高レベルな乗り心地と静粛性、対して質感はどうか?

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  • 日産 ノート サイド|ニューモデル試乗
ボディサイドには「スカッシュライン」と呼ばれる独特のプレスラインを採用
2005年に登場した日産ノートがフルモデルチェンジ。注目点は、兄貴分のティーダ(2012年8月で生産終了)と同等の室内空間と1.5Lレベルのトルクを発生する3気筒1.2Lスーパーチャージャー付きユニットの採用、JC08モードで最高25.2km/Lの低燃費(S DIG-Sグレード)だ。

1.2Lスーパーチャージャーエンジン搭載車に試乗した。エコドライブに寄与するECOモードをONにしてスタート。アクセルを踏んだ瞬間「おや?」と思った。低速走行時のレスポンスを向上する副変速機付きCVTに助けられてはいるが、スーパーチャージャー(機械式過給機)の効果が感じられないのだ。燃費表示機能を見ると数字は良好だが、発進加速は普通のリッタークラスと変わらない。

ECOモードのON/OFFで走りの表情が一変する

  • 日産 ノート エンジン|ニューモデル試乗
  • 日産 ノート インパネ|ニューモデル試乗
エンジンは98psを発生するスーパーチャージャー付き(HR12DDR)と過給器なしのタイプ(HR12DE)を用意
ECOモードをOFFにすると、動力性能が一気に向上する。トルクの出方もリニアで扱いやすい。「これは良い!」と思い燃料表示機能を見ると、トルクを大きく発生させるているため燃料消費は多くなる。走りを生かしたECOモードOFFでは、果たしてカタログでうたわれている燃費値が出るのか、いささか懐疑的だ。ECOモードのようなファンクションに頼らずクラス最高の低燃費を打ち出すことはできないのだろうか。

乗り心地、静粛性ともにうまく調理してある。サスペンションのブッシュ(車体とサスペンションを連結するゴム部品)の味付けに妙があるのだろう。エンジンの低振動性も3気筒としては最高クラスである。マウントの設計が実にうまい。

シャーシはマーチと共通のVプラットフォームを採用。車重の軽量化と剛性を両立したプラットフォームといわれているが、剛性は最新の軽自動車に劣る。従来はティーダで狙っていた客層もノートで担う作戦だが、内装の質感は先代ティーダには及ばない。

SPECIFICATIONS

グレード S S DIG-S MEDALIST ライダー
駆動方式 FF 4WD
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4100×1695×1525 4140×1695×1535
ホイールベース(mm) 2600
車両重量(kg) 1030 1070 1090 1130
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直3DOHC 直3DOHC+スーパーチャージャー
総排気量(cc) 1198
最高出力[kW(ps)rpm] 58(79)/6000 72(98)/5600 58(79)/6000
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 106(10.8)/4400 142(14.5)/4400 106(10.8)/4400
10・15モード燃費(km/L) 22.6 25.2 24.0 18.2
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/41
車両本体価格(万円) 124.95 144.9 167.475 179.865
Tester/松本英雄  Photo/篠原晃一