スバルR1 ▲4ドアのR2を含め、ほとんどの軽自動車が全長を軽自動車枠いっぱいとなる3400mmとるが、R1は3285mmにとどめている

スバル R1の中古車は今

2人乗りを基本とした2+2シーターの軽自動車がスバル R1だ。

2003年から販売されていた4人乗りのR2の前後をギュッと縮めたような2ドア車スタイルで、2004年12月に登場した。

1世代限りで生産が終了したこともあり、現在の中古車流通台数は約100台と多くはない。平均価格は33万円で、19万円のR2と比較するとやや高くなっている。

生産終了から10年以上たつが、スーパーハイトワゴン系が人気の今でも、パーソナルカーとしての2ドア軽自動車需要は根強いことがうかがえる。

ここからはR1の特徴や中古車相場について紹介する。

 

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R1(初代)の特徴と中古車相場

■R1(初代) DATA
生産期間:2004年12月~2010年3月
中古車流通量:約100台
中古車価格帯:10万~120万円

スバルR1 ▲2WDの他、4WDも用意されている。R2よりもドア枚数が少ない分、大きなドアが与えられたが、狭い場所でも乗り降りがしやすいようドアヒンジが工夫されている

■R1(初代)の特徴
ハイト系やスーパーハイト系といった、室内が広い軽自動車の人気が高まってきていた中で、あえて真逆のコンパクトさをウリに登場したR1。

前年から販売されていた4ドアのR2も、室内空間の広さを追求するのではなくデザインコンシャスなモデルだったが、そのR2よりホイールベースを短くして2ドアとした。

スバルにはかつて360という名車があったが、丸っこい見た目や2ドアスタイルは、現代の360と呼べるかもしれない。

ただし、今の時代に合わせ、簡素な360とは違い、アルミホールを標準とするなど内外装のクオリティにこだわった、贅沢なパーソナルカーというキャラクターになっている。

基本的には日常の移動手段として運転手プラス1人という使い方の人をターゲットとしているが、R1には狭いながらも後席がある。いざとなれば、後席に家族や知人を乗せて近くまで移動できるのだ。

デビュー時のエンジンは最高出力54psの660cc自然吸気のみ。一般的に軽自動車は直列3気筒が多いが、スバルは音や振動で有利な直列4気筒を使う。

これに組み合わされたトランスミッションはCVT。グレードは「R」のみで、2WDと4WDが用意された。
 

スバルR1 ▲軽自動車には珍しく、上級車同様の四輪独立懸架式が奢られるのは他のスバルの軽自動車と同じ。走行安定性や乗り心地の向上に寄与している

デビュー翌年の2005年5月に、お手頃グレードの「i」が追加された。エンジンは同じ660cc自然吸気だが、DOHCではなくSOHCとなり、最高出力は46psに抑えられている。

さらに、同年11月には最高出力64psのスーパーチャージャー付きエンジンを搭載したグレード「S」が追加された。また、「S」にはCVTながら7速変速機能付きが備えられた。

なお、「S」は当初ハイオク指定だったが、翌2006年11月の一部改良でレギュラーガソリン対応になっている。
 

スバルR1 ▲インパネと一体化しているオーディオパネルや2トーンカラーのシートなど、上質な空間が演出されているインテリア。本革/アルカンターラシートはオプションで用意された
スバルR1 ▲助手席の背もたれは前方向に倒すとフラットとなる。後席も倒すとフラットになるので、長尺物を載せやすい。後席へのアクセスがしやすいよう、運転席からも助手席の背もたれを前屈みにできるレバーが備わる

■R1(初代)の中古車相場
流通台数は100台程度と少ないものの、予算20万円で狙える物件もある。ただし、総額20万円以下の最安値帯は、走行距離10万km超がほとんど。整備手帳をチェックするなど、機関系のコンディションに注意して物件選びをしてほしい。

走行距離5万km以下の台数は2割程度と少ないが、それでも支払総額50万円以下から狙うことができる。

グレード別に見ると、全体の約7割が中心グレードの「R」となっている。スーパーチャージャー付きの「S」は3割近くで、お手頃グレードの「i」は1割に満たない。

狙いやすいのは「R」だが、「R」と「S」とではほとんど価格差はない。そもそも、「i」は15インチが14インチになるとはいえアルミホイールだし、他の装備は「R」と同じ。最高出力がわずかに8ps下がるくらいだから街乗りで不便もないだろう。予算と見た目、コンディションが気に入った方を選ぶといい。

一方、走りを楽しみたいなら「S」をじっくり探してみてよう。「R」や「S」より価格は高く、走行距離5万km以下なら予算の目安は100万円前後となっている。ただし、台数が少ないため、走行距離の少ないものを探すなら早めの決断が吉となるだろう。
 

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※記事内の情報は2021年7月25日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/スバル
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。