ワーゲンバスをリビングに!?参考にしたいレトロなキャンプサイト作り|Carsensor IN MY LIFE


キャンプシーンが変わりつつある。ファミリーキャンプから、オートキャンプへ。現在は自分が好きなことをキャンプで楽しむスタイルが浸透してきた。その変化の一翼を、クルマは一種の“キャンプ道具”として担う。

そもそもオートキャンプとは、テントサイトまでクルマを乗り入れるキャンプのこと。キャンパーの大半が好むスタイルだが、その中で一際目を引くキャンプサイトがある。行く先々で話題になる名物キャンパー・フリィさんだ。レトロなアイテムをキャンプに盛り込み、フリィさんならではの“快適空間”を作る。そんなフリィさんの、キャンプサイト作りに迫った。

ワーゲンバスは、レトロな世界観を描くキャンプギア

ワーゲンバス

オートキャンプでは、クルマもキャンプギアのひとつ。だから、キャンプサイト作りでは両者の相性を考えなければならないし、「ギアをどうするか」と考えるのが醍醐味でもある。

フリィさんは、アナログなギアに統一して自分なりの世界観を楽しむスタイル。ビンテージアイテムでレイアウトしたテントサイトだから、クルマもクラシカルなワーゲンバス(フォルクスワーゲン タイプII)を選んだ。

ワーゲンバス

レトロなルックスに惹かれてワーゲンバスに憧れるキャンパーは多いが、フリィさんはワーゲンバスを実用的に使いこなす。

「ボディが大きいから、車内を“部屋”として活用できるんです! セカンドシートを取り外してテーブルをセットすればリビングになり、後部席にマットを敷けばベッドルームに早変わり。寒い夜でも快適に過ごせますよ(笑)」

観音開きのドアに棚やカーテンを取り付け、居住性もこだわる。まるでオシャレな喫茶店に来ているように錯覚させる居心地の良さ。クルマを一級のキャンプギアに昇華させる。このセンスこそ、フリィさんが有名キャンパーたる由縁だろう。

ビンテージマニアのこだわりがキャンプを彩る

ワーゲンバス

ワーゲンバスの魅力である積載性も、カスタムされたキャンプ仕様でも健在。長尺ギアを難なく載せられるし、積載時に場所をとる鉄骨テントも問題なく詰める。

フリィさんは、そんな“移動式倉庫”にビンテージアイテムを詰め込み、ワーゲンバスとともにレトロな世界観を作り出す。

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持ち込まれるギアはビンテージマニア垂ぜんの品ばかりで、いずれもキャンプサイトを魅力的に彩る。

夜のとばりをいっそうムーディーにしてくれるランタンは、コールマン インスタントライト。1930年代前半のアイテムで、「今一番のお気に入り」だという。

「これだけ古いと、オリジナルのパーツが揃っているというのがまず珍しいんです。特に335のグローブは、なかなか出合えません(笑)」

パイレックスというメーカーがコールマンのために作った物で、グローブのロゴが消えずにキレイに残っているのは、とてもレアだ。

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キッチン周りも、当然ビンテージアイテムで揃えられている。卓上にあるツーバーナーストーブランタンは、コールマン モデル442。風防と燃料タンクの赤色がテントサイトのアクセントになっている。

スツールの上に鎮座する鉄製のトランクボックスも、無骨な存在感を放つ。かつて日本軍が使用していた物で、キッチン道具などを入れるのに重宝しているという。

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そしてテントには、また違ったこだわりが。全部で10張りほど持っており、寒い時期は暖色系、春夏は寒色系と、シーズンによってテントを使い分ける。

取材当日は「タープの色味に合いそうだな」と、海外から買い付けたヒラリーのテントを張っていた。キャンプ場の木々と馴染むアースカラーのテントは、景観を失わないための配慮なのかもしれない。

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ギアが揃うと、次は「○○マニア」になるのがキャンパーの性。フリィさんのキャンプスタイルは、古い物好きとしての彼のこだわりが源泉となっている。

もともとは、キャンプギアをたくさん載せるためにルノー カングーからワーゲンバスに乗り替えた。しかしクルマを替えたことで、古い物好きのフリィさんのキャンプはより“深化”した。

月1ペースでキャンプに出かけるフリィさんにとって、ワーゲンバスはもはや欠かせない存在。リビングとして、ベッドルームとして、倉庫として、彼のキャンプサイト作りを支えている。

文/伊藤千尋 写真/笹井タカマサ 撮影場所/カントリーパーク大川