▲EMP2(エフィシェント・モジュラー・プラットフォーム2)の雑味の少なさ、あらゆる操作に対してリニアで解像度が高いインフォメーション量を知ってしまうと、C4を積極的に選ぶ理由は滑らかな乗り心地に限られる。それだけC4ピカソと308の出来が凄いわけだが…… ▲EMP2(エフィシェント・モジュラー・プラットフォーム2)の雑味の少なさ、あらゆる操作に対してリニアで解像度が高いインフォメーション量を知ってしまうと、C4を積極的に選ぶ理由は滑らかな乗り心地に限られる。それだけC4ピカソと308の出来が凄いわけだが……

新パワートレインを得てさらに滑らかになったC4

売れ行き好調のC4ピカソとプジョー 308に続いて、同じく直噴1.2Lターボ+EAT6(アイシン製6速AT)のパワートレインを引っさげ、シトロエン C4がビッグマイナーチェンジを果たした。

前2者のプラットフォームがEMP2であるのに対し、C4は一世代前のままだが「完熟シャシー」とEAT6の組み合わせに期待しつつ、試乗会へ出かけた。

従来モデルと外観上の違いはフロントのヘッドランプにLED付きハロゲンを、リアはDS3に似た3D効果の立体的なコンビネーションランプを採用した点。ミニマムだが効果は抜群で、目ヂカラを増して垢抜けた印象だ。

試乗車はミシュランのプレマシーHPの17インチホイール仕様。まずEAT6のおかげでEGS6の頃とは比べ物にならないほど、加減速のシフトショックは滑らかで快適。バネ足なのにハイドロめいた足回りも健在で、柔らかいが芯のある乗り心地や、車線変更時の「揺らぎ」の収まり方は、Cセグ離れした上品ささえ感じる。

じつはこの日、全国に在庫あと数台とされるC5ファイナル・エディション、当然ハイドラクティブ仕様にも試乗したのだが、高速道路での吸いつくような安定感はC5がやはり一歩上ながら、乗り味だけならC4も決して見劣りしないことに驚いた。

ただ内装のセンターコンソールまわりは、やや古さを感じる。タッチスクリーンとステアリング上のボタンの連携に不満はないが、見た目の洗練が今一歩で、シトロエンらしくない。アイドリングストップ機構や障害物ソナーが備わったのは朗報だが、クルーズコントロールが非アダプティブしか選べない点も、惜しい。
 

▲大型パノラミックサンルーフや17インチホイールなどが備わるアップグレードパッケージ(+20万円)も用意 ▲大型パノラミックサンルーフや17インチホイールなどが備わるアップグレードパッケージ(+20万円)も用意
▲視認性の高い独自デザインのメーターを採用、5段階に色を調節できる。ラゲージ容量は380L ▲視認性の高い独自デザインのメーターを採用、5段階に色を調節できる。ラゲージ容量は380L
▲約30kgの車体軽量化などと相まって、従来(1.6Lターボ)より燃費を約20%向上させた ▲約30kgの車体軽量化などと相まって、従来(1.6Lターボ)より燃費を約20%向上させた

【SPECIFICATIONS】
■グレード:Seduction ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直3DOHCターボ ■総排気量:1199cc
■最高出力:130/5500[ps/rpm]
■最大トルク:230/1750[N・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:4330×1790×1490(mm) ■ホイールベース:2610mm
■車両重量:1320kg
■車両本体価格:276万円(税込)

text/南陽一浩 photo/河野敦樹