【試乗】新型 メルセデス・ベンツ GLCクーペ|力強い体躯を軽快にコントロールする新エンジン
2020/02/27
見た目も走りもスポーティ
Dセグメントの高級SUV、メルセデス・ベンツ GLC。
登場から約3年半が経過した昨年10月にマイナーチェンジを果たし、内外装のデザインに最新のメルセデス・ベンツのアイコンを導入して、一層購買意欲を湧かせる仕様へと変化した。
今回、我々が試乗したのはGLCのモデルでも、クーペのデザインをまとったGLCクーペ 220dである。
GLCクーペ 220dはスポーティな装いに加えて「アジリティサスペンションコントロール」が標準装備されており、正確無比なドライビングが可能だという。
通常のGLCに比べて、クーペは10mmローダウンされていることからも、ボディ形状に合致したハンドリングを目指していることがわかる。
ディーゼルらしからぬ静粛性
220dのパワーユニットは、Eクラスにも採用されている。
Eクラスで体感した際には、非常に静粛性が高いと感じた。GLCではどうであろう。
エンジンを始動してアイドリング状態で回転計とにらめっこする。
Eクラスの方に軍配は上がものの、こちらもいたって静粛性は高い。
ディーゼルだと思わない人もいるかもしれない。
メルセデス・ベンツ特有の、バイワイヤー方式のセレクターレバーをDレンジに入れてスタートだ。
駐車場から公道へ出る。見切りが良く切れ角もゆとりを感じさせる。
この乗りやすさは、さすがメルセデス・ベンツである。
Cクラスの骨格だけに、ドライビングポジションからの眺めは隅々まで把握できる印象だ。いい意味で見た目のボリューム感を感じさせない。
試乗会場周辺はワインディングを中心としたコースで、GLCのスポーティな走りを試すにはちょうどいい。
エンジンとトランスミッションの相性◎
日本仕様のGLCはすべて右ハンドルでということで、トランスファーを使ってのトルク配分はフロントが33%、リアに67%分配される。
ちなみに左ハンドル仕様は45対55と、日本仕様よりもフロントへの配分が大きい。
これはフロントディファレンシャルの位置関係上の違いのようだ。
より後輪のトルクを大きくして、旋回性を向上させるスポーティさも演出できるという点もある。
起伏があるタイトなコーナーの連続も、ヒラヒラと軽快に走らせる。
ATとエンジン出力のマッチングもいいので、ビジーなシフトワークにならない。
サスペンションの追従性も良好だが、リアが硬めの味付けだ。
9速になった9Gトロニックは制御が細かく、積極的なシフトワークを繰り返す。
一方で平坦な道をゆるやかに走っていると、静粛性とクルージング性のマッチングが心地よさを提供してくれる面もある。
ガソリンモデルも魅力的だが、この改良を重ねたディーゼルユニットは、フラットなトルクがゆとりをもたらすので街中から高速まで不快感は皆無であろう。
見晴らしのいい程よい大きさの高級SUV、普段の扱いやすさも心得た心地よいモデルであった。
【試乗車 諸元・スペック表】
●GLCクーペ 220d 4マチック AMGライン 4WD
型式 | 3DA-253315 | 最小回転半径 | 5.6m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.73m×1.93m×1.93m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.88m |
ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.62m/1.65m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1920kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.16m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ポーラーホワイト |
||
オプション色 |
オブシディアンブラック、イリジウムシルバー、ダイヤモンドホワイト、ブリリアントブルー、セレナイトグレー、ヒヤシンスレッド、グラファイトグレー、モハーベシルバー |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3DA-253315 |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 9AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ポーラーホワイト |
オプション色 | オブシディアンブラック、イリジウムシルバー、ダイヤモンドホワイト、ブリリアントブルー、セレナイトグレー、ヒヤシンスレッド、グラファイトグレー、モハーベシルバー |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
コラム |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.6m |
全長×全幅× 全高 |
4.73m×1.93m×1.93m |
ホイール ベース |
2.88m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.62m/1.65m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1920kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.16m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | 654 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 66リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1950cc | 燃費(WLTCモード) | 15.1km/L └市街地:11.5km/L └郊外:15.4km/L └高速:17.2km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 194ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/2800 |
エンジン型式 | 654 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1950cc |
最高出力 | 194ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/2800 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 66リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 15.1km/L └市街地:11.5km/L └郊外: 15.4km/L └高速: 17.2km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
【関連リンク】
あわせて読みたい
- 【名車試乗】トヨタ セリカ GT-FOUR(6代目)|衰えを感じさせない質の高さをもつWRCが生んだスポーツクーペ
- 【名車試乗】トヨタ セリカ 1600GT(TA22型)|半世紀の月日を感じさせないカッコよさ! 乗るとすぐに当時の記憶がよみがえってくる
- 【試乗】新型 ジープ アベンジャー|BEVっぽくないBEVというJeepのニューワールドをけん引するコンパクトSUV!
- スズキ スペーシアカスタムをマンガで解説! 大人気スーパーハイト軽はどんな車?【人気車ゼミ】
- 車は自宅の拡張スペース? ラゲージ活用が車所有のメリットに【中古車購入実態調査】
- 【試乗】新型日産 ノート(マイナーチェンジモデル)|変わったのはデザインだけじゃない! ちゃっかりアップデートされた乗り味の評価
- 【試乗】新型ホンダ フリード|デザイン、走りともに優しさを感じさせるファミリーミニバン
- フェラーリのV6を搭載した最強コラボGT! ’71 フィアット ディーノ 2400 クーペ【名車への道】
- 【海外試乗】新型 ランボルギーニ ウルスSE|800psのSUVとは思えぬ一体感! リニアなドライブ感覚を追求した“アップデート版”
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross|未体験ゾーンへといざなう、間違いない出来のエントリーモデル