乗用ミニバンのロングセラーモデル

ミニバンは大きく分けると、箱型のボックスタイプと一見ステーションワゴンのような乗用車タイプに分けることができます。今回ご紹介するのは、乗用車タイプの人気ミニバンのトヨタアイシスです。修復歴の有無や走行距離にこだわらなければ、50万円以下で狙うことが可能になってきました。

ガイアの後継モデルとなるアイシスが登場したのは2004年9月。フォルムは乗用車タイプですが、決してスポーティさを前面に押し出したモデルではありません。アイシス最大のウリは、パノラマオープンドアに代表される「ユーティリティ性能の高さ」にあります。
  • トヨタ アイシス 外観(フロント)|おいしい中古車
  • トヨタ アイシス 外観(リア)|おいしい中古車
エクステリアは「ソリッド&モダン」をテーマとし、力強い造形にシンプルな線と面を構成することで、スタイリッシュな中にも品格を備えたフォルムを実現(左右)
アイシスが目指したのは「アクセスとスペースの革新」で、快適かつ思いのままに使える空間「柔・空間」を、開発のテーマに掲げていました。だからこそユーティリティ性能を徹底的に追求し、その結果として現在のアイシスが生まれたというわけです。

アイシス最大の特徴ともいうべきパノラマオープンドアは、本来あるべき助手席と2列目シートの間にあるピラー(柱)をなくしたもので、ドアを開けた時の開口幅は1890mmにもなります。これによって乗降性や積載性が大幅に高まったほか、快適性のアップにも一役買っています。

また、助手席はタンブルシートとなっているため、折りたたむと2列目からの視界がグーンとアップ。子供を車に乗せる際、ママは子供と一緒に2列目というケースが多いでしょうが、そんな時このタンブルシートをたためば、開放感がアップし、より快適なドライブができるというわけです。

シートアレンジが豊富なのは2~3列目も同様で、2列目はチップアップ機構が付いているほか、3列目は床下に収納されるので、どんなシチュエーションにも対応できる懐の深さをもっています。

アイシスの心臓部となるエンジンは、1.8Lと2Lの直4の2本立て。ミッションは1.8Lが4AT(2009年9月以降はCVT)で、2LモデルにはCVTがおごられています。肝心の燃費については、排気量の大きい2Lモデルが不利かと思いきや、燃費効率に優れるCVTを搭載しているため、10・15モード燃費は1.8Lモデルと同じ14.4km/Lとなっています。
  • トヨタ アイシス インパネ|おいしい中古車
  • トヨタ アイシス パノラマオープンドア|おいしい中古車
  • トヨタ アイシス シートアレンジ|おいしい中古車
インパネを非対称とすることで、パノラマオープンドアから招き入れる感覚を表現したインテリア(左・中) ユーティリティに優れる点がアイシス最大の魅力(右)

程度にこだわっても100万円以下で狙える!

さて、登場から6年以上が経過したアイシスですが、昨年の新車販売台数ランキングでもキッチリ30位以内に入っているなど、息の長いロングセラーモデルとなっています。

しかし、裏を返せばそれだけ中古車の流通量も多くなるわけで、程度にこだわらなければ50万円以下で売られている物件も存在します。最安値の中古車は、修復歴ありで走行9.2万kmの2.0L。登場時の新車価格は199.5万円ですが、なんと35.9万円で売られています。

修復歴の有無や走行距離にこだわっても、100万円以下で十分狙えます。例えば修復歴なしで走行3.8万kmの1.8L。これなど車両価格は88万円で、コミコミでも100.7万円で買えるんです。しかもディーラー系販売店だから保証付きです。ミニバンとはいえ、乗用車的なスタイルでエアログレードのプラタナも用意されているアイシス。いよいよ買いのタイミングが来たようですよ!
Text/金子剛士