CARトップ 加藤編集長▲カーセンサー編集部のヒミツのガレージに、愛車のスカイラインGT-R(R33型)で颯爽と乗りつけてくれた加藤編集長。ところが車高が低く段差を乗り越えられず、あえなくガレージ前に駐車……。でもめちゃくちゃキレイなR33でした!!

加藤編集長の愛車も“神7”に!

価格がこなれた中古スポーツカーを狙う人たちは、実は多い。

スポーツカーは一般的な実用車に比べ流通量が少ない。その少ない物件数を多くの人たちが買い求める「早い者勝ちのバトル」が常に繰り広げられているのだ。

人気車であればあるほど、お得感がある物件であればあるほどその激しさは増す。

そこで、情報誌 カーセンサー・10月号(2019年8月20日発売号)の特集では「早く買わないと狙った物件が消えてしまう」率が高い順にランキングを作成し紹介している。ちなみに上位7位、いわゆる“神7”はこちら。

1位:ホンダ シビックタイプR(現行型)
2位:トヨタ スープラ(80型)
3位:スバル WRX(現行型)
4位:マツダ ロードスター(現行型)
5位:マツダ ロードスターRF(現行型)
6位:日産 スカイラインGT-R(R33型)
7位:日産 GT-R(現行型)


誌面ではトップ30位まで紹介しているので、興味がある方はぜひチェックしてほしい。

また、同特集内ではドリキンこと土屋圭市さんやCARトップ 加藤編集長さんの他、有名な自動車雑誌、WEBメディアの編集長たちにもスポーツカーについてインタビューを実施。誌面には収まりきらなかった話も含め、Webでも紹介していく。
 

トヨタ 86 ▲8月20日発売号のカーセンサーの表紙(写真は首都圏版)。ちなみに東日本版は青、東海版は白、関西版は赤、西日本版はシルバーの86だ
CARトップ 加藤編集長

CARトップ 編集長

加藤元章

自動車雑誌「CARトップ(カートップ)」
1968年創刊。スポーツカーの記事は特に人気で、名物といえば、筑波サーキットでのラップタイム比較。モータージャーナリストが試乗し、プロだからこそわかる細かな挙動変化などのレビューは必読だ。表紙を飾るカバーガールにも毎月注目が集まる。(交通タイムス社/月刊・毎月26日発売)

伊達軍曹

インタビュアー

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。

伊達軍曹
伊達軍曹

こちらのランキングを見ての加藤編集長の印象はいかがですか?

加藤
CARトップ 加藤編集長

新車誌の編集をやっているから特にそう感じるのかもしれませんが、現行型のホンダ シビック タイプRが1位というはかなり意外でしたね。新車でも買えるのに、なんでなんですかね?

その他のランキングはまあ順当かなと思いますが、6位にR33型日産スカイラインGT-Rが入ってるのはびっくりですね。「な、なんで?」という感じで。

伊達軍曹
伊達軍曹

そういえば加藤編集長が今日乗ってこられた車はR33 GT-Rですが、あれは会社の社用車ですか?

加藤
CARトップ 加藤編集長

いえいえ、自腹で買った私物ですよ! 先日は軽自動車が1台買えるぐらいのお金を投じて整備しましたし!

伊達軍曹
伊達軍曹

お好きだからR33 GT-Rに乗ってらっしゃるんだと思いますが、それなのに、R33が6位に入ったのは意外ですか?

加藤
CARトップ 加藤編集長

意外ですよ~。だってR33 GT-Rって、言っちゃあなんですが世間では「みそっ子」みたいな扱いじゃないですか? GT-Rファミリーのなかで。それなのにこれだけ上位に入ってきたというのは、もしかしたら投機対象になりかけてるんですかねえ……。

CARトップ 加藤編集長
伊達軍曹
伊達軍曹

ちなみに加藤編集長がR33型スカイラインGT-Rを買った理由は?

加藤
CARトップ 加藤編集長

買ったのは5年前なんですが、その当時、私は『GT-R Magazine』という、その名のとおりのGT-R専門誌の編集部にいたんです。で、会社の社用車としてR32とR34、R35のGT-Rはあったんですが、R33 GT-Rだけなかったんですよ。あったんですが、取材中に盗難被害にあったりして。

伊達軍曹
伊達軍曹

盗まれちゃったんですか!

加藤
CARトップ 加藤編集長

そうなんですよ。その他にも、前にいた編集部員のひとりがR33 GT-Rを買ったんですが、事故で廃車になったり。創刊編集長も買ったんですが、その後会社をやめちゃったり。つまり「R33 GT-RはGT-R Magazine編集部に定着しない」みたいなジンクスがあったんです。

で、私がそれを変えてやろうと思って自腹を切って買ったわけですが、そんな私も買って1年ぐらいでGT-R MagazineからCARトップに異動になっちゃって(笑)。結局、ジンクスは覆せませんでしたねえ……。

伊達軍曹
伊達軍曹

つまり加藤編集長はR33型スカイラインGT-Rを「大好きだから買った」というのとはちょっと違うわけですね? ある意味「政策的に買った」というか。でもその後はどうなんでしょう? 好きになりましたか?

加藤
CARトップ 加藤編集長

今はねえ、もう「コレがないと落ち着かない」みたいになりましたね。直6エンジンの音が素晴らしいとか、いろいろあるんですが、調べれば調べるほど、世間で大人気のR34 GT-Rって、このR33 GT-Rのビッグマイナーチェンジ版にすぎないんですよ。大きく違うのはホイールベースだけで。

R33に対して他人は「中途半端だ」とかいろいろ言いますが、私としては「ならば、コレでいいじゃねえか!」と思ってるんです。気がつけば走行距離ももう15万kmになりました。

伊達軍曹
伊達軍曹

ほう! 15万kmですか!

加藤
CARトップ 加藤編集長

整備すればぜんぜん普通にイケますよ。先ほどもちょっと申し上げましたがつい先日、軽自動車1台分ぐらいの予算を投じて足回りのリフレッシュもしましたしね。周囲からは「バカじゃねえの?」とか言われてますが、いいんですよ。私はコレが好きなんですから。というか「大好きになった」んですから!

日産 スカイラインGT-R(R33型) ▲日産 スカイラインGT-R(R33型)
伊達軍曹
伊達軍曹

ちなみに加藤編集長が大好きになったというR33型日産 スカイラインGT-R以外で、何かコレというオススメスポーツカーってありますかね?

加藤
CARトップ 加藤編集長

ダイハツ ブーンX4ですね(キッパリ)。

伊達軍曹
伊達軍曹

……すみません、ブーンX4ってどんな車でしたっけ?

加藤
CARトップ 加藤編集長

小型車のダイハツ ブーンにターボチャージャーを載っけて、足回りも固めたやつですよ。登場は2006年です。で、アレってすごいんですよ、ラリー用のクロスミッションが最初から入ってるんですから! 僕はねえ、あれに乗って衝撃を受けましたよ。すっごくうるさくて、ウルトラ超絶ローギアードなんですが、素晴らしかったですねえ。

伊達軍曹
伊達軍曹

運転が楽しいということですか?

加藤
CARトップ 加藤編集長

楽しいというか何というか、とにかく「ラリーカーそのもの」なんです。WRC(世界ラリー選手権)のインカー動画そのままというか……。こりゃ絶対売れないだろうなとも思いましたが(笑)、とにかく素晴らしい車ではあります。

そもそも競技用のベース車でしたから、競技に使われてボロボロになっちゃってるかもしれませんが、もしもいい感じの中古車があったなら買ってみたいものですねえ……。ぶっ飛んでますよ、あの車は。

ダイハツ ブーンX4 ▲ダイハツ ブーンX4
伊達軍曹
伊達軍曹

若い世代がこれからスポーツカーあるいはスポーティカーを買うとしたら、加藤編集長はどんな車種を勧めますか?

加藤
CARトップ 加藤編集長

車種というか……もしもその「若い人」が免許取りたての18歳とか、せいぜい20歳そこそこぐらいの人であったなら、「なるべくポンコツを買った方がいいよ」って言うと思いますね。

伊達軍曹
伊達軍曹

どういうことですか?

加藤
CARトップ 加藤編集長

僕ね、人生初の車は免許取ってすぐのときに買った中古の初代トヨタ MR-2だったんです。でもTバールーフで、そこからすっごい雨漏りする個体だったんですよ。台風の日なんかはバケツ1杯分ぐらいの雨水が車内に入りましたからね。

その翌日は彼女と温泉に行かなきゃならなかったんで、一生懸命水を排出して車内を拭いたんですが、翌日の彼女の目がすっげえ冷たかったこと、よく覚えてます(笑)。

まあそういう話って、そのときはもちろん大変なんですが、後になると「いい思い出」「一生の思い出」になるものなんです。だから若い人はとにかくなるべくポンコツでスポーティな車を買って、いろいろと思い出(笑)を作るといいんじゃないかと思いますね、いや本当に。

CARトップ 加藤編集長
伊達軍曹
伊達軍曹

もうちょっと年長の、例えば27~28歳ぐらいの人へのオススメは?

加藤
CARトップ 加藤編集長

「今のうちにクーペ的なモノに乗っておいた方がいいよ」とアドバイスすると思いますね。

伊達軍曹
伊達軍曹

それはまたどういう理由ですか?

加藤
CARトップ 加藤編集長

……所帯じみたことを言うようで大変恐縮なんですが、でも実際、結婚したり子供ができたりすると、スポーツカーとかクーペってなかなか乗れないんですよ。状況がそれを許さないといいますか。だから、ありがちなフレーズで本当に申し訳ないんですが、「乗れるうちに乗っときなよ」と言いたいんです。

伊達軍曹
伊達軍曹

ちなみに加藤編集長の場合はどうなんですか?

加藤
CARトップ 加藤編集長

それがですねえ……私も最近ついに結婚ってやつをしまして。まだ子供はいないんですが、妻がさっそく言いだしてるんですよ、「ルノーのカングーが欲しい」って。

伊達軍曹
伊達軍曹

さっそく言われましたか(笑)!

加藤
CARトップ 加藤編集長

そうなんですよ。だから正直どうしようかなって……。2台所有ができればベストなんですが、それが難しい場合は、同じR33 の「スカイラインGT-Rオーテックバージョン 40thアニバーサリー」に買い替えようかなとも、ちらりと考えてます。

伊達軍曹
伊達軍曹

オーテックバージョンというと、R33 GT-Rの4ドアセダン版ですね? 422台のみ生産されたという伝説のレア物!

加藤
CARトップ 加藤編集長

はい。で、あれを買って帰って、妻に「4ドアに買い替えたよ~」とか言ったらごまかせるんじゃないかなぁと……や、ごまかせないか(笑)!

CARトップ 加藤編集長 ▲愛車スカイラインGT-R(R33型)がカングーに代わってしまいそうという危機を迎えている加藤編集長。彼は愛車を守ることができるのか……!?
CARトップ 加藤編集長 ▲2019年上半期「国産スポーツ車“速”買いランキング」の26位にランクインした三菱 コルトラリーアートバージョンR。加藤編集長はこれもお気に入り!?
文/伊達軍曹 写真/小塚大樹、日産、ダイハツ