もう二度と似たような車は登場しないと思えるモノもランクイン

個性派を求めて中古車物件をあさってみたら、どうしても流通台数が少ないものになってしまいました。多くの人とは違う車で差別化を図れるものは、新車時に万人ウケするわけではなく中古車も少ないんでしょうね。もう二度と登場しないであろう、と思えるような車もたくさんランクインしています。車にだって“一生モノ”があるんです。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第5位はプジョー 607(絶版)。日本におけるプジョーはコンパクトカーで成功を収めていますが、フルサイズセダンの607は・・・。本国発表から数年遅れの日本導入、新車時価格は500万円ちょっとでライバルの優位性が目立ったのも不人気の要因かもしれません。内外装や走りがフツーなことにメーカーも気づいたのか、トランクを開けるボタンはエンブレムの607の「0」に隠すギミックを施しています(笑)。中古車の流通台数が少ないことだけが難点です。

第4位はボルボ S90(絶版)。長年、直線基調のデザインを世襲してきたボルボ。S90が現役だった頃はちょっと“ダサい”と感じたものですが、今ではノスタルジーをもたらしてくれます。今ほど「北欧デザイン」を意識しておらず、ただただ実直な雰囲気が漂う車でした。なかでもオススメなのは「ロイヤル」というロングホイールベースモデルのグレードで、後席2名乗車仕様のものです。もう手に入らないかもしれませんが「エルメス」仕様もありました。

第3位はシトロエン C5(旧型)。最近、「グローバルスタンダード」の名のもとに自動車メーカーの個性が薄れつつあるように感じます。時代の流れですから逆らうことはできませんが、シトロエンだけは“唯我独尊”を突き進んでいるように感じます(笑)。そして、油圧サスペンションがもたらすヌメーっとした乗り心地は病みつきです。シトロエン独特の角ばったデザインから新たな方向性を示したとはいえ、いつ見ても宇宙船っぽく感じてしまうのは強烈な個性ゆえ?

第2位はアルファロメオ 166(現行)。ジンベイザメのようなフロントマスク(前期型)に、ウルトラマンタロウの目のようなブレーキランプ、えぐられたドアパネル、スーパーカー顔負けのセクシーなインテリア、どれをとっても強烈ですし普遍的美しさが漂っています。“伊達”一辺倒で、不出来な部分も含めイタリアン・テイストあふれるアルファロメオらしさたっぷりの車だと思います。前期型狙いであれば予算150万円もあれば、プチ・レストアを施せるほどです。

第1位はアウディ S6(旧型)。この頃からアウディによるライバルへの追い上げに拍車がかかったように思います。M・ベンツともBMWとも一線を画しながら、独自のヤッピー(死語?)・スタイリッシュ・スポーティセダンに仕上がっています。A6にステロイドを打ったのがRS6だとすれば、S6はカフェインを過剰摂取したような車です。車をあまり知らない人からすればA6に見えるでしょうが、走りはそんじょそこらのスポーツカーを打ち負かす性能の持ち主です。

Report/古賀貴司