マツダ CX-3▲2014年11月のロサンゼルスオートショーで世界初披露されたマツダ CX-3(写真)。翌2015年2月に日本デビューする。同月にはやスズキ SX4 S-CROSS、10月にはスズキ エスクードが登場し、全長4.3m前後のコンパクトSUVが活気づく。それを見越したように同年10月末に開催された東京モーターショーで、トヨタはC-HRのコンセプトカーを展示(発売は2016年12月)するなど、2015年は、コンパクトSUV時代の幕開けのような時代だった

人気のコンパクトSUVも5年落ちなら狙い目!?

発売されてから年月が経つほど中古車の台数が増えて選びやすいが、あまり年式が古すぎるのも困る。

そんな台数と年式のベストバランスが、最も販売台数の多いデビュー年に登録され、かつ車検を期に手放されがちな「デビュー5年落ち」モデルだ。

そもそも新車は、販売台数を見れば明らかだが、デビューした年が最も売れる。それを手放すタイミングは、車検時期が多い。「車検費用を払うなら、そろそろ次の車にしようかな」と考えやすいからだ。つまり、その車がデビューした3年後、5年後、7年後……が中古車の増える目安のひとつとなる。

その中でも「5年後」をオススメするのは、3年落ちよりは値落ちが進んでいて、7年落ちよりは中古車の状態に期待ができそうだからだ。

しかも5年落ちなら、たいていはまだ現行モデル。このように、価格と状態のバランスがちょうどいいのが“5年落ち"だと言えるだろう。

今回は、ベストバランスの5年落ち物件の掲載が比較的多い、2015年に登場したコンパクトSUVを紹介。

空前のSUVブームを背景に、次々と新型車が登場するコンパクトSUVクラス。そんな新車ラッシュに隠れて、どうしても5年前のことは忘れがちになるけれど、振り返れば「この値段でこの内容はうれしい」と思えるはず。

いずれも支払総額150万円から狙えるなど、お買い得感のある3台をさっそく見てみよう。

このクラス唯一のディーゼルSUV、MT車も選べる
マツダ CX-3(現行型)

マツダ CX-3▲デビュー時から衝突被害軽減ブレーキを全車に標準装備。2017年6月にはガソリン車の追加とともに、全車に次世代型の安全機能「アイ・アクティブセンス」が標準装備された
マツダ CX-3▲インパネ下部のデコレーション(写真の白い部分)には合皮皮革が奢られるなど、上質感が演出されたインテリア。最上級グレードのXDツーリングLパッケージには、このクラスでは珍しい本革シートが採用されている

2015年2月にマツダのクリーンディーゼル搭載モデルとしてデビューしたCX-3。

結局2017年6月に2Lガソリン車も追加されたが、やはり当初のコンセプトどおり、この車のウリのひとつはクラス唯一となるディーゼルエンジンだと思う。

搭載された1.5Lディーゼルエンジンは、2.5Lガソリンエンジンを上回る270N・mという最大トルクを発揮。それを6速ATだけでなく、6速MTでも楽しめる。しかも、JC08モード燃費も25km/Lという低燃費だ。

昨今、ヨーロッパ車が軒並みディーゼルをやめてEVやPHEVへと切り替えて行く中、ディーゼルエンジンに乗れるカウントダウンが始まっている。いずれEVやPHEVなどに乗るチャンスはあるのだから、今のうちにマツダ渾身の1.5Lディーゼルを味わってみてはどうだろう。

2015年12月にはエンジンのノックオンを抑制する機能と足回りやステアリング特性のチューニングが、2016年10月にはGベクタリングコントロール(スムーズにコーナリングできる機能)が備わるなど、マツダ車は総じて商品改良が多いため、改良のポイントを調べておくといいだろう。

デビュー時の車両本体価格は237万6000~302万4000円と、ライバル車と比べて少々高かったが、原稿執筆時点では支払総額100万円以下から見つかる。

全体で1200台以上、2015年式に絞っても約400台と流通台数も豊富だ。MT車の台数は少ないが、それでも支払総額150万円以下から見つけられる。

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マツダ CX-3(初代・現行型)×2015年式×全国

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マツダ CX-3(初代・現行型)×全国

4WD性能の高い、街乗りもこなすクロスオーバー
スズキ SX4 S-CROSS(初代)

スズキ SX4 S-CROSS▲衝突被害軽減ブレーキの「レーダーブレーキサポートII」や先行車に追従して走るアダプティブ・クルーズ・コントロールが標準装備されたのは、2019年4月の一部改良時。それ以前は装備されていないので注意
スズキ SX4 S-CROSS▲エアコンは左右それぞれで温度調整が可能はフルオートエアコン。ラゲージ容量は5人乗車時で420Lと下記のエスクードよりも広い。ラゲージボードは上段と下段の2段階に設置できる

2015年2月に登場したスズキ SX4 S-CROSS。2006~2014年に販売されていたSX4の実質的な後継モデルで、SX4同様、平日の街乗りと週末にアウトドアに使えるクロスオーバーモデルだ。ハンガリーで生産され、日本をはじめヨーロッパなど海外でも販売される。

搭載されたエンジンは搭載されたエンジンは最高出力117ps/最大トルク151N・mを発揮する1.6Lで、これにCVTが組み合わされた。2WDと4WDがあり、JC08モード燃費は2WDで18.2km/L、4WDで17.2km/L。

4WDシステムは「オールグリップ」と呼ばれる電子制御式。ドライバーが選んだ任意のモードに応じて、前後輪の駆動力を可変させる。

4WDのモードは「オート/スポーツ/スノー/ロック」の4つがあり、「オート」は通常は2WD(前輪)で走行し、スリップを検知すると瞬時に4WDへと切り替わる。「スポーツ」を選択すると、ステアリング操作に応じて加速やコーナリング時に最適な四輪の駆動力配分を行ってくれる。同様に「スノー」モードでは、雪道やアイスバーンの走行時などに、「ロック」モードではぬかるみや雪でスタックした場合などに、四輪の駆動力配分を適切に行ってくれる。

2017年6月にはCVTから6速ATへと変更。また、最低地上高が165mmから185mmへと拡大された。2019年4月の一部改良で安全装備もようやく充実したが、2020年内をもって販売が終了した。

デビュー時の車両本体価格は2WDが204万1200円、4WDが225万7200円。原稿執筆時点で見ると約80台、うち2015年式は10台ほどと台数は少ないが、支払総額100万円以下から選ぶことができる。

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スズキ SX4 S-CROSS(初代)×2015年式×全国

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スズキ SX4 S-CROSS(初代)×全国

コンパクトSUVの先駆者は昨日や装備が充実
スズキ エスクード(現行型)

スズキ エスクード▲デビュー時から衝突被害軽減ブレーキの「レーダーブレーキサポートII」や、先行車に追従して走るアダプティブ・クルーズ・コントロールを標準装備。このあたりは現在も同じだ
スズキ エスクード▲本革&スエード調シートが標準装備。5人乗車時のラゲージ容量は375Lと十分な広さがあり、ラゲージボードは上段と下段の2段階に設置できる

他社に先駆けてコンパクトクラスのSUV(当時はシティクロカンなどと呼ばれた)として登場したのが、初代のスズキ エスクードだ。

2015年10月に登場した4代目はSX4 S-CROSS同様、ハンガリーで生産され日本に輸入される輸入車だ。ちなみに、ヨーロッパをはじめとした海外では「ビターラ」の名で販売されている。この4代目からは、乗用車と同じモノコックボディになるなど、より乗用車ライクな作りになっている。

デビュー時は上記SX4 S-CROSSと同じ1.6Lエンジンが搭載されたが、トランスミッションは6速ATとなる。4WDの他、2WDも用意された。JC08モード燃費は2WDで18.2km/L、4WDで17.4km/L。なお、当初は2.4Lを搭載する3代目モデルも併売されていた。2017年7月には最高出力136ps/最大トルク210N・mの1.4Lターボに切り替わり、6速ATと4WDが組み合わされた1グレードのみとなる。

4WDシステムは上記SX4 S-CROSSと同じ「オールグリップ」が備わる。ただし、前後の対角輪がスリップした場合、空転したタイヤにブレーキをかけて路面に接するタイヤにより強い駆動力を与える、エスクード専用の制御が付く。乗用車に近くなったとはいえ「エスクード」という伝統モデルの矜持といえるだろう。

デビュー時の車両本体価格は2WDが212万7600円、4WDが234万3600円。原稿執筆時点で見ると、台数は約160台で2015年式に絞ると20台ほど見つかった。支払総額150万円以下から見つけることができる。

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スズキ エスクード(4代目・現行型)×2015年式×全国

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スズキ エスクード(4代目・現行型)×全国
文/ぴえいる、写真/マツダ、スズキ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。