BMW ACV30(1997年ジュネーブショー)→ニューミニ(2001年)

初代ミニ(以下クラシック・ミニ)は40年以上もの間、ずっと愛され続けてきた。そのミニを最終的に生産していたローバーグループがBMWグループの傘下に入ったのが1994年のこと。そして1997年、ジュネーブショーにコンセプトカーのACV30がお披露目された。それから4年後の2001年、市販モデル「ニューミニ」がデビューした。

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ACV30は、市販モデルよりもカッコ悪さの目立つデザイン。このままでは正直売れなかった?

ブサイク顔だったコンセプトカー

ミニACV30リヤ | 日刊カーセンサークラシック・ミニは、最小サイズで最大居住効率を稼ぐためにイシゴニス博士が、今では当たり前となったFFレイアウト(フロントエンジン・フロントドライブ)を考案して生まれた、名車中の名車だ。

本来、縦置きにするエンジンをレイアウトの関係からそのまま横置きにしたエンジンレイアウトをとったため、当初はラジエターが正面ではなくサイドにあった。1959年のデビューから40年ほど現役で生産が続けられた。

BMWグループの傘下に入ったのちの、1997年のジュネーブショーに披露されたコンセプトカーは、なんともずんぐりむっくりの姿。ちょっと“カニ目”(オースチン・ヒーレー・スプライト)を彷彿とさせるところもあるが、お世辞にもカッコイイ、キビキビ走りそうとは言えなかった。

英米独の合作、当初は期待されず

BMWニューミニリヤ | 日刊カーセンサーその後、2001年に市販モデル「ニューミニ」がデビューした。先のコンセプトカーACV3のデザインモチーフはあちこちに見られるものの、全体の雰囲気は明らかに異なるものだった。

当時、ひと足早く復刻版としてフォルクスワーゲン・ニュービートルが登場していたが、見かけ倒しな部分が指摘されることも多く、評判はけっして良くはなかった。そんなこともありニューミニに期待する声は少なかったものと記憶している。

それは塔載されるエンジンが当初はクライスラー製であったことも影響しているようだ。「ドイツメーカーによる、アメリカメーカーエンジンを搭載するイギリス製造の車」。これだけ聞いても期待度は低いものであった。

しかし実際乗ってみると、その思いは良い意味で見事に裏切られた。クラシック・ミニにも乗ったことがあるが、日本の軽自動車より短い前後長のボディで取り回しは抜群。生産中止直前に乗っても40年という歴史はあまり感じなかった。

ニューミニには、そんなクラシック・ミニのDNAが見事に継承されていた。キビキビしたステアリングフィールや、エンジンフィーリング。とくにエンジンは「クライスラーなのにナゼ?」と思うほどミニ的であった。だからといってクラシック・ミニをきれいにトレースしているわけでもない。センター配置となるメーターは大型で、ニューミニの特徴の一つ。また、日本では数少ない5ナンバーの輸入車となる点も見逃せない。

2006年に登場した2代目になるとさらにニューミニは「よりミニ的」になった。BMWとフランスPSAグループとの共同開発による1.6Lエンジンは、BMWお得意のバブルトロニックを採用していて、クーパーに搭載されている。そのターボエンジンを搭載するクーパーSは見事にクラシック・ミニのゴーカート的走行フィーリングを実現している。

現行ミニクーパーのスペックは全長3700×全幅1685×全高1430mm。1.6Lの直4DOHCエンジンを搭載する。