分にパワフルです。ラグジュアリーサルーンとして販売するよりも、もっとスポーティな演出をすべきだったのかもしれません。日本では不人気のようで、中古車相場は低迷中です。コストパフォーマンスはかなり高いです。

第6位はシボレーコルベット(旧型)。スポーツカーデザインの方程式であるワイド&ローのスタイル、古臭さを感じさせません。アメリカが誇る最高峰のスポーツカーです。大排気量エンジンは時代に逆行しているかもしれませんが、そこにはアメリカ人が考える富の象徴たるパワーが秘められていると同時に快感を味わえます。今のうちに味わっておかないと、そのうち消え行く存在かもしれません。乗り味は思いのほか快適で、ロングクルーズも得意です。

Report / 古賀 貴司