▲メルセデス・ベンツ Aクラス ▲今回試乗したのは、2019年3月に発表されたメルセデス・ベンツ Aクラスのディーゼルエンジン搭載車A200d。 自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による公道試乗の模様をレポートする

待望のディーゼルが登場

2018年10月から日本で販売されている現行型「メルセデス・ベンツ Aクラス」。

4代目となった新型「メルセデス・ベンツ Aクラス」は、上級クラスを凌駕するクオリティと最新鋭のインフォテイメントを装備するなど、メルセデス・ベンツのクオリティや雰囲気というのを体感するには十分な仕上がりとなっていることは、すでに下記の試乗記でもお伝えしたとおりである。


また下記にMercedes-Benz Japanのオフィシャル Web TV チャンネルの新型Aクラス プロダクトプレゼンテーションの動画を置いている。

現行型Aクラスの運転性能や先進機能、デザインなどを網羅した公式動画なので詳しく知りたい方はぜひご覧いただきたい。

▲新型Aクラス プロダクトプレゼンテーション(オフィシャル Web TV チャンネルより)

そのAクラスのラインナップに、日本でもコンパクトモデル初となる 新世代の2.0リッター直列4気筒クリーン・ディーゼル・エンジン搭載車「A200d」を追加設定し、2 019年3月より受け付けを開始、ユーザーへの本格納車は6月より開始されている。

この記事では、新登場のディーゼル搭載車、「A200d」の試乗後の感想をお伝えしたい。

▲メルセデス・ベンツ Aクラス
▲メルセデス・ベンツのコンパクトモデルとしては初のクリーンディーゼル搭載車、A200d。 また、8速DCT(デュアル クラッチ トランスミッション)も初めての搭載となる

メルセデスコンパクトモデル初のディーゼル搭載車A200d

もう20年ほど前になるが、初代のAクラスにも本国では直噴のディーゼルエンジン搭載したモデルがあって試乗したことがある。

ガソリンに比べて、アイドリングと回転が上がったときはノイズが大きかったが中間加速が良く力強いパフォーマンスが印象的であった。

当時もメルセデスのディーゼルエンジンは実用領域を走らせれば、最高のパフォーマンスを演出した覚えをいまだに忘れていない。

そこから20年たった今、4代目AクラスA200dとして、メルセデスのAクラスにディーゼルモデルが日本に帰ってきた。

Aクラスに搭載されたディーゼルエンジンは、OM654qという2リッターターボのディーゼルユニットだ。

すでにC、Eクラスの220dなどに搭載しているエンジンをFF用に改良したユニットとなる。

始動させると、このエンジンは縦置きでも静かであったが、FF用のA200d用に横置きしていてもその静粛性は健在だ。

▲メルセデス・ベンツ Aクラス ▲C、Eクラスで導入されている「OM654」をベースに横置き対応化させた「OM654q」というエンジンを搭載

クオリティに妥協なし

数ヵ月ぶりにAクラスに乗り込むが、やはりクオリティは高く満足感がある。

ツインクラッチ仕様の8速DCTをDレンジに入れてゆっくりと動き出すと、低速ですこぶる安定したトルクで動かしやすい。

時速20キロから徐々に速度を上げて、エンジンと8速DCTの制御を試してみる。

ガソリンモデルに対して、ノイズが少なくトランスミッションとの関係は大らかでビジーになることがなく、非常に余裕があるスムーズな走りだ。

Cクラスなどの縦置きエンジンの9速ATに比べて、8速でも車重がCクラスより約300kgほども軽い、Aクラス ならではのゆとりは想像してもらえるだろう。

ロードホールディングも上々、かつ前後のバランスが良く乗り心地もいい。

試乗車はオプションの「AMGライン」装着車両だったため、AMGのスポーツホイールを装着した方が楽しく走らせられると実感した。

フロントが非常に安定しているので、直進安定性も良好でガソリンモデルよりもずっと大人のハンドリングで、よりスポーティなサスペンションが欲しくなってしまうほどであった。

▲メルセデス・ベンツ Aクラス ▲「A200d」の車名エンブレムがディーゼル搭載車であることを教えてくれる

ディーゼル搭載車はAクラスの本命に恥じない

「A180」のさらに上の余裕のある走りを見せてくれる「A200d」は、コンパクトモデルAクラスの本命であると評価できた。

その「A200d」は「A180スタイル」より30万円以上高いが、ただ単に価格差だけで評価してはいけない。

欧州で2020年から施行予定のEURO6d規制や、ステージ2RDE(実路走行試験)規制に すでに適合する環境性能を持ち合わせていることで、減税や補助金が出るということ。

A200dはエンジンにゆとりがあることにより、長距離でもキャビンへの音も静かになることで、 この1台でタイトな街中の買い物から高速に乗って300キロのドライブも兼ねることができること。

以上2点を加味して考えると、「A200d」はAクラスの本命かつベストバイグレードと言っても良いだろう。

▲メルセデス・ベンツ Aクラス ▲「ハイ、メルセデス」と声を掛けるだけで起動する、メルセデスの最新鋭の車載インフォテインメントシステム、「MBUX」(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)
▲メルセデス・ベンツ Aクラス ▲広範囲を覆うアンダーパネルなどを採用することによって、クラス最高値Cd値0.25を達成
文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●A200d AMGライン ディーゼルターボ

型式 3DA-177012 最小回転半径 5m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.44m×1.8m×1.42m
ドア数 5 ホイールベース 2.73m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.55m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1510kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 コラム 最低地上高 0.12m
マニュアルモード
標準色

ポーラーホワイト、ジュピターレッド

オプション色

コスモスブラック、イリジウムシルバー、マウンテングレー、モハーベシルバー

掲載コメント

-

エンジン型式 654 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 43リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1950cc 燃費(WLTCモード) 18.8km/L
└市街地:14.2km/L
└郊外:18.2km/L
└高速:22.4km/L
燃費基準達成 -
最高出力 150ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
320(32.6)/3200
              
型式 3DA-177012
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ポーラーホワイト、ジュピターレッド
オプション色 コスモスブラック、イリジウムシルバー、マウンテングレー、モハーベシルバー
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
コラム
マニュアル
モード
最小回転半径 5m
全長×全幅×
全高
4.44m×1.8m×1.42m
ホイール
ベース
2.73m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.55m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1510kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.12m
掲載用コメント -
エンジン型式 654
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1950cc
最高出力 150ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
320(32.6)/3200
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 43リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 18.8km/L
└市街地:14.2km/L
└郊外: 18.2km/L
└高速: 22.4km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。