小ぶりで安価なのに存在感十分。中高年には総額100万円台からの現行アウディ A3スポーツバックが最強か?
2018/09/29
「ちょい安価でちょい小ぶりな車」が中高年にはたぶんベスト
筆者(50歳)を含む中高年には、若者のそれとはまた違う「中高年ならではの車選び指針」があってしかるべきだと考えている。
いくつかの大切な指針が順不同で存在するはずだが、最近とりわけ重要と考えているのが「比較的手頃な価格の車」を選ぶということと、「やや小さめなサイズの車」を選ぶということだ。
なぜか?
それは、ハッキリ言ってしまえば「中高年になると収入が減る可能性が高まるから」ということと、「大きめなサイズの車を上手に操縦する能力がやや低下するから」だ。
もちろん収入というのは人によりけりなため、なかには老いてなおガンガン稼いでらっしゃる方も多いだろう。
しかし、一般的には「役職定年」や「早期退職」「定年退職」等々により、また筆者のような自営業者であれば「加齢に伴う仕事量の減少」等により、中高年になると、なんだかんだ言って年収が減ってしまう可能性はまずまず高いのである。
それに加えて、ご同輩または先輩であれば先刻ご承知のとおり、中高年ともなれば身体の様々な能力、とりわけ「目」がやられてくる。
であるならば、無理に高価でデカい車など買わず、「ほどほど安価で、まずまず小さめな扱いやすい車を選ぶべし」というのが、一般的な中高年にとっては当然の正解になるわけだ。
昭和世代は「小さな車」に心理的な抵抗と偏見がある?
だが、その際に問題となるのが「格落ち感」である。「うらぶれ感」と呼んでもいいのかもしれないが。
昨今の若者らは生まれたときからの不景気に慣れきっているため、「持ち物のレベルにより自らの権勢を示す」なんて概念とはほぼ無縁のようだ。
それはそれで好感の持てる素晴らしい姿勢だが、しかしこちとら中高年は良くも悪くも「いい時代のニッポン」で生まれ育ったため、どうしたって「モノの呪縛」から完全に逃れることは難しい。
もはやそんなことにこだわるのはナンセンスと頭ではわかっていても、「いつかはクラウン」に似た考え方でそれまで乗ってきたそこそこ高級な車から、いきなり大衆的で貧乏くさい(?)小型車に乗り替えるのは、若干の心理的抵抗が伴う場合も多いのである。
で、そんなときにぜひ検討してほしいアクションのひとつが、「中古の現行アウディ A3スポーツバック(2013年9月~)に乗り替えてみる」という選択肢なのだ。
現行アウディ A3スポーツバックというドイツ車のユーズドカーであれば、ここまでさんざん述べてきた「比較的安価で小ぶりな車」という条件をほぼ完全に満たしつつ、「格落ち感」「うらぶれ感」のようなネガを巧妙に回避できるのである。
どういうことか? 次章以降、順を追ってご説明しよう。
その精緻すぎる動きはクラス最強レベル!
まずは現行アウディ A3スポーツバックという車の簡単なおさらいから。現行A3スポーツバックは、2013年9月に登場した5ドアのプレミアム・ハッチバック。A3スポーツバックとしては3世代目にあたる。
パワートレインなどは同門のフォルクスワーゲン ゴルフと共用だが、細部はアウディ独自のもので、搭載エンジンは1.4L直噴ターボと1.8L直噴ターボの2種類。1.4Lの駆動方式はFFで、1.8Lの方はクワトロ(フルタイム4WD)だ。そして1.4Lの方には気筒休止システムを備える「1.4 TFSIシリンダーオンデマンド」というグレードも用意されている。
で、その走りは端的に言って大変に素晴らしい。運転に関わるすべてのタッチとフィーリングが非常に上質であるため、マインドの面でかなりの満足感を得られるのは当然として、動き自体が大変に素晴らしいのである。
ちょっと大げさに言うなら、コーナリング時に狙ったラインを1mmたりとも外さずに曲がっていく――というような芸当が、特に腕に覚えがあるわけでもないごく普通のドライバーにもできてしまう。ここまで精密な走りが堪能できる5ドアハッチバックというのは、世界広しといえどもそうそうあるものではない。
とはいえ、同じアウディでもA6やA8といった高級ラインとは違う「あくまでも小ぶりな5ドアハッチバック」ではある。それゆえ普通に考えれば、中型以上のサルーンなどから乗り替える際には若干の「格落ち感」みたいな感情が生まれがちなケースではある。
しかし現行アウディA3スポーツバックに限っては、(もちろん人にもよるだろうが)そういったダウナーな感情は発生しにくいのだ。
「アウディ」というブランドの威光がそうさせるのかもしれない。シュッとした清潔感と上質感にあふれるデザインが、それを感じさせないのかもしれない。あるいは、まさに「小さな高級車」と呼びたくなるインテリアの質感のせいかもしれない。
正確にはわからないし、そもそも「ツボ」は人それだろう。
だがいずれにせよ、「いやあ、最近は年のせいで目もよく見えないし、カネもそんなにないから、小さい車に乗り替えたんですよ」みたいな言い訳をする際にも悲壮感のようなものがほとんど発生しないのが、現行アウディ A3スポーツバックの、数ある美点のなかの大きなひとつなのだ。
狙い目は総額170万円~の前期型低走行物件
では、そんな現行アウディ A3スポーツバックのユーズドカーに乗り替えるとしたならば、我々中高年は何年式のどのグレードを選ぶべきなのか?
細かいことは考えずにただ「ベスト」を選ぶのなら、2017年1月26日以降の後期型が望ましい。エンジンは1.4Lターボと1.8Lターボの2種類があるが、個人的には1.4Lターボで十分かと思う。
で、この後期型であれば内外装がさらに現代的にリファインされたのみならず、先進安全装備である「アウディ プレセンス フロント」とアダプティブクルーズコントロールが標準装備になっている。どちらも中高年には嬉しい装備だ。
しかし2017年式以降の中古車相場は底値でも総額約250万円で、ボリュームゾーンは総額350万円前後。冒頭で提示した「比較的手頃な価格の車を選ぶべし」という指針からは少々外れていると言わざるを得ない。
であるならば、狙うは2016年式までの「前期型」しかない。前期型であっても、走行3万km台までの比較的低走行な物件は多数流通している。そしてその相場は総額約170万円からとなかなかお値打ちで、ボリュームゾーンも総額190万~250万円といったところ。もちろん「激安」ではないわけだが、その超絶クオリティから考えれば「なかなかリーズナブル」とは言えるはずだ。
だがそんな前期型の現行A3スポーツバックを選ぶ際は、若干注意したい部分もある。それは「先進安全装備」に関する話だ。
前述のとおり2017年1月26日以降の後期型は「アウディ プレセンス フロント」とアダプティブクルーズコントロールが標準装備になったわけだが、前期型では「アダプティブ クルーズ コントロール」と「アウディ ブレーキガード」はオプション扱いだった。前期型のユーズドカーを探す場合は、もちろんマストではないが、この種のオプション装備が装着されている個体を選んだ方が、中高年的な満足度と安心感は格段に高まるだろう。
あるいは「コンビニエンスパッケージ」装着車に狙いを絞るのも悪くない。
前期のコンビニエンスパッケージは、「アウディ パーキングシステム」と「リアビューカメラ」「アドバンストキーシステム」がセットになった新車時21万円のパッケージオプションだ。
これに新車時8万円だったアウディ ブレーキガード付きのアダプティブクルーズコントロールと、同じく新車時30万円だった「MMIナビゲーションシステム」が付いていて、なおかつコンディション良好な中古車が比較的手頃なプライスで見つかったなら、ほとんど鬼に金棒というか、総合的な満足度はウルトラ高いはずだと断言したい。
いずれにせよ現行型アウディ A3スポーツバックは、前期型であっても素晴らしい乗り味の、そして素晴らしい存在感の、5ドアハッチバックである。ご興味のある中高年諸兄はぜひ下の物件リンクから、その中古車をチェックしていただけたら幸いだ。
▼検索条件
アウディ A3スポーツバック2代目前期×総額250万円以下×3万㎞台までこの記事で紹介している物件
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