広々とした空間をもつミニバンで、助手席や2列目シートが回転&昇降するシートがあると、足腰の弱った人や車いすの人も乗り降りしやすく、家族そろってのお出かけも気軽なものに。今回紹介するトヨタエスティマの助手席またはサイドリフトアップシート車もそんな1台。燃費のいいハイブリッドカーがあるのも特徴です。

ベースのエスティマ(2006年1月~)は「スタイリッシュな高級ミニバン」を目指し、いわゆる箱型のミニバンとは一線を画したワンフォルムデザインが特徴です。2.4Lまたは3.5LエンジンにCVTか6ATが組み合わされます。

このエスティマの助手席が車外に回転&昇降するのが助手席リフトアップシート車、2列目シートが回転&昇降するのがサイドリフトアップシート車です。助手席リフトアップシート車は2列目シートがベンチタイプとなるので乗車定員は8名、サイドリフトアップシート車は2列目がセパレートタイプとなるので乗車定員は7名となります。またエスティマハイブリッドにもサイドリフトアップシート車が設定されています。

助手席リフトアップシート車は、2列目以降は他のエスティマと変わらないため、例えば2~3列目シートをフルフラットにしたり、2~3列目シートを折りたたんで広大なラゲージスペースを作ることも可能です。

サイドリフトアップシート車は、シートが回転&昇降するタイプと、車外へ降下したシートを脱着し、車外でそのまま車いすとしても利用できるタイプがあります。この脱着シートは、介助車が手動で押すタイプと、電動アシストが付いたタイプ、車いすの人がコントロールレバーを使って自走できる電動自操タイプの3つがあります。

普段から車いすをよく使うならサイドリフトアップシート車の脱着シートタイプ、そうでないなら助手席リフトアップシート車か、サイドリフトアップ車の脱着しないタイプがオススメです。

原稿執筆時点でカーセンサーnetを見ると、助手席リフトアップシート車が6台、サイドリフトアップシート車は19台見つかりました。そのうち6台は脱着シートタイプです。またエスティマハイブリッドでは6台のサイドリフトアップシート車があり、うち4台が脱着シートタイプでした。

サイドリフトアップシート車の中には、回転&昇降シートの隣りのシートが同社のウリのひとつであった快適なオットマン仕様になっている車もありました。価格は約110万円~330万円。ある程度の台数が見つかるので、予算や用途、好みに応じてぜひ探してみてください。

乗車定員/8名(助手席リフトアップシート車)、7名(サイドリフトアップシート車)
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低高さ/450mm(助手席リフトアップシート車)、465mm(サイドリフトアップシート車)
シートの車外飛び出し量/990mm(助手席リフトアップシート車)、1100mm(サイドリフトアップシート車)
回転時足元スペース/305mm(助手席リフトアップシート車)、300mm(サイドリフトアップシート車)

Text/籠島康弘

助手席リフトアップシート車。車内においてのシートスライド量は前100mm、後ろ35mmとなっている。このシートは脱着しない

助手席リフトアップシート車。車内においてのシートスライド量は前100mm、後ろ35mmとなっている。このシートは脱着しない

サイドリフトアップシート車。車内でのシートスライド量は前95mm。脱着シートを脱着する際はボディから1650mm以上のスペースが必要

サイドリフトアップシート車。車内でのシートスライド量は前95mm。脱着シートを脱着する際はボディから1650mm以上のスペースが必要