【試乗】新型ポルシェ 911 GT3 RS|ウイングの巨大さに思わずのけぞった! これぞロードカー史上最強のモデルか!?
カテゴリー: ポルシェの試乗レポート
2024/02/17
もはや“邪悪”なレベル!? 果たして公道を走っていいのだろうか……
ポルシェ 911 GT3 RS(992型)の写真が初めて公開されたとき、バカバカしいまでにでかいリアウイングに目を見張った。はたして実物に対面してみれば、わかっていてもその巨大さに思わずのけぞった。
市販ロードカー用ウイングとしてルーフより高い位置まで羽がそびえたのはポルシェ初らしい(そりゃそうだろう!)。こんなウイング、グループ5でしか見たことがない。後端はボディに収まるようスワンネック型ステーで工夫されたものの、見た目に激しく大きな突起物であることには違いない。もはや一般道を走っていい車になんて見えない!
リアウイングだけじゃないのだ。タイヤはサーキット用のように丸々と太っているし、切断されたフェンダーアーチでもってしてもそれを覆いきれないでいる。ルーフには刀のようにフィンが走り、ボディのそこかしこに多数の穴がうがたれた。これはもう迫力を超えて邪悪だ。公道になんて出てこないでおくれ、頼むから……。
室内のイメージもまた、まんまレーシングカーだ。シートは2つ、リアにはカーボン製ロールケージが組んである。いかにも軽そうでしかも乗り心地の悪くないバケットシートに収まりボンテージプレイよろしくシートベルトを締める。息遣いが荒くなる。戦闘モードである。
ステアリングホイールには見慣れぬダイヤルが4つも備わっていた。ドライブモード、ESC/TC、PTV(電子制御LSD)、PASMである。さらに左側のステーにはポルシェの市販車初となるDRS(ドラッグリダクションシステム)の起動スイッチも備わった。インストルメンタルパネルを見れば、大きなタコメーターの左右にサスペンションの設定状況が表示され、センターディスプレイには各種のセッティング状態が映し出されている。オーナーはさぞかし大変だろう。この操作や確認方法を覚えるだけでも一苦労だ。
もっとも最新のゲームと同じで、これらの機能をじっくりと学ぶモチベーションさえあれば、徐々に使いこなせるようになることで、自分の腕前とともにサーキットのラップタイムも短くなっていくはず。そこにはゲーム感覚で楽しめる習熟のプロセスがあると言っていい。究極の趣味だ。
これでもかと、911を速く走らせるための機能や装備がてんこ盛りである。エアロダイナミクスとシャシー&サスペンション制御の綿密な連動がGT3にはないRS独特の魅力だが、NAフラット6の心臓部もまたマニア垂ぜんの的である。4LエンジンはNAでついに525psに達したのだ。そこに専用のギア比をもつ7速PDKを組み合わせている。
ドライブモードをまずはノーマルにしてソーッと走り出す。シートを接着した分厚い鉄板にタイヤが付いているようなライドフィールは高性能911の証しだ。スタンダードなモデル(GT3)と比べると板の皮が一枚薄いような印象を持つ。そのぶん乗り心地は妙にガサつく。低速域のコンフォートさなど気にせずにセッティングされた感ありありだ。
ノーマルではなくスポーツモードにして足を固めた方が低速域でも乗り心地はかえっていい。鉄板フィールこそ力強さを増して硬質な突き上げを感じるが、それを強靭なサスペンションが受け止めてくれるため、不快なショックなどほぼ感じない。
見た目にも明らかなように、“下道”が得意な車ではない。平日の昼間、仕事で行き交う人々の視線も心なしか冷たいようだ。
高速道路に入る。90km/hを超えたあたりでようやく車もドライバーも落ち着き始める。ここでもスポーツモードがベターだ。ダウンフォースが最も強くなるデフォルトの空力セットでは、速度が上がっていくにつれて車体が沈み込む。路面に吸い付く。どんなコーナーでも速度を落とすことなくそのまま走っていけそうだ。ソリッド&フラットな感覚は量販(1000台以上)ロードカー史上最強ではないか。
加速フィールもまたGT3とは随分違った。早送りのマシンに乗っているかのようで、一心不乱に素早い操作が必要になってくる。フラット6は9000回転近くまであっけなく吹け上がり、パドルを使ってのアップシフトさえ慌ただしい。なるほど3ペダルのマニュアルギアボックスなぞもってのほか。
少し速度域の高くなったストレートで試しにDRSをオン。スーッと浮くように車体が前へ出て行く。見えないスリップストリームについたかのようだった。
もうこれ以上の感想文は公道を走っている限り、GT3 RSについては無理というもので、いつかはサーキットで……、と思いつつ再び街中を静々と走る。おとなしく走っていても禍々しいのか、やはり道ゆく人たちの視線は冷たい。
子供たちだけが喜んでくれたのが不幸中の幸いである。
▼検索条件
ポルシェ 911 GT3× 全国ポルシェ 911(992型)の中古車市場は?
ポルシェ不動の主力モデルといえる911は、2019年に登場した992型で8世代目。世代が替わるたびに、走行性能はもちろんのこと、快適性も向上しており、ボディサイズの拡大と相まってGTカーとしての優れた資質を見せる。グレードの展開も豊富で、ベーシックモデルからハイパフォーマンスモデル、そして競技専用車両までラインナップ。中古車市場でも好みに応じた選択が可能なバラエティさも魅力。
2024年2月下旬時点で、中古車市場には180台程度が流通。価格帯は1450万~5000万円と、新車時からの相場下落はほぼしていない。その中でGT3系は20台ほどしか流通していない希少グレードで、車両本体価格も3300万円~となっている。GT3系を探しているのであれば、即断即決が必要となる。
▼検索条件
ポルシェ 911(992型)× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●GT3 RS PDK
型式 | - | 最小回転半径 | -m |
---|---|---|---|
駆動方式 | RR | 全長×全幅×全高 | 4.58m×1.9m×1.32m |
ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.46m |
ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.63m/1.58m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | ◯ | 車両重量 | 1450kg |
シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ブラック、ホワイト、レーシングイエロー、ガーズレッド |
||
オプション色 |
GTシルバーメタリック、シャークブルー、アークティックグレーメタリック、アイスグレーメタリック |
||
掲載コメント |
※諸元・装備情報は一部本国仕様の情報を掲載しております |
型式 | - |
---|---|
駆動方式 | RR |
ドア数 | 2 |
ミッション | 7AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | ◯ |
標準色 | ブラック、ホワイト、レーシングイエロー、ガーズレッド |
オプション色 | GTシルバーメタリック、シャークブルー、アークティックグレーメタリック、アイスグレーメタリック |
シート列数 | 1 |
乗車定員 | 2名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | -m |
全長×全幅× 全高 |
4.58m×1.9m×1.32m |
ホイール ベース |
2.46m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.63m/1.58m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1450kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | -m |
掲載用コメント | ※諸元・装備情報は一部本国仕様の情報を掲載しております |
エンジン型式 | - | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 水平対向6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | - | 燃料タンク容量 | 64リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 3996cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 525ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
465(47.4)/6300 |
エンジン型式 | - |
---|---|
種類 | 水平対向6気筒DOHC |
過給器 | - |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 3996cc |
最高出力 | 525ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
465(47.4)/6300 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 64リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | - |
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