スカイライン

【連載:どんな車と、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんな車と、どんな時間を?
 

ファミリーカーはキラキラに磨き上げられたセダン

石川家のファミリーカーは、スカイライン生誕60周年を記念した特別仕様車、スカイライン60thリミテッドだ。

パパの知哉さんは、R34 GT-R Vspecの人気ボディカラー「ベイサイドブルー」をオマージュしたヘリテージカラー「オーロラフレアブルーパール」に惹かれて購入したそうで、洗車が趣味という知哉さんの手で磨き上げられたそのボディは、細かなフレークパールをキラキラと輝かせている。
 

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60thリミテッド限定の深いブラウンの革内装もお気に入りで、後部座席に取り付けたチャイルドシートのカラーもインテリアに合わせて選んだという。

そのチャイルドシートに座るのは、両手にトミカを握りしめた2歳の愛息、莉大くん。出かけるときはいつもトミカと一緒だそうで、本日のセレクトはフェアレディZと、愛車と同じく「ベイサイドブルー」をオマージュした「ワンガンブルー」のGT-Rだ。

「これをパパブーブって呼んで気に入ってるんです」とママの実祐さんが教えてくれた。
 

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ハイトワゴンやSUVが幅を利かせる今日この頃、小さな子供を持つ若い夫婦のファミリーカーならなおさらのこと、セダンというセレクトにはこだわりを感じる。

「父が日産ディーラーに勤めていたこともあって、僕はセドリックで育ったんですよ。だからファミリーカーというか、車といえばセダンなんですよね」

子供の頃は鉄道が好きで、夢をかなえて電車の車掌になった知哉さん。あまり車に興味も知識もなかったから、人生初の愛車を買いに行くときは父親に付き合ってもらったそうだ。
 

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そして購入した先代V36型スカイラインが、知哉さんを車に、いやスカイラインにドはまりさせ、今や電車は仕事、趣味は車。洗車を楽しみ、休日に車好きの仲間とツーリングに出かけたりもする。

その後結婚した実祐さんは、普段仕事で乗るのが軽自動車ということもあり、2.5L V6エンジンの燃費の悪さと税金の高さにちょっとびっくりしたそうで、2Lエンジン搭載のV37型に買い替えた。

それは実祐さんのおなかに莉大くんがいることが分かる直前のことだったそうで、「もし先に妊娠が分かってたら、スライドドアの車とかになっちゃってたかもしれない」と、知哉さんにとってギリギリセーフのタイミングだったとこっそり笑顔を見せる。
 

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「家族3人でコストコに行くのも、趣味の洗車道具さえ降ろせばトランクも十分。ハイトワゴンじゃなくても何ら問題ないです」と、胸を張りつつ、入りきらない大きな重たい段ボールを特別仕様の柔らかなセミアニリン加工の本革シートに置かざるを得ないときはちょっと心が痛むそうだ。
 

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本当はもっと低燃費のスライドドアの車を希望していたという実祐さんも、「やっぱり乗り心地がいいし、たまに周りの人からチラッと見られることもあって、ああいい車に乗ってるんだなっていう感じがしますよね」と評判は上々のよう。

「明日は清里に行こうか、って軽いノリで遠くまで旅行に連れて行ってくれるのは、彼が好きな車に乗ってるからこそですよね。私も自然が好きだし、息子のいい経験にもなるしうれしいです」と莉大くんの顔をにっこりのぞき込んだ。

知哉さんの将来の夢は、ガレージ付きの家にスカイライン史上最強エンジンとも名高い400Rを置くことだという。莉大くんのスカイライン党としての成長が望まれるところだ。
 

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日産 スカイライン(13代目) × 全国
文/竹井あきら、写真/三浦孝明
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石川さんのマイカーレビュー

日産 スカイライン(13代目)

●購入額/約300万円
●年間走行距離/約1.5万km
●マイカーの好きなところ/希少な内外装色、マフラーの色とボディの色がマッチしているところ、サイドのプレスラインが美しい、リア窓ピラーの造形、ターボの音
●マイカーの愛すべきダメなところ/整備に高くつきがちなメルセデス製パワートレイン
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/スカイラインの中では王道じゃないけど、この車の良さがわかる人に
 

竹井あきら

ライター

竹井あきら

自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してからしばらく車を所有していなかったが、2021年春にプジョー 208 スタイルのMTを購入。近年は1馬力(乗馬)にも夢中。