三菱コルト ▲ダイムラークライスラーとの共同開発で生まれたプラットフォームをもつ三菱 コルト。質実剛健なコンパクトカーだ

三菱 コルト/コルトプラスの中古車は今

2002年に登場した三菱 コルトは、ダイムラークライスラーとの共同開発で誕生したプラットフォームを使ったコンパクトカーだ。

1.3Lと1.5Lの2種類のエンジンを搭載。ワンモーションフォルムを採用したシンプルでありながら真面目な車づくりが特徴なモデルである。

コルトにはステーションワゴン風の「コルトプラス」や、ランサーエボリューション風のアグレッシブなルックスが特徴的なホットモデル「コルト ラリーアート バージョンR」などの派生車種も存在する。

1世代限りで終了となったこともあり中古車流通台数は多くはないが、総額50万円以下で手に入れられる手ごろなコンパクトカーとして今も人気が高い。

ここからはコルト/コルトプラスの特徴や中古車相場について紹介する。
 

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コルト(初代)の特徴と中古車相場

■コルト(初代) DATA
生産期間:2002年11月~2012年6月
中古車流通量:約190台
中古車価格帯:10万~160万円
全長:3870mm~3930mm × 全幅:1680mm~1700mm × 全高:1540mm~1550mm
 

三菱コルト ▲弾丸のようなワンモーションフォルムが特徴のコルト

■コルト(初代)の特徴
コルトの特徴は、自分好みの1台を作り上げることができる「カスタマーフリーチョイス」だ。内外装の色やホイール、エアロパーツやオーディオの仕様などを指定することができた。

エンジンは1.3Lと1.5Lがあり、ミッションはすべての仕様でCVTのみとなっている。

フロントとリアのシートがそれぞれベンチシート仕様とセパレート仕様が用意されていて、シートアレンジの内容が若干異なっていた。
 

三菱コルト ▲前後ともセパレートシート仕様で内装色はウォーム系のもの
三菱コルト ▲こちらは前後ともベンチシート仕様で内装色はクール系のもの

2004年10月にマイナーチェンジを実施し、エンジンが新開発のものへと換装されている。排気量はそれまでと同様1.3Lと1.5Lの2種類だが、どちらの排気量も出力や環境性能が向上した。

このマイナーチェンジのタイミングで、スポーティグレードの「ラリーアート」が追加されている。これは、マイナーチェンジ以前に搭載されていた1.5Lエンジンにインタークーラー付きターボチャージャーをプラスしたもので、147ps/18.3kg・mというスペックを誇る。

ミッションはCVTのみの設定となっており、本格的なスポーツ走行を楽しむというよりは、余裕の動力性能を味わうグレードと言えるだろう。
 

三菱コルト ▲1.5Lインタークーラーターボエンジンを搭載した「ラリーアート」

2006年5月には、ターボエンジンを搭載した「ラリーアート」をベースとし、ランサーエボリューションを思わせるエアロパーツやオーバーフェンダーを備えた「ラリーアート バージョンR」が登場。

5速MTが設定された他(CVTもあり)、専用のサスペンションを採用しボディも補強。オプションでレカロシートも用意されるなど、本格的なホットハッチに仕上げられた。
 

三菱コルト ▲待望の5速MTを搭載し、一目でそれと分かるエアロパーツをまとった「ラリーアート バージョンR」

■三菱 コルト(「ラリーアート バージョンR」以外)の中古車相場

三菱コルト ▲シンプルなルックスではあるが、今見ても古さを感じさせないものがあるコルト

飛び道具的な特徴はもたないが、当時「まじめ、まじめ、まじめ」というCMを放送していただけあり、コンパクトカーに必要とされる基本性能をキッチリと作り込んだ印象のあるコルト。

ただし、生産終了から10年弱が経過しているということもあり、予算30万円で手に入れることができる物件もある。

このゾーンは走行距離10万km近いものもあるが、予算を50万円までアップすれば走行距離5万km程度の物件の選択肢を確保できる状況だ。

手ごろなコンパクトカーを探している人にはぴったりのモデルと言える。

流通する物件のほとんどは1.3Lモデルであり、1.5Lモデルは希少。両者の間に価格差はほとんどないものの、1.5Lモデルに狙いを定めるなら条件に合ったものをじっくり探すのが良さそうだ。
 

■三菱 コルト 「ラリーアート バージョンR」の中古車相場
 

三菱コルト ▲2007年11月以降の後期型ではMT車の最高出力が163psに引き上げられている

新車販売終了後も、圧倒的な人気を見せるの「ラリーアート バージョンR」。190台ほど存在するコルトの中古車の中で、110台ほどがバージョンRとなる。

やはり需要が高いのはMT車で、110台中70台ほどがMT車となっている。コンディション重視で走行距離5万km以下の物件を狙うなら予算の目安は120万~180万円となる。

総額50万円以下で狙える低価格帯のMT車は15万km超の多走行車が目立つが、予算を総額100万円まで上げれば10万km以下の物件も射程圏内。

ホットモデルではあるが、過度なカスタマイズがなされたものが少ないのも特徴で、丁寧に乗られてきた物件も珍しくない。

一方のCVTモデルになるとグッとお手頃になり、総額50万円台でも走行距離10万km以下、修復歴なしの物件も見つけることができる。

アグレッシブなルックスのコンパクトカーが欲しいということであれば、CVTモデルを狙ってみるのもいいかもしれない。
 

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コルトプラス(初代)の特徴と中古車相場

■コルトプラス(初代) DATA
生産期間:2004年10月~2012年6月
中古車流通量:約50台
中古車価格帯:10万~170万円
全長:4170mm~4200mm × 全幅:1680mm × 全高:1550mm
 

三菱コルト ▲電動リアゲートを全車に標準装備としたコルトプラス

■コルトプラス(初代)の特徴

コルトとほぼ同じ運転感覚ながら、長いリアセクションで余裕の荷室をもつステーションワゴンモデルがコルトプラスだ。

ホイールベースも含めた車両前部分はコルトと共通ながら、後部を300mm延長して荷室を広く取ったもので、全グレードに電動式テールゲートを備えている。

メカニズム面ではコルトと共通となるが、後部が増設された点を考慮してか1.3Lモデルは用意されず、全車1.5Lエンジンとなっている。

コルトに設定された「ラリーアート」も存在する。
 

三菱コルト ▲コルトのリアセクションを延長し、ステーションワゴン化しており積載性に優れる

■コルトプラス(初代)の中古車相場
こちらもコルトと同様に総額30万円から見つけることができる。

この最安値帯でも10万km以下の物件も珍しくなく、低価格で実用的な1台を探している人にはオススメできるモデルだ。

ただし、全車標準装備となっている電動テールゲートはトラブルが発生する率が高いため、スムーズに動作するかの確認はマストで行いたい。

一方、コルトプラスで高値となっているのは1.5Lターボエンジンを搭載する「ラリーアート」だ。

バージョンRのようにMTの設定やオーバーフェンダーのような迫力のエアロは備わらないが、この時代のコンパクトワゴンとしては唯一のターボエンジンである点や、2008年10月の改良でラインナップから落とされた希少価値もあって人気が高い。

ラリーアートに絞ると物件数はわずか10台程度で、状態の良いものでは100万円を超えるプライスとなっているが、総額50万円以下の物件も存在し、店舗によって価格差が激しいグレードとなっている。
 

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※記事内の情報は2021年8月4日時点のものです。
 

文/小鮒康一 写真/三菱自動車
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。