年数がたっても高級車としての魅力に変化なし

高級車が高級車と呼ばれるには、それなりの理由があるものです。決して安い予算ではない200万円台ですが、ランキングされた車の新車時価格を考えればバーゲンプライスです。当時の最先端技術、色あせない魅力、ぜひともリーズナブルに味わってもらいたいものです。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。賢い買い物だと思いますし、豊かなカーライフが過ごせると思います。

第5位はBMW3シリーズカブリオレ(旧型)。ドイツ勢が得意とするスモールセダンベースのオープンモデルは、総じて新車時価格が高いです。それこそ"車格"が上のミドルセダンが狙えるほどです。ただ屋根を取っ払うのではなく、ボディ随所を補強し走りの気持ちよさと安全性を確保するために、コストがかけられているのでしょう。新車時の販売台数が少ないからか、中古車相場は高値安定しがちです。旧型になって、ようやく狙いやすくなりました。

第4位はアウディA8(現行)。大柄なボディですが、見た目とは裏腹にヒラヒラっとした軽快感が特徴的です。アルミスペースフレームがもたらす高剛性ボディと軽量化は、走ってすぐに感じられるでしょう。ちょっと硬めの足回りは賛否両論かもしれませんが、飛ばせば飛ばすほど安定します。と同時に、スポーティさの演出という点において、アウディの個性になりつつあるように思います。ラグジュアリーサルーンが陥りやすい"おっさん"っぽさは皆無です。

第3位はVWトゥアレグ(現行)。日本においてトゥアレグはVWのなかで、最も高額な部類に入ります。言うなら、マクドナルドで松坂牛ハンバーガーが販売されているような雰囲気かもしれません。モダンSUVらしくフツーのセダンのように、物理の法則を覆すかの如く走ってくれます。それでいて本格クロカン並みの悪路走破性が与えられています。普段は必要ない性能でも、ちゃんと実力を秘めているところが高級です。厳つさもなく、スマートに乗れます。

第2位はキャデラックSTS(現行)。アート&サイエンスがデザインのコンセプトらしいですが、この幾何学的とも呼べる外観が昨今のキャデラックのアイデンティティです。STSは、キャデラックにおけるミドルサイズのセダンです。ハッキリ言って、売れていません。当然、走っている台数も少ないですから、謎の存在に思われることでしょう。従来、アメ車といえば大味な雰囲気がありますが、STSはライバルのミドルサイズセダンを視野に、キッチリカッチリ攻めています。

第1位はトヨタソアラ(絶版)。トヨタセルシオ譲りの低速域からのトルクフルな加速、抜群なまでの静粛性、浮いて走っているようなフラットライド、かなり独特です。"運転している感"に乏しいと批判されがちですが、これこそがトヨタが考えるラグジュアリーなのだと思います。オプション装備であったマークレビンソンの高級オーディオを搭載したモデルなら、なお素敵です。レクサス「SC」として現在も販売されているからか、古臭さがありません。

Report / 古賀 貴司