▲アウディのSUV「Qシリーズ」のなかでも特に人気が高いミドルサイズSUV「現行型Q5」の平均価格が順調に下落しています。現実的なプライスになってきた各種Q5のなかから「何年式のどれ」を選ぶのが正解なのでしょうか? いろいろ検討してみました! ▲アウディのSUV「Qシリーズ」の中でも特に人気が高いミドルサイズSUV「現行型Q5」の平均価格が順調に下落しています。現実的なプライスになってきた各種Q5の中から「何年式のどれ」を選ぶのが正解なのでしょうか? いろいろ検討してみました!

ここ3年でグッと手が届きやすい存在へと変化

アウディの現行型ミドルサイズSUV「Q5」の平均価格が順調に下がっています。2019年1月の平均価格は589.9万円でしたが、約3年後の2021年11月には483.4万円となっているのです。
 

▲こちらが現行型アウディ Q5。ただし写真は登場直後の前期モデル

平均価格がざっと100万円近く下落し、そして流通量も順調に増えたことで、「カッコよくて素敵だけど、実際は(けっこう高いため)なかなか手が出せない」という存在だった現行型アウディ Q5。もはや、「手が届きやすい存在」へと変化したと言っていいでしょう。

本稿では「現行世代の欧州製プレミアムSUVが欲しい」と考えている人に向け、現行型アウディ Q5の上手な選び方を考えてみたいと思います。
 

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新世代の車台とデザインを採用した人気の現行型SUV

まずはアウディ Q5という車自体について、簡単におさらいしておきましょう。

アウディ Q5は、その初代モデルは2009年6月に登場したドイツのミドルサイズSUV。アウディのQシリーズ(SUVシリーズ)の中核モデルとして、高い人気を博しています。

2代目となる現行型の発売は2017年10月。「MLB evo」という新しい世代のプラットフォームを採用し、デザイン的にも初代以上に力強い、かつ洗練されたものへと生まれ変わりました。

ボディサイズは全長4680mm×全幅1900mm×全高1665mmと、旧型より若干拡大されましたが、新素材の採用により、逆に約60kgの軽量化に成功しています。
 

▲こちらが現行型アウディ Q5。ただし写真は登場直後の前期モデル▲こちらが現行型アウディ Q5。ただし、写真は登場直後の前期モデル
▲そのリアビューはこのようなイメージ。ボディサイズは従来型よりひと回り大きくなっている▲そのリアビューはこのようなイメージ。ボディサイズは従来型よりひと回り大きくなっている
▲グレードやパッケージオプションなどにより細部は微妙に異なるが、現行前期型アウディ Q5の運転席まわりはおおむねこのようなデザイン▲グレードやパッケージオプションなどにより細部は微妙に異なるが、現行前期型アウディ Q5の運転席まわりはおおむねこのようなデザイン

当初のパワーユニットは最高出力252psの2L直4ガソリンターボエンジンで、トランスミッションはアウディが「Sトロニック」と呼ぶ7速DCT。

駆動方式はアウディが得意とするクワトロシステム(フルタイム4WD)ですが、システムが4WDでの走行を不要と判断すると自動的に前輪駆動に切り替わり、その結果として燃費の向上が図られるタイプのクワトロシステムです。

当初の車名は「アウディ Q5 2.0 TFSIクワトロ」というものでしたが、2018年12月には車名の後半部分を「45 TFSIクワトロ」に変更。さらに、2019年2月には2Lのディーゼルターボエンジンを搭載する「40 TDIクワトロ」を追加しています。

そして2021年2月にはマイナーチェンジを行い、エクステリアデザインを変更するとともに、2Lのガソリンおよびディーゼルターボエンジンにマイルドハイブリッドシステムを組み合わせました。

そのうえで、グレードを「アドバンス」と「Sライン」の2つに整理し、現在も好評販売中――というのが、2代目(現行型)アウディ Q5の大まかなヒストリーです。
 

▲こちらが2021年2月のマイナーチェンジで生まれ変わった後期型。シングルフレームグリルはよりフラトかつワイドになり、開口部を広げたエアインテークには台形をモチーフとしたデザインを採用した▲こちらが2021年2月のマイナーチェンジで生まれ変わった後期型。シングルフレームグリルはよりフラトかつワイドになり、開口部を広げたエアインテークには台形をモチーフとしたデザインを採用した

2021年12月中旬現在の中古車流通台数は193台とまずまず豊富。全体の価格は総額370万~700万円といったところです。

年式別で見ると、その年の年末近くに発売となった関係で2017年式は少なめで、マイナーチェンジ後の2021年式もまだ希少です。しかし、それ以外の2018~2020年式は、それぞれまあまあ豊富に流通しています。

……以上の情報を踏まえて次章、ニーズ別の「オススメQ5」を具体的に選んでまいりましょう。
 

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ニーズ1:なるべくお安い予算で「いい感じのQ5」が欲しい
→狙うは2017~2018年式2.0 TFSIクワトロ|注目相場=車両本体価格400万~450万円

中古車の魅力というのは様々ありますが、とどのつまりは「新品より安く買える」という魅力に集約されます。

もしも、新品と中古品の価格が同じであったなら、世の中の99.9%の人は、わざわざ中古品を選ばないでしょう(その中古品にビンテージとしての価値がある場合は別ですが)。

そういった意味で、アウディQ5の中古車を狙う場合においても基本的には「お安いやつ」を狙いたいわけです。しかし、物事というのは「安い代わりに品質がイマイチ」ではまったく意味がありませんので、当然ながら「安さと品質とのバランス」を考える必要があります。

そして現行型アウディ Q5の中古車において、価格の手頃さと品質のバランスに優れているのが「2017~2018年式の2.0 TFSIクワトロ」です。
 

▲最高出力252psの直4ガソリンターボエンジンを搭載する「2.0 TFSIクワトロ」▲最高出力252psの直4ガソリンターボエンジンを搭載する「2.0 TFSIクワトロ」

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アウディ Q5(現行型)×車両本体価格400万~450万円 ×2017~2018年 ×2.0 TFSIクワトロ ×全国

この年式であれば、走行2万km台から3万km台の2.0 TFSIクワトロまたは2.0 TFSIクワトロ スポーツ(2.0 TFSIクワトロにスポーツバンパーやスポーツシート、スポーツサスペンション等々を付けたグレード)を、直近の平均価格よりもお安く見つけることができ、かなり悪くない選択です。

購入時というか検討時は、まず何よりも現車のコンディションと整備履歴を重視するのは当然ですが、それに加えて下記のオプション装備の有無にも注意しながら探せば、きっと大満足できる「比較的安価なアウディ Q5」が見つかることでしょう。

・アウディ バーチャルコックピット(デジタル多目的ディスプレイ)
・マトリクスLEDヘッドライト
・アシスタンスパッケージ(バーチャルコックピットとLEDヘッドライト、LEDリアコンビネーションライト、リアサイドエアバッグがセットになったもの)
ラグジュアリーパッケージ(パーシャルレザーシートとアンビエントライティング、電子制御エアサスペンションがセットになったもの)
・トラフィックジャムアシスト(渋滞追従機能。2017年の最初期モデルには搭載されていませんでした)
 

▲ロービームとマトリクスハイビームで構成される「マトリクスLED ヘッドライト」。ルームミラーの裏に内蔵されたカメラが対向車や先行車を検知すると、その部分だけハイビームをカットするようLEDライトを消灯する▲ロービームとマトリクスハイビームで構成される「マトリクスLED ヘッドライト」。ルームミラーの裏に内蔵されたカメラが対向車や先行車を検知すると、その部分だけハイビームをカットするようLEDライトを消灯する

ニーズ2:なるべくお安い予算で、かつ燃料費も安めで済むQ5が欲しい
→狙うは2019~2020年式40 TDIクワトロ|注目相場=車両本体価格450万~500万円

ガソリンターボエンジンの2.0 TFSIクワトロより車両価格は50万円ほど高くなりますが、2Lのディーゼルターボエンジンを搭載する「40 TDIクワトロ」も素敵な選択。450万~500万円ぐらいのレンジで、走行2万km台から3万km台の物件を見つけることができます。
 

▲Q5のエントリーグレード的な立ち位置ではあったが、トルクフルで低燃費な2L直4ディーゼルターボエンジンが大いに魅力的な40 TDIクワトロ▲Q5のエントリーグレード的な立ち位置ではあったが、トルクフルで低燃費な2L直4ディーゼルターボエンジンが大いに魅力的な40 TDIクワトロ

最高出力190psと最大トルク400N・mを発生するディーゼルターボエンジンはそもそも力強いという部分が魅力であり、さらに燃費も良好です。とはいえ、ガソリンターボと比べてJC08モード燃費は1.7km/Lしか違わないのですが、ガソリンと比べれば比較的安価な軽油を使うことになりますので、原油価格が高騰している今、選ぶ価値は大な選択肢です。

こちらも検討時は、コンディションの良し悪しに加えて「オプション装備の良し悪し」にも気を配りながら探してみてください。
 

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アウディ Q5(現行型)×車両本体価格450万~500万円 ×2019~2020年式 ×40 TDIクワトロ ×全国

この他、500万円以上の予算は必要になりますが「マイナーチェンジ直前の2020年式で走行数千kmレベルのものを、500万~550万円のレンジで狙う」というのも、人によっては「悪くない!」と感じるでしょう。

いずれにしましても、現行型(のマイナーチェンジ前の)アウディ Q5は、決して爆安な中古車ではありません。しかしその新車価格や、新世代の欧州プレミアムSUVならではの存在感みたいなものも考慮したうえで考えるなら、「意外とお安い1台」だと言えます。

ご興味のある方は、まずは下記の物件リンクから、いろいろなQ5をご覧になってみてください。
 

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※記事内の情報は2021年12月23日時点のものです。
 

伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。