コマンダー▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、ジープ コマンダーに試乗した際のレポートをお届け

プレミアムモデルと共有するプラットフォーム

2022年に日本へ導入された2代目となるジープ コマンダー。先代を知っている方からすると少々やわな印象を受けるかもしれない。

ラダーフレームによる縦置きユニットで5.7LのV8まで用意した初代は、ジープという強固なイメージを継承したモデルであった。これがジープをよく知っている人のコマンダーのイメージだろう。

コマンダー

しかし、タフなモデルはそう何種類も必要ないのが現状だ。メーカーに課された燃費規制もある。燃料費高騰という社会的な背景もあり、ブランドとしては扱いやすいモデルがあることも世界に知ってもらわなければならない。

新しく登場した2代目コマンダーはタフで骨格が太い印象から、世界で親しまれるように願いを込めた印象である。限られた少数の人に受け入れられるモデルも必要だが、台数をこなしグローバルに通用するモデルを作り出した。

コマンダー
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先代の生産はアメリカおよびオーストリアであったが、このモデルよりブラジルとインドとなった。日本へはインド製が輸入されている。

基本的なプラットフォームは「SCCSプラットフォーム」といい、生産性とフレキシビリティ性の高い横置きユニットベースのフレームだ。コマンダーに使われているのはワイドタイプのアルファロメオ トナーレと同様のプラットフォームである。

コマンダー
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デザインは上位車種のグランドチェロキーをほうふつさせ、横置きのパッケージングとは思えないほど迫力がある。エンジンは2Lのディーゼルターボと、9速ATによって制御される。

シートに腰を下ろすと、このクラスではトップレベルの高級感ある感触で迎えられる。今までのアメリカンノウハウがギュッと凝縮した印象だ。

満足度が高いインテリアとなっていることに正直驚いた。この雰囲気で600万円前後だという。生産国によりコストを下げながら良質な素材を使う手法は、カスタマーに満足感を与えるに違いない。

コマンダー
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熟成されたミッション

エンジンを始動する。防音の素材を巧みに使っているが、特有の音は否めない。

ただ、このユニットは「マルチジェット」と呼ばれる熟成したユニットなので、9速ATとのマッチングが楽しみだ。

ちなみに、このATは2011年に登場した世界初の横置き9速ATである。トルクが安定しているので、少しのアクセル開度でコントロールしやすい。9速ATだけあって連続的な加速とスムーズな減速も熟成した印象がうかがえる。

コマンダー

少し加速しようとする。開閉度とスロットルの速さにより、素早くシフトをセレクトし機敏な加速も可能だ。

横置きユニットとしてのプラットフォームであるがプレミアムブランドにも提供していることもあり、乗り心地は想像をしていたよりもしなやかで大らかである。

コマンダー

シートのストローク感もあってリアの席も含めて満足感がある。ジープという点において独自の設計要件もあるのだろう。

視認性は極めて高い。乗り手から四隅の部分を想像させるデザインはスバルと似た感じを受ける。

4WDの性能レベルを試す機会はなかったが、ジープの設計要件であることを考慮すると通常のFFベースの4WDとは違った性能をただ信じるだけだ。

堂々とした印象と嫌味でない雰囲気の重なったオールラウンダーのSUVと言えそうだ。
 

コマンダー
文/松本英雄、写真/尾形和美

▼検索条件

ジープ コマンダー(2代目)

【試乗車 諸元・スペック表】
●コマンダー リミテッド 4WD

型式 3DA-H620 最小回転半径 5.8m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.77m×1.86m×1.73m
ドア数 5 ホイールベース 2.78m
ミッション 9AT 前トレッド/後トレッド 1.58m/1.59m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1870kg
シート列数 3 最大積載量 -kg
乗車定員 7名 車両総重量 2255kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

グレーマグネシオメタリッククリアコート

オプション色

パールホワイトトライコート、ヴェルヴェットレッドパールコート、ブリリアントブラッククリスタルパールC

掲載コメント

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型式 3DA-H620
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 9AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 グレーマグネシオメタリッククリアコート
オプション色 パールホワイトトライコート、ヴェルヴェットレッドパールコート、ブリリアントブラッククリスタルパールC
シート列数 3
乗車定員 7名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.8m
全長×全幅×
全高
4.77m×1.86m×1.73m
ホイール
ベース
2.78m
前トレッド/
後トレッド
1.58m/1.59m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1870kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2255kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 46344732 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 60リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 14.1km/L
総排気量 1956cc 燃費(WLTCモード) 13.9km/L
└市街地:10.6km/L
└郊外:13.9km/L
└高速:16.1km/L
燃費基準達成 -
最高出力 170ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
350(35.7)/2500
エンジン型式 46344732
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1956cc
最高出力 170ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
350(35.7)/2500
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 60リットル
燃費(JC08モード) 14.1km/L
燃費(WLTCモード) 13.9km/L
└市街地:10.6km/L
└郊外: 13.9km/L
└高速: 16.1km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。