シトロエン E-C4▲シトロエンの新型E-C4に試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による、公道でのインプレッションをお届けする

重量増のEVモデルはどのように仕上がっているのか?

自動車メーカーが電気自動車を生産をするためには2つの方法がある。

ひとつはピュアEVとして専用に一から構築する方式。もうひとつはエンジンを搭載したモデルからEVへと変更する方法だ。

ここ数年見ていると、大抵のメーカーはすでにプラットフォームを設計するときに、ピュアEVを見据えたフレーム構造により骨格を作る。

今回試乗したシトロエン E-C4も、C4 シャイン ブルー HDiの試乗記でも記したが、共有の骨格をもったモデルである。


パッと見た感じはC4 シャイン ブルー HDiと大きな差はない。ただ、シトロエンというブランドがピュアEVを世に出す意味は大きい。なぜかというと、今までの歴史的に見て世に出したモデルのほとんどが独特な乗り心地を作り出してきたからだ。これはブランドとして大きな財産である。
 

シトロエン E-C4

シトロエンの乗り心地がEVでも発揮しているのだろうか。まずE-C4は、C4のブルー HDiよりおよそ250㎏重量がかさむ。通常は、バネ上の重量が増すと、振動などが収まりやすく落ち着いた乗り心地になる。

ところが、プラットフォーム大半のエリアに重いバッテリーが搭載されると、バネ上バネ下比などという悠長なことは言ってられない。たとえストロークをしっかり取って乗り心地をよくしようとしても、これだけの重量増では上下の振幅を程よく収めることが難しくなる。

そうなると、スプリングを硬くして動きを抑制しなければならなくなる。しかし、そうなれば、魔法の絨毯とも呼ばれたシトロエンらしい動きもスポイルされる。その辺をどのようにまとめたセッティングなのか、試乗がとても楽しみである。
 

シトロエン E-C4

市街地も高速も快適に走行できる

シートに身を任せると、柔らかな手のひらにいるような感覚で、とてもシトロエンらしい。レザーと人工表皮を使ったシート生地でこれなのだから、ファブリックであれば一層心地がよいに違いない。
 

シトロエン E-C4

それではシートポジションを整えスタートだ。センターコンソールにある小さなセレクターレバーをDに倒してスロットルを開ける。動き出しで感じたのは、低速でコントロールが非常にしやすいことだ。これであれば丁寧な運転が即座に可能だ。
 

シトロエン E-C4

時速30kmほどまで速度を上げてブレーキを踏んでみる。回生ブレーキと相まってコントロール性もいい。内燃機モデルよりもタッチは独特だが、低速域ではコントロールしやすい印象だ。住宅街の道を少し走っただけで期待できる乗り心地だと感じる。

片側3車線の道で時速50kmを超える速度までアクセルを踏んでみると、ステアリングに落ち着きがあることがわかる。スロットルのオンオフ時に発生しやすい上下の振幅も収束が早く、市街地の乗り心地はかなり良好である。
 

シトロエン E-C4

目黒から首都高速に入り、勾配を上りながら加速する。すると、とても静かでかつトルクがあり、見た目からは想像がつかない加速を演じる。中速コーナーのスタビリティも文句ない。バッテリーが中央部からフロントにかけて搭載していることが、あんばいのいいバランスを生み出しているようだ。

乗り心地がよく静粛性が高く加速性もいい。それに加えて、フランス車の真骨頂であるホンワカした快適さはEVでも健在だ。
 

文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●シャイン

型式 ZAA-C41ZK01 最小回転半径 5.6m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.38m×1.8m×1.53m
ドア数 5 ホイールベース 2.67m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.56m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1630kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.17m
マニュアルモード -
標準色

ブラン バンキーズ

オプション色

ブルー アイスランド、グリ プラチナム、ブラン キャラメル

掲載コメント

※交流電力量消費率(WLTCモード)140Wh/km
※一充電走行距離(WLTCモード)405km

エンジン型式 - 環境対策エンジン -
種類 電気モーター 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 136ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
260(26.5)/3674
型式 ZAA-C41ZK01
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブラン バンキーズ
オプション色 ブルー アイスランド、グリ プラチナム、ブラン キャラメル
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.6m
全長×全幅×
全高
4.38m×1.8m×1.53m
ホイール
ベース
2.67m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.56m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1630kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.17m
掲載用コメント ※交流電力量消費率(WLTCモード)140Wh/km
※一充電走行距離(WLTCモード)405km
エンジン型式 -
種類 電気モーター
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 136ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
260(26.5)/3674
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。