フツーの現行BMW 3シリーズじゃ物足りないあなたに贈る「3シリーズ派生モデル」軍曹的購入徹底研究
カテゴリー: クルマ
タグ: BMW / 米国三菱 / セダン / AT / FR / 4シリーズグランクーペ / 4シリーズクーペ / 3シリーズグランツーリスモ / EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2016/06/20
「普通の3」と「派生の3(および4)」の、微妙だけど大きな違い
ちょっと前に当欄にて述べたことではあるが、F30こと現行BMW 3シリーズは大変素晴らしい車である。特にその中古車は、「十分なプレミアム感がある車なのに普段づかいも得意で、スポーティで、しかしながら比較的お手頃価格で」という車を求めている人間(主に30~40代の車好き男性か?)にとってはまさにドンピシャだろう。だが、前にも指摘したとおりあまりにも数が多いため、「ありふれた存在にも見えてしまう」というのがネックではある。
だが心配は無用なのかもしれない。なぜならば現行3シリーズにはいくつかの派生モデルがあるため、そちらの方を選びさえすれば、「ありふれた存在にも見えてしまう問題」はいきなり完全解決する可能性も高いからだ。
ということで、筆者自身がまさに「十分なプレミアム感がある車なのに普段づかいも得意で、スポーティで、しかしながら比較的お手頃価格な輸入車」を探している40代男性であるゆえ、ここは一つ自分事として「BMW 3シリーズの派生モデル選び」を本気で検討および妄想したいと思う。
考えられる選択肢は全部で3つ。以前は3シリーズクーペというモデル名だった「4シリーズクーペ」か、4ドア4シータークーペの「4シリーズグランクーペ」、あるいはクーペと5ドアハッチバックとツーリングのミクスチャー(?)といえる異色の存在「3シリーズグランツーリスモ」だ。
なかなか狙い目な4シリーズ。ただ「ドア2枚」という点をどう考えるか
まずは「4シリーズクーペ」から検討してみよう。
写真下のとおりビジュアルは完璧である。車としてかなりの「色男」であり、それなりの格好をして乗れば、ド庶民である筆者も年収2000万円超のヤンエグに見られるかもしれない。もはやヤングではないが。サスペンションは標準仕様でも3シリーズより10mm低い設定で、トレッドを拡大しつつフロントオーバーハングを縮め、そして重心高を低めたせいか、乗り味はやはり3シリーズセダン以上に締まった印象。文句なしである。
エンジンは420i系および428i系は2L直4ターボで、トップレンジの435i系は3Lの直6ターボ。エンジンの魅力だけで考えれば直6の435i系でいきたいところだが、実際買うとなると420iだろう系か。428i系は流通量が少なく、435i系はおおむね500万円以上と、まだちょいとお高い。
ということで420i系に絞って相場を見てみると、走行2万km以下物件の価格レンジは370万~400万円といったところ。420i系の新車価格が517万~598万円なので、この中古車相場はなかなかお買い得といえるだろう。……もうほとんどコレの指名買いでいいような気もしてきたが、「いかんせん2ドアである」というのが少しだけ気になる部分ではある。
まとめると、4シリーズクーペは「超ステキなビジュアルで走りも良く、そして420i系で構わなければ中古車相場もお手頃。ただ、2ドアである点をどう考えるか?」という選択肢だ。
4シリーズ グランクーペはステキだがお買い得感にはやや欠ける?
お次は「4シリーズ グランクーペ」。今流行りの4ドア4シータークーペというカテゴリーである。4ドア車だが、ベースとなっているのは3シリーズセダンではなく4シリーズクーペで、「クーペのフォルムをそのまま4ドアにしました」といったニュアンスの造形。正直、個人的にはかなりグッとくるビジュアルだ。
走らせてみても4シリーズクーペ同様、3シリーズセダン以上にシャープな印象が強い。着座位置がクーペとほぼ同等の低さであることも影響しているのか、4ドア車であるのに妙にスポーツ気分をかきたてられる。ボディ剛性感の高さも含め、素晴らしすぎる乗り味といえるだろう。エンジンは4シリーズクーペと同じく420i系および428i系に2L直4ターボ、トップレンジの435i系に3Lの直6ターボが搭載されている。
流麗なクーペボディではあるものの、後席居住空間は十分以上に広く(さすがにセダンほどではないが)、そもそも4枚ドアゆえ何かとつぶしも効く。……大変素晴らしい選択肢に思えるし、実際そのとおりなのだが、ネックとなるのは中古車相場か。420i系主要グレード(Mスポーツおよびラグジュアリー)の新車価格が563万~565万円なのだが、それに対して走行2万km以下車の中古車相場は450万~480万円といったところ。……お買い得といえばお買い得だが、微妙といえば微妙な線だ。
まとめると、4シリーズ グランクーペは「素晴らしいビジュアルと走りで、使い勝手も良好。ただし中古車ならではのお買い得感は微妙」となる。だ。
お買い得度はピカイチな3シリーズ グランツーリスモだが
最後の候補が「3シリーズ グランツーリスモ」。ベースとなっているのは通常の3シリーズよりホイールベースが110mm延長されている中国市場向け3シリーズで、それゆえ3シリーズ グランツーリスモは「3ファミリー」の中では(X3を除けば)最大のスリーサイズとなる。後席居住空間の余裕っぷりも半端じゃなく、ラゲージスペースの容量も実はツーリング以上。いわゆるファミリーカーとしての使い勝手はかなり良好といえるだろう。エンジンラインナップは前出の4シリーズクーペならびに4シリーズ グランクーペと同様だ。
ハンドリング性能もなかなか優秀で、3シリーズ最大ボディであるにも関わらずコーナリング中などでも挙動は大変素直で、長いホイールベースが幸いしているのか、高速巡航時の乗り心地の良さは特筆モノ。BMWらしい「スポーティな感触」という部分では他2モデルより若干劣るのかもしれないが、それはあくまでも比較論であり、これ単体で考えれば「十分スポーティ!」と評することができるだろう。いい車だ。
そして中古車相場もかなり魅力的である。320i系の新車価格は529万~570万円といったところだが、走行2万km以下車の中古車相場はおおむね320万~400万円。……これはかなりの破壊力であり、お買い得度で考えれば断然3シリーズ グランツーリスモと言えるかもしれない。
問題は、この得も言われぬビジュアルをどう評価するかだろう。「なんかカッコ悪くてビミョー……」とするのか、もしくは「個性的でイイじゃん!」とするのか。まとめると、3シリーズ グランツーリスモは「使い勝手は非常に良好、走りも良好、そして中古車は超絶お買い得。でもビジュアルの好みは人それぞれで……」という選択肢になる。
さて、3モデルを比較したため長くなってしまったが、いよいよ結論である。……筆者としてはズバリ「3シリーズ グランツーリスモ」を選びたいと思う。まずはその異色っぷりが(筆者の感覚からすると)逆に魅力であり、ツーリング以上の積載力も、中年草野球団の主将兼荷物運搬係を務めるわたしにとってはかなり魅力的。そして何より中古車相場の爆安っぷりが気に入ったのである。
ただ、これはあくまで筆者こと伊達のごく私的な事情に基づく「ベスト」でしかないことは言うまでもない。ぜひ「あなたならではのベスト」を検討および妄想していただきたいと思うし、同時に、「結局どれを選んでも素晴らしいですよ、きっと!」と声を大にして言いたい、不肖筆者である。
【関連リンク】
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
- モータースポーツデビューを全力応援! レーシングシミュレーターからサーキット実走、これで叶います! 次回はアナタも挑戦してみる!?(カーセンサーモータースポーツ部)
- 自動車ブランドがクラシックカー市場を盛り上げる! 世界の車好きのトレンドは、なんとMT車!?
- 【試乗】新型 ジープ アベンジャー|BEVっぽくないBEVというJeepのニューワールドをけん引するコンパクトSUV!
- ポルシェが“ニュル最速キット”を発売! しかもキット装着済911 GT3の体験も可能!【EDGE Motorsports】
- 【試乗】新型 ルノー アルカナ|このクーペSUVの魅力は燃費のみにあらず! “エスプリ アルピーヌ”のしなやかな乗り心地!
- 【海外試乗】新型 BMW M5|727ps/1000N・mのモンスターサルーン!
- フェラーリのV6を搭載した最強コラボGT! ’71 フィアット ディーノ 2400 クーペ【名車への道】
- 【海外試乗】新型 ランボルギーニ ウルスSE|800psのSUVとは思えぬ一体感! リニアなドライブ感覚を追求した“アップデート版”
- 【試乗】新型 フィアット 600e|ソフトな走りがキャラにマッチ! 日常使いが快適な“かわいい”電気自動車
- AMGの本性 ~モンスターの素顔に迫る!~ 【カーセンサーEDGE 2024年12月号】