人気が再燃? 3代目ホンダ オデッセイ! 多目的に使えて値段もお得、オススメの高速クルーザーだ。
カテゴリー: 特選車
タグ: ホンダ / オデッセイ / カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー / ぴえいる
2020/01/31
この2年で急に人気が上昇した3代目
カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年好例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。2019年の第5位に輝いたのはホンダ オデッセイ(3代目)だ。
2018年の9位から順位を上げた3代目オデッセイだが、実は「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」が開始された2014年~2017年の間は50位前後。2代目や4代目より下位だった年もあったのに、突然この2年で急激に人気を得るようになったモデルだ。
人気の秘密はどこにあるのか? 3代目オデッセイの歴史をひもときながら、探っていきたいと思う。
2003年に常識破りのワイド&ローなミニバンとして登場
3代目を振り返るために、まず初代オデッセイについて軽くおさらいしておきたい。初代オデッセイはミニバンブームの火付け役とさえ言われたくらいバカ売れしたモデルだ。ヒットの理由は、当時のアコードをベースに開発されたミニバンだったから。
実は当時の他社のミニバンは、商用バンをベースに開発されたものがほとんどだった。そこへ乗り心地も扱いやすさもセダンと遜色ないオデッセイが現れて、セダンからの乗り替え組が一気に増えた、というわけだ。
当然他社もセダンベースのミニバンで追従したが3代目オデッセイは、そんなライバルたちをあざ笑うかのように、驚異のパッケージングで登場した。
何しろ全高が1550mmしかない。ミニバンとしては異様なほどの低車高だ。2代目と比べて全高は80mm下がったのに室内高は5mm拡大しているのだ。そのマジックの秘密は、後にホンダの十八番となる「低床・低重心」技術だ。
床もルーフも低ければ、重心が低くなる。当然コーナリングでふらつきにくいないなど、走行性能がアップする。もうセダン並みどころか、セダンと変わらない乗り心地や走行性能を手に入れたのだ。
低床・低重心のおかげでワイド&ローな、低く構えたフォルムも作りやすかったはずだ。ヘッドライトが細いフロントまわりは、今見てもちょっとワイルドでクールだ。
さて、現在の話に戻して、2019年の新車販売台数を見てみると、ミニバンは日産 セレナ、トヨタ ヴォクシー、ホンダ フリードの順で売れている。(※一般社団法人日本自動車販売協会連合会「乗用車ブランド通称名別順位」より)
もはやスライドドアのないミニバンは売れない時代だ。にも関わらずカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーでは3代目オデッセイの人気が急上昇している、というわけだ。
これは推測だが、ミニバンユーザーだけでなく、ミニバンを必要としない層も3代目オデッセイを支持しているのではないだろうか。少子化の影響もあって3列目はほとんど使わない、むしろキャンプなど楽しみたいから3列目をつぶして荷物をたっぷり載せ、A地点からB地点まで快適に移動したい……そういう人に、今はSUVもあるが、3代目オデッセイもピッタリはまる。
しかも原稿執筆時点(2020年1月下旬)で見ると、ほとんどが50万円以下。中古車台数も622台と豊富で選びやすい。クールなミニバンかつ高速クルーザーが手頃で選びやすいとなれば、人気が急上昇してもおかしくはない。
2003年10月にデビューした際に、用意されたエンジンは2種類の2.4L直列4気筒。S/M/Lグレードが積むエンジンは最高出力160ps/最大トルク218N・m。これにFFは7速マニュアルモード付きCVTが、4WDにはマニュアルモード付き5速ATが組み合わされた。
一方、スポーティグレードのアブソルートは、同じ2.4L直列4気筒でもi-VTEC機構を備えたことや吸・排気系のチューニングにより、全域トルクフル&ハイレスポンス化されて、最高出力は+40psの200ps、最大トルクは+14N・mの232N・mに。またFF/4WDともにマニュアルモード付き5速ATとなる。
全グレードに用意された4WDは、普段はほぼ前輪を駆動させるが、発進・加速時や雪道など走行状況に応じて後輪にトルクを配分する、いわゆるトルク・オン・デマンド式だ。
デビュー時のグレードは下記のとおり(下に行くほど上級グレード)。
・B→FF(CVT)/4WD(5速AT)
・M→FF(CVT)/4WD(5速AT)
・S→FF(CVT)/4WD(5速AT)
・アブソルート→FF(5速AT)/4WD(5速AT)
見た目だけじゃない! 先進技術も設定されていた「アブソルート」
「エレガント&ダイナミック」をテーマに、低重心を強調するエアロパーツや、専用17インチアルミホイール、本革を用いたシートや、レッド照明、アルミ製ペダルパッドなどが備えられたアブソルート。エンジンや見た目以外にも、先進機能が優先的に設定されている。主な機能は下記のとおり。
・IHCC(インテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロール)→アブソルートにオプション。いわゆるアダプティブクルーズコントロールで、45km/h~100km/h内で作動。アクセルやブレーキ操作なしで先行車と一定の車間をとりながら走れるため、高速道路の移動で運転が楽になる。
・VSC→アブソルートに標準装備。いわゆる横滑り防止機能。
・AFS→M、L、アブソルートにオプション。旋回時にヘッドライトが進行方向を照らしてくれる。
・制動力の高い緊急ブレーキ→アブソルートに標準装備。全車にブレーキアシストは標準装備されているが、アブソルートはさらに制動力が高められた。
・リアカメラ付音声認識Honda・HDDナビ→M、L、アブソルートにオプション。今でもディーラーで最新データに更新可能。音声操作でオーディオやエアコンの操作ができる。
・リアエンターテインメントシステム→M、L、アブソルートにオプション。2列目以降専用の9インチワイドディスプレイ。TVチューナー付き、AV入力端子もある。
・トリプルゾーンコントロールフルオートエアコン→Lに標準、Mとアブソルートにオプション。前席・2列目・3列目でそれぞれエアコンの温度設定が可能だ。
・オートライトシステム→Lに標準、Mとアブソルートにオプション
毎年のように小変更を繰り返したが、大きな変更はない
オデッセイは毎年のように「マイナーチェンジ」と称して下記のように小変更が行われた。
・2004年12月
アブソルートのメーター照明にブルー色が追加された。
・2005年10月
ディスチャージヘッドライトにオートレベリング機構が追加された。Sグレードを廃止。
・2006年4月
アブソルートのアルミホイールが17インチから18インチへ。それに合わせて足回りのセッティングが変更された。また、アブソルートはリアコンビネーションがスモーク化され、ヘッドライトはブラック&スモークタイプに変更された。シンプル装備のBグレードを新設定。
・2007年2月
Bグレードの上位、Mの下にSグレードを設定。Mグレードに16インチアルミホイールを標準装備
・2008年10月
4代目にフルモデルチェンジ
アブソルートを中心に選びたい
狙い目はやはりエアロパーツをまとい、装備も充実しているアブソルートだろう。4WDも含めると、原稿執筆時点で3代目オデッセイの約半分となる302台もあり、予算や好みで選びやすくなっている。登場から4代目へ切り替わるまで、大きな変更はないので、年式はさほど気にしなくてよさそうだ。
10万km超なら支払総額30万円以下で十分狙える。5万km未満は約20台と少ないが、それでも支払総額50万円で購入できる。先述した機能はオプションが多いので、欲しい機能が備わっているかどうか確認してから選ぼう。
アブソルートほどかっ飛ばせるモデルは要らないという人は、Lがオススメだ。アブソルート同様にクルーズコントロールなどの機能が充実している他、トリプルゾーンコントロールフルオートエアコンやオートライトコントロールなど、アブソルートでもオプションの機能も標準で装備しているし、アルミホイールも履く。原稿執筆時点で約60台見つかった。
価格はアブソルートとあまり変わらないので、アブソルートでまず探してみて、希望するボディカラーや程度のものがない場合に、視野に入れてはどうだろう。
▼検索条件
ホンダ オデッセイ(2003年10月~2008年9月生産モデル)×アブソルート×全国▼検索条件
ホンダ オデッセイ(2003年10月~2008年9月生産モデル)×L×全国▼検索条件
ホンダ オデッセイ(2003年10月~2008年9月生産モデル)×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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