初代トヨタ C-HRと初代ホンダ ヴェゼル▲コンパクトSUV人気の火付け役である、初代トヨタ C-HRと初代ホンダ ヴェゼル

初代C-HR VS 初代ヴェゼル! 気になる7つのポイントで比べてみた

最近ではラインナップも増え、大人気となったコンパクトSUV。その代表格がトヨタ C-HR(初代)とホンダ ヴェゼル(初代)だ。

ともにクロスオーバーSUVで、ガソリン車とハイブリッド車を用意。オールマイティな使い勝手で、ユーザーからも好評だ。

ただし、切磋琢磨するライバル車だけあって、両者は共通点が多い。

そこで「どちらを買おう?」と悩んでいる人に向け、購入時に気になる7つのポイントで比較してみた。両車の違いを、ぜひ購入のご参考に。
 

▼検索条件

トヨタ C-HR(初代)×全国

▼検索条件

ホンダ ヴェゼル(初代)×全国
 

【サイズ】取り回しの良さ+視認性で勝負が分かれる

トヨタ C-HR(2代目)

高さ制限1550mm以下の立体駐車場を利用する人はC-HR。乗車時の頭上空間の余裕や後方視認性重視ならヴェゼルがおすすめだ。

両車ともマイナーチェンジで少し全長が伸びているのだが、それでも4400mm以下。どちらも横にワイドな3ナンバー車となっている。

大きな違いは全高で、C-HRだとガソリンの4WDを除いて高さ制限1550mm以下の立体駐車場にギリギリ入る。そのような立体駐車場を利用する人は、ヴェゼルを避けるのがベターだ。

では、取り回しはどうか? C-HRの最小回転半径は5.2m。一方、ヴェゼルは16インチタイヤ装着車が5.3m、18インチ装着車だと5.5mとなるので、C-HRの方が若干、小回りが効く。

室内高は50mm近く違うのでヴェゼルの方が頭上に余裕を感じられるはず。取り回しに差がない分、車内が広いヴェゼルの方がサイズ感では優秀だ。

また、C-HRは外観のデザインの影響で、リア側のサイドウインドウが狭くなっており、斜め後ろはかなり見えづらい。似たデザインのヴェゼルも優れているというわけではないが、C-HRより視認性に優る。運転の安心感では、ヴェゼルの方が上かもしれない。
 

トヨタ C-HR(2代目)▲若干ながら小回りはC-HRの方が優勢。ホイールベースは2640mm。ヴェゼルは2610mmなので少しだけ長い
ホンダ ヴェゼル(2代目)▲ヴェゼルは一般的なセダン(ホンダ調べ)よりアイポイントが100mmも高く、視界が良好なのも長所だ
 

【外装】カラーバリエーションには大きな差がある

個性を追求したいという人は、カラーバリエーションの豊富なC-HRの方が楽しめるだろう。

C-HRはキャビンにスピード感あふれる流線型のデザインを採用。まるでクーペのようなスタイリングになっている。

そしてカラーバリエーションは、デビュー当時から日本初設定だった「センシュアルレッドマイカ」など全8色が用意されている。一部改良やマイナーチェンジごとに新色が追加され、ツートーン仕様を合わせると全16色から選べる。
 

トヨタ C-HR(初代)のカラーバリエーション▲デビュー当時からカラーバリエーションは充実していたC-HR。途中からなくなった色も中古車市場でなら手に入るかも

ヴェゼルはキャビンを上部と下部で分け、特徴的な異なるデザインを組みわせている。C-HRと同様に上部は流れるようなデザインだが、C-HRと比べると若干どっしりした印象。2018年のマイナーチェンジではデザインが変更され、より迫力が増している。

ボディカラーはプラチナホワイトパールなど全9種類。ただ、ツートーンカラーは用意されていない。
 

ホンダ ヴェゼル(初代)のカラーバリエーション▲ヴェゼルで人気なのはやっぱり白と黒だが、「プレミアムクリスタルレッド・メタリック」も支持されている
 

【内装】ユースによって選ぶべき車が変わる

C-HRとヴェゼルでは、内装のテイストが若干異なる。C-HRのシートはスポーティで、ヴェゼルは居心地が良さを感じられるものになっている。

C-HRホールド性が高めなので、体の揺れを防ぎ、疲れを軽減してくれる。インテリア全体がスタイリッシュな雰囲気で統一されている。

対するヴェゼルは手に触れるほとんどの箇所に柔らかな素材を使って、くつろげる空間を作りだしている。
 

トヨタ C-HR(初代)のインテリア▲C-HRはシートだけでなく、全体的にスポーティなデザインとなっている

そのキャラクターの違いが後席の座り心地に大きく差を生んでいる。C-HRの後席は、ヴェゼルと比べて若干窮屈。さらに、C-HRにはリクライ二ングが装備されていない。ヴェゼルも大きくシートが倒れるわけではないが、この機能差は見逃せない。
 

ホンダ ヴェゼル(初代)のインテリア▲ヴェゼルの内装は高級感を感じされる。カラーはブラックやブラウンやグレーなど。シックな雰囲気が魅力だ

そもそも、ヴェゼルの後席は膝回りのゆとりがたっぷり。ユーティリティ装備もC-HRよりも多いので、後席の乗り心地においてはヴェゼルが優位だ。

こういった違いを踏まえると、スポーティな雰囲気を楽しみたいにはC-HRがオススメ。後席を含め、居心地のよさにこだわる人はヴェゼルを選ぶのが良いだろう。
 

 

【荷室】車内の広さ以上の差が使い勝手に表れている

コンパクトだが、どちらも十分なラゲージを備える両車。そもそもの車内が広いこともあるが、荷室幅以外はヴェゼルがリード。

加えて、ヴェゼルはセンタータンクレイアウトによって荷室が低床なのも強みだ。ヴェゼルのボディサイズが変更された2018年2月以降のモデルで、比べると下記のようになる。
 

トヨタ C-HR(初代)のカラーバリエーション

5名乗車時の荷室容量はC-HRが318L(VDA方式)なのに対し、ヴェゼルは同条件で393L。アンダーボックスを含めるとヴェゼルは404Lと、84Lも大容量になる。荷室の使い勝手を優先するなら、ヴェゼルがイチオシだ。
 

トヨタ C-HR(初代)の荷室▲C-HRはリアゲートを寝かせたために、背の高い物が積みにくいのもネック
ホンダ ヴェゼル(初代)の荷室▲ヴェゼルはセンタータンクレイアウトの利点をフル活用。シートを倒せばマウンテンバイクのもラクに収納できる
 

【走行】燃費・走行安定性能を総合しても性能差は明確

結論からいうと、ターボによる爽快感を求めるならヴェゼルでも良いが、そうでない場合はC-HRを選ぶのがベターだ。

エンジンは両車ともに直列4気筒だが、C-HRは1.2Lターボと1.8Lハイブリッド。一方で、ヴェゼルは1.5Lノーマルとターボ、ハイブリッドの3種類が設定されている。それぞれのWLTCモード燃費は下記のとおりだ。

■C-HR
1.2Lターボ:14.3~15.4km/L
1.8Lハイブリッド:25~25.8km/L
 

▼検索条件

トヨタ C-HR(初代)×ガソリン×全国

▼検索条件

トヨタ C-HR(初代)×ハイブリッド×全国

■ヴェゼル
1.5Lノーマル:17.0~18.6 km/L
1.5Lターボ:16.4 km/L
1.5Lハイブリッド:18.4~21km/L
 

▼検索条件

ホンダ ヴェゼル(初代)×ガソリン×全国

▼検索条件

ホンダ ヴェゼル(初代)×ハイブリッド×全国

そもそも排気量が違うのでフェアな比較ではないが、個性の違いは明確だ。C-HRは排気量が大きくてもヴェゼル以上の好ましい燃費。

逆にターボに関しては排気量が大きいにも関わらず、ヴェゼルの方がエコとなっている。
 

トヨタ C-HR(初代)の走行シーン▲C-HRのハイブリッドシステムは4代目プリウスと同じ。成熟したシステムだけに燃費性能は高い

走行安定性は総じてC-HRの方が高い。 3年近く後に登場しているだけあって静粛性も高いし、ハイブリッドならパワーにも余裕があって加速感も良い。ただし、ターボはヴェゼルの方が高出力なため、パワフルに走る。
 

ホンダ ヴェゼル(初代)の走行シーン▲ヴェゼルのハイブリッドはモーターよりもガソリンエンジンが優位。スポーティな運転感覚となっている
 

【安全装備】両車とも充実しているが、細部に個性が出ている

両車の先進安全装備の特性を踏まえると、高速道路などでロングドライブが多い場合はC-HR、街乗りが多い場合はヴェゼルの方が向いている。

両車とも先進安全装備をデビュー当時から用意されている。ただし、C-HRは「Toyota Safety Sense P」(後に「Toyota Safety Sense」に名称変更)を全車に標準装備にしていたのに対し、ヴェゼルは「あんしんパッケージ」をメーカーオプションで設定。2016年の一部改良で「honda SENSING」が標準化された。

そのため、ヴェゼルを中古車で購入を検討する場合は要注意。2015年式以前は安全装備の有無だけでなく、性能的にも後年のモデルと差があることを理解しておこう。

装備の内容を見てみると、どちらにも歩行者も認識する衝突被害軽減ブレーキやステアリング制御付きはみだし防止機能、オートマチックハイビームなどを装備。加えて、ヴェゼルは先行車発進お知らせ機能や標識認識機能も装備されている。

充実度で言うとヴェゼルだが、装備の仕様の違いにも注目したい。例えば、自動追従システムならヴェゼルは自動で止まらないが、C-HRは自動で停止。一方で、衝突被害軽減ブレーキはヴェゼルが約5km/hで作動するが、C-HRは約10km/hからと速度差がある。
 

トヨタ C-HR(初代)の安全装備▲「Toyota Safety Sense」はマイナーチェンジ前のモデルだとは全車オプション。中古車で購入する際は要チェックだ
ホンダ ヴェゼル(初代)の安全装備▲衝突被害軽減ブレーキの作動速度が低いため、死角の多い住宅街などで力をより発揮しそう
 

【中古車】ロングセラー同士だからこそ価格差には注目

デビュー年が3年違うえ、2021年にフルモデルチェンジしたこともあって中古車価格はヴェゼルの方がお手頃だ。両車の新車時価格とカーセンサー掲載物件の中古車平均価格は以下のとおり(2022年3月1日現在)。

■C-HR
新車時価格:229万~315万円
中古車平均価格:211万円

■ヴェゼル
新車時価格:187万~361.8万円
中古車平均価格:179万円

一方で、C-HRは最初期モデルでも中古車平均価格が204.6万円。また、ヴェゼルの最初期モデルは約137.5万円と、かなりの価格差がある。

しかも、ヴェゼルはHonda SENSINGが採用された2016年2月~2018年1月生産モデルで約177.5万円、ビッグマイナーチェンジ後の2018年2月~2019年9月生産モデルでも約204万円。オトク感ではヴェゼルが抜きん出ている。
 

トヨタ C-HR(初代)のGRスポーツ▲レアなグレードは高値安定。C-HRのGRスポーツは台数も100台以下で、250万円以上の物件が多い
ホンダ ヴェゼル(初代)の2018年2月以降のモデル▲ビッグマイナーチェンジ後のヴェゼルはまだまだ少なめ。200万円の大台に乗るが、デザイン性や走行性能にこだわるなら検討したいところ

中古車掲載台数でもC-HRが2993台なのに対し、ヴェゼルは3347台と優勢。ハイブリッド車の台数でもヴェゼルの方が多い。ただ、ターボ車はC-HRが595台で、ヴェゼルは42台と台数が逆転する。ヴェゼルのターボ車を検討している人は、条件に合った1台を探す場合、こまめな検索が必要となるだろう。

ただ、選択肢に多少の差はあれど、人気車だけあって選択肢は十分に豊富。そうなると価格に大きなアドバンテージがあるヴェゼルの方が狙いやすい。「自分の生活にはC-HRが圧倒的に合っている」という人を除けば、ヴェゼルの方がコスパは高いと言えるだろう。
 

▼検索条件

トヨタ C-HR(初代)×全国

▼検索条件

ホンダ ヴェゼル(初代)×全国
文/綱島剛(DOCUMENT)、写真/トヨタ、ホンダ