※この記事はカーセンサー関東版36号(2000年9月28日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

SUVらしいスタイルに都会的で上質な印象がプラスされた

  • AMG ML55 走り|ニューモデル試乗
  • AMG ML55 インパネ|ニューモデル試乗
↑ ステアリング操作に対し、忠実な挙動を見せるハンドリングにより気持ちのよいドライブが楽しめる(左)ホワイトメーター、ウッドとレザーを組み合わせたステアリングやシフトノブを採用(右)
大排気量5.5Lエンジンを搭載するAMG ML55。この5.5LエンジンはAMGがチューニングを手がける、2000年当時のラインナップの主流エンジンだ。 専用チューンはもちろんエンジンだけではない。走行面ではスポーツサスにスポーツエグゾーストシステム、ATやパワステまでしっかりと見直され、エンジンとのバランスが見事に図られているのだ。

ボディのデザインもオーバーフェンダーやスポイラーなどの採用により、ベースモデルのSUVらしいスタイルに都会的で上質な印象をプラス。インテリアは本革シートやウッドパネルなどがAMGモデルに共通するスポーティさと高い質感を感じさせる。

圧倒的なパワーとしなやかな足回りで、SUVとは思えないスムーズな走り

  • AMG ML55 シート|ニューモデル試乗
  • AMG ML55 エンジン|ニューモデル試乗
↑フロントはシートヒーター付のバッファロー・レザースポーツシートとなる(左)あまりのパワフルさに贅沢な印象すら覚えるが、それがベースモデルにないAMGらしさ(右)
試乗した印象は予想通りパワフル。不用意にアクセルを踏み込むと「さあ行け!」とふいに背中を強く押されたようなトルクをまともに受ける。強めにブレーキをかけるとやはりエンジンが重いのか、大きくフロントが沈み込む。ラフなペダル操作をしてしまうと車高の高いMLのボディはシーソーのような挙動になってしまう。

これはスポーツサスペンションを採用しているといっても決してガチガチに固めただけでない証拠。そのため、乗り心地やコーナリングはしなやか。その中で安定感のある走りをしっかりとバランスさせているのだ。欲をいえばなのだが、気になったことといえば大きめのギャップを超える際の4輪のバタつきだった。

圧倒的なパワーも慣れればこれ以上の頼もしさはない。車高の高めなSUVでありながら、ステアリング操作に忠実な挙動を見せるハンドリングで、気持ちのよいドライブを楽しめる。スムーズすぎて、SUVであることを忘れてしまうほどだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード ML55
駆動方式 4WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4650×1895×1805
ホイールベース(mm) 2820
車両重量(kg) 2200
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V8SOHC
総排気量(cc) 5438
最高出力[ps/rpm] 347ps/5500rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 52.0kg-m/2800-4500rpm
10・15モード燃費(km/L) 6.3
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/93
車両本体価格 980.0万円

飯田裕子の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 3点 加速性能 5点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 3点 乗り心地 4点 環境対策 3点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 3点 燃費 2点
後席居住性 3点 パワー感 5点 高速安定性 3点 ステータス 5点
内装の質感 4点 トルク感 5点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 3点
得点合計 76/100
(Tester/飯田 裕子 Photo/桜井 健雄)