7人乗りながら乗り味とハンドリングは秀逸!

  • 日産 ラフェスタ ハイウェイスター 走り|ニューモデル試乗
  • 日産 ラフェスタ ハイウェイスター エンブレム|ニューモデル試乗
日産ラフェスタハイウェイスターは、マツダからOEM供給を受ける現行型プレマシーに日産が独自の変更を加えたモデルだ。OEMモデルとはいえ外観の違いはかなり多く、ボンネットからフロントバンパー、さらにドア回りまで変更したという力の入れよう。同社のエルグランドやセレナ同様、ハイウェイスターのスポーティなテイストを最大限に表現している。

試乗したのは最上級グレードとなるハイウェイスターGのFF車(226万8000円)。エンジンは2Lの直噴で、これに5速ATが組み合わされる。Mクラスというカテゴリーに入るラフェスタだが、多人数乗車が可能でありながら取り回しやすいところが利点。運転席に座ると高めのアイポイントにより車両感覚がつかみやすい。またボディサイズに対し、最小回転半径が5.3mと同クラスのミニバンより小回り性能に優れる。
  • 日産 ラフェスタ ハイウェイスター リアシート|ニューモデル試乗
  • 日産 ラフェスタ ハイウェイスター 2列目中央シート格納|ニューモデル試乗
エンジンのパワー自体は必要十分なレベルだが、最大の魅力はその卓越したコーナリング性能と乗り味だ。重心が高めになるミニバンの場合、コーナリング時にボディがロールした後、ユラッとくる揺り戻しなど車両の安定感に不安を覚える時がある。

しかし、この車は重心が低く、特に乗員の頭部の揺れが少ない。また高速走行時の直進安定性やギャップを乗り越えた際の突き上げ感の少なさも高いレベルだ。さらに車内への不快な音の侵入をうまく抑え、高い静粛性を実現している。

燃費向上に有効なアイドリングストップ機構だが、外気温やバッテリーへの負荷など環境によっては作動しづらいケースがある。試乗日は猛暑だったが、エアコンがほぼ全開で作動すると、エンジン停止は思ったほど行われなかった。

SPECIFICATIONS

グレード ハイウェイスターG
駆動方式 FF
全長×全幅×全高(mm) 4615×1750 ×1615
ホイールベース(mm) 2750
車両重量(kg) 1520
乗車定員 7人
総排気量(cc) 1998
最高出力 110kW(150ps)/6200rpm
最大トルク 186N・m(19.0kg-m)/4500rpm
車両本体価格 199万1850〜226万8000円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する(※点数は標準車のものです)

総合評価16/ 25
EQUIPMENT(装備)2/ 5
全グレードともオーディオレスだが、4スピーカー&ステアリングリモコンを標準装備。指定されたディーラーオプションのナビ&オーディオを装着すれば音量や選局など手元で操作できる
SAFETY(安全性)2/ 5
最廉価のJパッケージを除くFF車にVDC(車両安定デバイス)を標準装備。キセノンヘッドランプは運転席側電動スライドドアと17インチアルミなどのセットで16万2750円高(ハイウェイスターG)
ECO(環境性能)5/ 5
次世代環境技術を取り入れた日産のエンジン進化型エコカー=ピュアドライブモデルの第6弾だけあり、平成17年基準排出ガス75%低減で4つ星、平成22年度燃費基準も+25%達成と文句なしの5点
MILEAGE(燃費)3/ 5
試乗したG(FF)の10・15モード燃費は15.0km/L。高速道路6割、一般道4割のテスト走行で平均燃費は11.7km/L。アイドリングストップの作動頻度が上がれば実用燃費はもう少し向上するはずだ
VALUE(バリュー)4/ 5
Gとすぐ下のハイウェイスターとの価格差は18万3750円だが、Gには助手席側電動スライドドアなど人気装備が付く。これら装備は価格差以上のバリューあり。中古車ではぜひ最上級のGを狙いたい
写真:篠原晃一 文:高山正寛