マツダ ロードスター▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏がマツダ ロードスターとロードスターRFに試乗した際のレポートをお届け

日本が誇るシンボリックな車

自動車で日本が誇るモデルはいくつもあるが、その中でも極めてシンボリックなモデルが“マツダ ロードスター”と言って異論はあるまい。初代から35年間途切れることなく作り続けていることだけでも奇跡的だといえよう。

マツダ ロードスター▲手前がソフトトップのRS、奥がS スペシャルパッケージ
マツダ ロードスター▲こちらはハードトップ仕様のロードスター RFだ

現在のモデルは2016年に登場した4代目に当たるモデルだが、2017年から2022年のすべての年で、驚くばかりの改良が実施された。

マツダ ロードスター
マツダ ロードスター

特に2021年のKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)は本当の意味で知り尽くしたエンジニアだからこそたどり着いたスパイスだ。操縦安定性が高まり大人のスポーツカーとして磨きをかけた。

それ以降もきめ細やかな改良が行われてきた。そして2023年10月に、大幅商品改良モデルを発表した。もうこれ以上の改良は難しいのではないかと毎回感じるのだが、大幅改良モデルというだけあって、今回は非常に楽しみだ。

マツダ ロードスター
マツダ ロードスター

まずはS スペシャルパッケージ吟味する

まず初めにS スペシャルパッケージから試乗する。試乗場所は伊豆スカイライン。以前もこのワインディングで試したのだが、最高のロケーションと言える。

マツダ ロードスター

事前に今回の目玉を先に話しておくと安全性が高くなったという部分もあるが、私の中でもアシンメトリックLSDの装着が楽しみだ。作用を聞く前に乗り込み、身体で感触を確かめるとしよう。

マツダ ロードスター

1.5リッターのMTは向かうところ敵なしの軽快なフィールを肌で感じる。亀石峠から500m走っただけでかなりブラッシュアップをはかってきた。ハイオク仕様のセッティングは滑らでレスポンスの良さを感じ取れる。ライトウエイトスポーツカーにふさわしい。

マツダ ロードスター

ステアリングは正確無比が増して以前よりもトレースに揺れ戻しはない。とにかく精度を上げたフィールを味わえる。それもそのはず、ECUが最新の仕様に変更されているので今まで以上に連続的なセッティングが可能なのである。従来の1.5リッターユニットのエンジンフィールに重厚感が体験できる。

S スペシャルパッケージはとにかく価格と走りのバランスを得たモデルで、コーナリング中のリアロール剛性とシャシーバランスを知ることができる。

そしてタイトなコーナーと高速コーナーの走りが上質になったのは、アシンメトリックLSDの恩恵と言える。リアの路面とのトラクションが滑らかになったことで安定性が増したのである。しかもこの動力の安定性は乗り心地にも寄与している。すなわち上質なエッセンスでもあるのだ。

マツダ ロードスター
マツダ ロードスター

ハードトップのRFはATモデルを試乗

続いてRF VSに乗ってみよう。これは個人的には最も期待できるモデルと言える。2リッターユニットはどの領域でも扱いやすくイージードライブにはもってこいだ。

マツダ ロードスター

今回はATモデルなので自慢のLSDは装着はない。しかし、安定したトルク特性によって動力は路面に安定したトラクションを発生させるので、飛び道具なしでもスタビリティは万全だ。RFの良さは静粛性と開放感が得られる点であろう。

マツダ ロードスター
マツダ ロードスター

ATはMTよりも20kgほど重量がかさむが、バランスは悪くなく快適性は高い。落ち着いた加速が安心感を与える。ATも小気味よくシフトアップを決める。以前よりもレスポンシブなATのように感じられた。

どのグレードでもその魅力と、改良によるアップデートを感じられる

最後にステアリングを握ったのは、最もポテンシャルの高い走りを演出できるRSである。なんといってもロードスターの潜在能力を発揮させる手立てがRSには標準装備されている。

マツダ ロードスター

剛性を司るタワーバーでソリッドなボディを作り出す。そして、ソリッドなボディだからこそ制動力を高めてもブレーキフィールに嘘がないように、大径のディスクブレーキが装着されている。

マツダ ロードスター

初期性から減衰力をスムーズに動かすことができるビルシュタイン製のダンパーは、製品精度が非常に高く、意図した動きを展開してくれる。

特にアシンメトリックLSDとの相乗効果で、直線からのブレーキングと旋回時のソリッドな動きはスポーツドライビングには欠かせない。スロットルのコントロールによる路面とのコンタクトが確実に得られれば自分の走りに悦を感じることだろう。

マツダ ロードスター

あらゆる潜在能力を発揮させるグレードがロードスターにはある。エクステリアなどの様々なコスメティック商品改良も施してあるが、本質は走りの質にこれ以上ない磨きをかけてきたということである。

マツダ ロードスター

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文/松本英雄、写真/奥住圭之

【試乗車 諸元・スペック表】
●S スペシャルパッケージ

型式 5BA-ND5RE 最小回転半径 4.7m
駆動方式 FR 全長×全幅×全高 3.92m×1.74m×1.24m
ドア数 2 ホイールベース 2.31m
ミッション 6MT 前トレッド/後トレッド 1.5m/1.51m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 0.94m×1.43m×1.06m
4WS - 車両重量 1020kg
シート列数 1 最大積載量 -kg
乗車定員 2名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.14m
マニュアルモード -
標準色

ジェットブラックマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ジルコンサンドメタリック、エアログレーメタリック

オプション色

マシーングレープレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ

掲載コメント

-

型式 5BA-ND5RE
駆動方式 FR
ドア数 2
ミッション 6MT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ジェットブラックマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ジルコンサンドメタリック、エアログレーメタリック
オプション色 マシーングレープレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ
シート列数 1
乗車定員 2名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
-
最小回転半径 4.7m
全長×全幅×
全高
3.92m×1.74m×1.24m
ホイール
ベース
2.31m
前トレッド/
後トレッド
1.5m/1.51m
室内(全長×全幅×全高) 0.94m×1.43m×1.06m
車両重量 1020kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント -
エンジン型式 P5-VP[RS] 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 - 燃料タンク容量 40リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1496cc 燃費(WLTCモード) 16.8km/L
└市街地:11.9km/L
└郊外:17.6km/L
└高速:19.7km/L
燃費基準達成 -
最高出力 136ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
152(15.5)/4500
エンジン型式 P5-VP[RS]
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1496cc
最高出力 136ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
152(15.5)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 40リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 16.8km/L
└市街地:11.9km/L
└郊外: 17.6km/L
└高速: 19.7km/L
燃費基準達成 -

●RS

型式 5BA-ND5RE 最小回転半径 4.7m
駆動方式 FR 全長×全幅×全高 3.92m×1.74m×1.24m
ドア数 2 ホイールベース 2.31m
ミッション 6MT 前トレッド/後トレッド 1.5m/1.51m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 0.94m×1.43m×1.06m
4WS - 車両重量 1040kg
シート列数 1 最大積載量 -kg
乗車定員 2名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.14m
マニュアルモード -
標準色

ジェットブラックマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ジルコンサンドメタリック、エアログレーメタリック

オプション色

マシーングレープレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ

掲載コメント

-

型式 5BA-ND5RE
駆動方式 FR
ドア数 2
ミッション 6MT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ジェットブラックマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ジルコンサンドメタリック、エアログレーメタリック
オプション色 マシーングレープレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ
シート列数 1
乗車定員 2名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
-
最小回転半径 4.7m
全長×全幅×
全高
3.92m×1.74m×1.24m
ホイール
ベース
2.31m
前トレッド/
後トレッド
1.5m/1.51m
室内(全長×全幅×全高) 0.94m×1.43m×1.06m
車両重量 1040kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント -
エンジン型式 P5-VP[RS] 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 - 燃料タンク容量 40リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1496cc 燃費(WLTCモード) 16.8km/L
└市街地:11.9km/L
└郊外:17.6km/L
└高速:19.7km/L
燃費基準達成 -
最高出力 136ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
152(15.5)/4500
エンジン型式 P5-VP[RS]
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1496cc
最高出力 136ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
152(15.5)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 40リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 16.8km/L
└市街地:11.9km/L
└郊外: 17.6km/L
└高速: 19.7km/L
燃費基準達成 -

●RF VS

型式 5BA-NDERE 最小回転半径 4.7m
駆動方式 FR 全長×全幅×全高 3.92m×1.74m×1.25m
ドア数 2 ホイールベース 2.31m
ミッション 6AT 前トレッド/後トレッド 1.5m/1.51m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 0.94m×1.43m×1.04m
4WS - 車両重量 1130kg
シート列数 1 最大積載量 -kg
乗車定員 2名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.15m
マニュアルモード
標準色

ジェットブラックマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ジルコンサンドメタリック、エアログレーメタリック

オプション色

マシーングレープレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ

掲載コメント

-

型式 5BA-NDERE
駆動方式 FR
ドア数 2
ミッション 6AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ジェットブラックマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ジルコンサンドメタリック、エアログレーメタリック
オプション色 マシーングレープレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ
シート列数 1
乗車定員 2名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 4.7m
全長×全幅×
全高
3.92m×1.74m×1.25m
ホイール
ベース
2.31m
前トレッド/
後トレッド
1.5m/1.51m
室内(全長×全幅×全高) 0.94m×1.43m×1.04m
車両重量 1130kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.15m
掲載用コメント -
エンジン型式 PE-VPR[RS] 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 - 燃料タンク容量 45リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1997cc 燃費(WLTCモード) 15.2km/L
└市街地:10.9km/L
└郊外:15.7km/L
└高速:17.9km/L
燃費基準達成 -
最高出力 184ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
205(20.9)/4000
エンジン型式 PE-VPR[RS]
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1997cc
最高出力 184ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
205(20.9)/4000
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 45リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 15.2km/L
└市街地:10.9km/L
└郊外: 15.7km/L
└高速: 17.9km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。