手軽に差別化を図りながら毎日の運転が楽しくなる車たち

つくづく思うのですが、最近の車は本当によくできています。と同時に、世界的な販売を見越しているからか万人ウケするような味付けが多いようにも感じます。そんな中、面白い車が欲しい、他人が乗っていないような車が欲しい、という方が輸入車を狙うんでしょう。そんな輸入車でもグローバリゼーションの波は押し寄せています。選んでみたのは、そんな波を気にすることない個性派ばかり(笑)。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第5位はプジョー 407(絶版)。「ライオン」のロゴマークとは裏腹に控えめで物静かな車を作り続けてきたプジョーですが、407あたりからアグレッシブなルックスに転換。新世代プジョーの幕開け、と言ってもイイのかもしれません。骨太でドッシリした走りですが、やっぱり"粘る"ように路面に食らいつく感じにプジョーらしさがにじみ出ています。モダンに憧れを抱いたようなインテリアですが、たっぷりとしたサイズのシートに包み込まれる感じは独特です。

第4位はボルボ S90(絶版)。最近のボルボは流線型デザインになり、S90こそが最後の直線基調ボルボです。しかもS90は、誰を仮想ライバルにしたわけでもなさそうなフルサイズセダンで唯我独尊な雰囲気たっぷりです。特に"ロイヤル"と呼ばれるグレードは笑えるほどのロングホイールベースで、4人乗り仕様(リア2人乗りの殿様仕様)まであります。ちょっと腰高な雰囲気の足回りですが、思いのほかキビキビ走ってくれますが何にも似ていないところがイイです。

第3位はルノー カングー(旧型)。こんな癒し系実用車、ほかにはなかなか見つかりません。コンパクト・トールワゴンに仕上がっていて、荷物はたっぷり積めます。フランスの個人商店や農家が使うことを前提に作られているのでしょう。しなやかに路面の凹凸を吸収する様は独特な快適性をもたらしていますが、決してフワフワとした乗り味でもないんです。これはフランス独特の石畳の路面や未舗装道路での走行への配慮でしょうね。フランスのエスプリですっ!

第2位はフォード エクスプローラー(旧型)。アメリカではコンパクトSUVの部類に入るエクスプローラーですが、日本ではフルサイズ級です。ガッシリとしたラダーフレームにボディが乗っかっている昔ながらのSUVの構造ですが、かつてのようにボディだけが慣性に追いやられる雰囲気は皆無。しっかり走ってくれます。広々としていますし、使い勝手もすこぶる良好。簡粗なプラスチックや、ちょっと雑に感じられる内装が失礼ながらアメリカン。安くて良い車です。

第1位はシトロエン C4クーペ(現行)。シトロエン車は常にこれみよがしの唯我独尊で攻めてきていますし、C4クーペのお尻なんて"参りました"というしかないほどユニーク。デザインコンセプトは常に「宇宙船」なのかもしれません(笑)。人間工学に基づいたようなインテリアに仕上がっていますが、センターフィックスのステアリング、メーター類のレイアウト・・・、やっぱりひと癖与えているのもシトロエンらしさだと言えます。超個性派をお手軽に味わえます。

Report/古賀貴司