トヨタ プリウス ▲全高が55mmも下げられ平たい印象に変わる次期プリウス。リアドアのハンドルはピラーに内蔵されてクーペ風のサイドビューが作り出される。ワイド感をもたらす横一文字のテールランプが目を引く

立ち位置が変わりつつある、プリウス

次期トヨタ プリウスの全高は55㎜低められ、流線形を極めることになりそうだ。全高ダウンには全面投影面積を減らして空力特性を高める狙いもある。

2015年12月にデビューした現行プリウスは、TNGAの下で開発された最初の車となった。THSIIの名称が取り払われたハイブリッド機構は小型軽量化によってJC08モード燃費で40㎞/Lを突破した。

一方で、個性が強すぎたデザイン、客層の広がりに伴うブランドイメージの低下が課題として浮上。見えない敵との戦いを強いられてきた面もある。

さらに、トヨタの商品群を見回すといまやカローラにもHEVが設定されていて、Cセグメントのハイブリッドカー需要をプリウスが一手に引き受ける必要性は薄れた。

そこで、5代目にあたる次期モデルは低全高化という思い切ったイメチェンに乗り出すこととしたようだ。
 

トヨタ プリウス▲歴代プリウスのボディ寸法。プリウスの全高は3代目まで変わらず現行4代目で初めて引き下げられた。こうして並べると次期モデルの55mm低下がいかにインパクトのある見直しかわかる。全幅の拡大とホイールベースの延長も見逃せない

横一文字のテールランプが光る、リアビュー

上の画像はリアビューの予想イラストだ。リアにはハリアー同様、赤いラインが一直線にともる薄型テールランプが起用されて精悍さが演出される。

歴代モデルに踏襲されてアイデンティティでもあった、ハッチゲート垂直面のサブウインドウは全高ダウンに伴って廃止される。その名残として黒いガーニッシュが装着されるようだ。

全高ダウンによってヘッドクリアランスは前後席とも最小限に抑えられ、ルックス優先のパッケージに変わる。

メーターパネルは引き続き中央に置かれるのか、それともドライバーズカーの雰囲気を高める狙いで運転席前方に移されるのか、興味深いところだ。

もちろん、コネクティッド技術が応用され通信ナビが装備されるだろう。
 

トヨタ プリウス▲プラネタリーギア採用の動力分割構造を継承しつつ、構成部品を刷新することで効率アップが図られたハイブリッド機構。ノア、ヴォクシーで実用化され今後デビューするトヨタ車に順次用いられていくことだろう

ハイブリッド機構を刷新

シャシーやパワートレインといった基本的なコンポーネントは、現行モデルから流用され最大熱効率40%を達成している1.8L直4エンジンも続投される。

ただし、ハイブリッド機構にはノア、ヴォクシーで起用された最新版(トヨタ社内では第5世代と呼ばれる)が用いられる。

仕組みは従来と変わらないが、高効率化されて燃費とドライブフィールが向上される。現行モデルで初設定された4WDモデルは、後輪モーターが増強され乾燥路でもトルクを発生させることで発進加速と旋回をサポート。

生産遅延と迫り来る法規対応を見越し、すでに現行モデルのオーダー受け付けは打ち切られているプリウス。お伝えしてきた5代目プリウスは、2022年末に発表を控えている。

※2022年7月15日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
 

トヨタ プリウス▲ちなみに、こちらが2015年12月にデビューした現行プリウス。新開発プラットフォームが起用されて低重心化が図られた。ヒップポイントも引き下げられて腰高感を払拭。個性が強すぎた前後ランプ類は2018年のマイナーチェンジでリニューアルされている

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2022年12月
■全長×全幅×全高:4550×1780×1415(mm)
■搭載エンジン:1.8L 直4+モーター
 

text/マガジンX編集部、写真/マガジンX編集部、トヨタ