モーターを「燃費」ではなく「パワー」のために使う! 驚異的な加速力を味わえるハイブリッドカー3選
2018/07/05
燃費より出力重視に振ったハイブリッドカー
エンジンとモーターという、2つの動力源を持つハイブリッドカーを2頭立て馬車に例えた場合に、ポニーの2頭立て馬車ではなく、サラブレッドの2頭立てを選びませんか? というのが今回のお話。
エンジンの代わりにモーターが働けばその分ガソリンを消費しなくて済む。だからハイブリッドカーは低燃費。それが一般的なんだけど、この発想を切り替えて、エンジンとモーター両方が全力を出したらちょっ速だよね、というハイブリッドカーもあるのだ。
しかも低速から大きなトルクを発揮するモーターが加わるから、アクセルを踏んだ瞬間から怒濤の加速がバビューン! と。そんなガソリンエンジン車には望むべくもないドライブフィーリングが味わえる。
もちろん、ほとんどのハイブリッドカーには両方のパワーを発揮するモードが用意されている。例えば高速道路の追い越しの際とか、加速力が欲しいときに使えるように。そりゃポニーが1頭より2頭いた方が力強い。けれど2頭のポニーが全力で走るのと、サラブレッドではやっぱり速さが違う。
ハイブリッドカーに搭載されるエンジンやモーターは、車としてシステムを燃費に振るか、出力重視に振るかで変わってくる。例えば、トヨタでいえばプリウスもあれば、先日ル・マンを制覇したTS050ハイブリッドもある。それぞれに適したエンジンやモーター、その制御システムが与えられている。
TS050ハイブリッドが市販化されるようだけど、たとえ出ても恐らくボクら庶民には縁のないような価格になるだろう。でもね、出力重視に振ったハイブリッドカーなら実は中古車で手軽に狙えるのだ。
2006年に登場したレクサス GS(初代)の場合、ライバルのBMW M5に負けない高級スポーツセダンに仕立てたかったのだと思う。同車に搭載されたハイブリッドシステムはまるでワープ空間に突入したかのような、強烈な加速を見せてくれる。
3.5Lのガソリンエンジンは当時のISと同じだけど、そこにモーターのパワーを加え、システム全体では最高出力345psを発揮する。しかもレクサスゆえ静粛性が高いため、実際の加速速度と、静かに、かつ瞬く間にぶっ飛んでいく周囲の風景とのギャップが、M5にはない高級スポーツセダンの新しい世界を見せてくれる。
レクサス GSと同じパワーユニットは、2008年に登場したトヨタ クラウン(13代目)にも搭載された。しかしクラウンに武闘派ハイブリッドシステムという組みあわせはウケが悪かったのか、14代目にフルモデルチェンジした際はエンジンが3.5Lではなく2.5Lになり、システム全体でも220psと文字どおりパワーダウン。
だから13代目クラウンハイブリッドはある意味希少車なのだ。現行型の15代目クラウンには再び3.5L+モーターが復活したけど、現段階で中古車はゼロ。14代目は先述のとおり3.5L+モーターは存在しない。それならば掲載台数も多くてお手頃な、13代目の程度のよい中古車を選んで楽しんだ方が正解じゃないかな。
一方で日産は2014年に登場した13代目スカイラインに初めてハイブリッドシステムを搭載した。
スカイラインがGT-Rと決別して久しいけれど、逆に言えばもともとGT-Rを擁したくらい、スカイラインはスポーツセダンの代表格。GT-Rとは異なる新たなスポーツセダンの可能性を探すべく3.5Lのガソリンエンジンにモーターを組み合わせ、バッテリーには高出力が可能なリチウムイオンバッテリーを採用した。(上記のGSやクラウンはニッケル水素電池)
結果0-100km/hの加速は4.9秒と発表当時のハイブリッドカーとしては世界最速に。現行型ポルシェ 911カレラの4.6秒にはわずかに及ばないものの、5.1秒のケイマンなら後塵を浴びせることができる。
かつて90年代にスズキスポーツが400馬力の1.6Lエンジンを前後に2基搭載したカルタスを開発したことがある。アメリカではインディ500同様に有名なレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に挑むためだ。動力源を2つ積んで速く走るという発想は、約30年前からあったのだ。
21世紀になった今なら、ハイブリッドカーという手がある。今年のル・マンではトヨタが優勝したが、それまではアウディやポルシェのハイブリッドカーが席巻していた。そんなハイブリッドカーのもうひとつの魅力を、中古車で手軽に味わってみない?
▼検索条件
レクサス GS450h(初代)×本修復歴なし×支払総額あり▼検索条件
トヨタ クラウンハイブリッド(13代目)×修復歴なし×支払総額あり▼検索条件
日産 スカイラインハイブリッド(13代目)×修復歴なし×支払総額ありこの記事で紹介している物件
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