ミニバンの購入を検討している人の中には、両親を含めた3世代でドライブすることを考えている人もいるだろう。その上で、普段の取り回しや燃費のいいコンパクトな車を探している人も少なくないはず。そこでオススメしたいのが、将来両親の足腰が弱っても乗り降りしやすいコンパクトなミニバン。今回取り上げるトヨタアイシスの助手席またはサイドリフトアップシート車も、その選択肢に加えたい1台だ。

ベースであるアイシスは助手席と2列目シートの間にあるピラー(柱)をなくすことで1890mmという大開口を実現。このため2列目や3列目シートへのアクセスが抜群によいのが特徴だ。また、5ナンバーサイズゆえ取り回しがしやすく、3列目シートを床下にスッキリ収納できるので買い物などにも便利。そんな使い勝手の良さに、足腰の弱った人でもラクに乗り降りできる機能を加えたのが助手席またはサイドリフトアップシート車というわけだ。

助手席や2列目シートが回転&車外に昇降し、座りやすい位置まで降りてきてくれるだけでなく、1890mmという大開口ゆえ乗り降りの手助けもしやすい。また回転&昇降はリモコンで簡単に操作することができる。サイドリフトアップ車の回転&昇降シートには脱着可能なオットマンが備わっているので、足を少し伸ばした姿勢でも乗降することが可能だ。さらに乗車中も助手席を前方に折り畳んでおけば、足を伸ばしたままドライブすることができる。

助手席リフトアップ車の2列目シートはロングスライドが可能なベンチタイプとなり、乗車定員は7名。一方、サイドリフトアップシート車は2列目がセパレートシートとなるため、乗車定員は6名。もちろん回転&昇降を使用しないときはどちらも普通のシートとしても使える。

原稿執筆時点(2012年12月20日)でカーセンサーnetでは23台が掲載されており、2WDだけでなく4WDもあるなど比較的選びやすい。また走行距離2万km以下で総額100万円の車もあるなど価格的にも魅力がある。普段は他のアイシスと変わらず、「必要なとき」に回転&昇降機能が使える。今までお世話になった両親への親孝行のつもりで、検討してみてはいかがだろう?

乗車定員/7名(助手席リフトアップシート車)、6名(サイドリフトアップシート車)
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/430mm(助手席リフトアップシート車2WD)400mm(サイドリフトアップシート車2WD)
シートの車外飛び出し量/845mm(助手席リフトアップシート車)720mm(サイドリフトアップシート車)
最大開口部(助手席とスライドドアを両方開けた場合)/1890mm
回転時足元スペース(最大)/510mm(助手席リフトアップシート車)650mm(助手席リフトアップシート車)

Text/籠島康弘

写真は助手席リフトアップシート車。助手席、サイドリフトアップシート車どちらにも、ラゲージに車いす収納装置を備えた仕様がある

写真は助手席リフトアップシート車。助手席、サイドリフトアップシート車どちらにも、ラゲージに車いす収納装置を備えた仕様がある

写真はサイドリフトアップシート車。両タイプとも搭載エンジンは1.8Lと2Lがあり、ミッションはいずれもCVT。また2WDと4WDが用意されている

写真はサイドリフトアップシート車。両タイプとも搭載エンジンは1.8Lと2Lがあり、ミッションはいずれもCVT。また2WDと4WDが用意されている