▲扱いやすいサイズで、先進安全装備が充実していて、かなり余裕ある走りが可能で、それでいて燃費も良好。……もしかした現行ボルボV40のクリーンディーゼル系こそ「最強の中高年CAR」なのかも? ▲扱いやすいサイズで、先進安全装備が充実していて、かなり余裕ある走りが可能で、それでいて燃費も良好。……もしかして現行ボルボ V40のクリーンディーゼル系こそ「最強の中高年CAR」なのかも?

現行ボルボ V40(特にディーゼル版)をオススメしたい!

不肖筆者を含む中高年の車選びには、若かりし頃のそれとはまたちょっと違う指針も必要なのではないかと考えている。筆者が考える「中高年ならではの指針」とは、さしあたり以下の4項目だ。

1. つまらん車は買わない
(人生の残り時間もぶっちゃけ少ないですから)

2. 無駄に大きな車は買わない
(空間認識能力もたぶん衰えてきてますし)

3. ある程度「上質」な車を選ぶ
(チープシックが似合うのは若者だけですから)

4. 先進安全装備の有無にこだわる
(加齢とともにヒヤリ・ハットは必ず増えるし)

以上を踏まえ、過日はメルセデス・ベンツのCLAシューティングブレークなる車を推奨させていただいた。

だがしかし、その後自宅長屋でよくよく考えてみたところ、「……もしかしたら現行ボルボ V40の、特にディーゼルエンジンのやつの方が、我々中高年にはより向いているのか?」とも思うに至った。



次章以降、筆者を含む中高年各位に現行ボルボ V40(のディーゼルターボエンジン搭載グレード)を推奨したい詳細な理由を述べる。

▲こちらが現行ボルボ V40。フォルクスワーゲン ゴルフなどの強豪がひしめく「Cセグメント」市場に2013年から参戦し続けているボルボの5ドアプレミアムスポーツコンパクトだ▲こちらが現行ボルボ V40。フォルクスワーゲン ゴルフなどの強豪がひしめく「Cセグメント」市場に2013年から参戦し続けているボルボの5ドアプレミアムスポーツコンパクトだ

超絶クルージング性能と省燃費性能の両立

ご承知のとおり現行ボルボ V40は2013年2月に登場し、何度かのマイナーチェンジを重ねながら今なお販売が続いているスウェーデンのプレミアムスポーツコンパクト。ボルボ自身は一時期、この車を「プレミアムショートワゴン」と呼んでいた。確かに、ステーションワゴンではないのだが、ちょっとワゴンっぽくもあるフォルムだ。

長期にわたり生産されている車だけに、そのエンジンラインナップ等は初期と現在では大きく異なっている。現行V40のパワートレインを中心とするざっくりとした変遷は以下のとおりだ。

■2013年2月:T4登場(1.6L 4気筒ガソリンターボ)
■2013年4月:旧T5追加(2L 5気筒ガソリンターボ)
■2014年11月:新T5に変更(2L 4気筒ガソリンターボ)
■2015年7月:D4追加(2L 4気筒ディーゼルターボ)※このときT4がカタログから消える
■2015年8月:T3追加(1.5L 4気筒ガソリンターボ)
■2016年7月:マイナーチェンジ実施(内外装のみ)
■2017年2月:T2追加(1.5L 4気筒ガソリンターボ)

この中のどれを選んでも(状態次第で)満足できるはずだが、中高年としては2015年2月以降の「ツーリングシャシー(それまでのダイナミックシャシーよりも快適性能重視なシャシー)」に変わった世代を選びたいところ。

そしてその中でも特に注目したいのが、超絶ビッグトルクとアイシンAW製8速ATにより、ウルトラ余裕なクルージング性能と省燃費性能が炸裂するクリーンディーゼルターボ搭載グレード、すなわち「D4」だ。

▲5ドアハッチバックとなるボディの全長は4370mm。競合となる現行フォルクスワーゲン ゴルフより10cm長いということで、ハッチバックでありながら若干ワゴン的なニュアンスも醸している▲5ドアハッチバックとなるボディの全長は4370mm。競合となる現行フォルクスワーゲン ゴルフより10cm長いということで、ハッチバックでありながら若干ワゴン的なニュアンスも醸している
▲年式やグレード、オプション装備により若干異なる部分はあるが、現行ボルボV40のインテリアはおおむねこのような感じ。いかにも北欧の車らしい「さわやかな上質感」といったテイストが特徴だ▲年式やグレード、オプション装備により若干異なる部分はあるが、現行ボルボ V40のインテリアはおおむねこのような感じ。いかにも北欧の車らしい「さわやかな上質感」といったテイストが特徴だ

オススメはD4インスクリプションだが、マイチェン前のD4 SEも悪くない

ガソリンターボエンジンをビュンビュン回して快走するのも悪くないが、中高年としてはもっとこうのんびりめに、だが大人の余裕的(?)パワーとトルクを伴いながらクルージングしたいもの。しかし燃料費はぶっちゃけ安い方がいい……ということで、もちろん私見にすぎないが、我々中高年が選ぶべき現行V40は「もうD4しかないでしょ!」ぐらいに筆者は思っている。

問題は「同じD4でもどの世代の、どのグレードを選ぶべきか?」ということだ。

実用に使う車というのは「なるべく新しい年式の、なるべく上級なグレード」の方が基本的には何かと具合がよろしいものなので、順当に考えるなら2016年式か2017年式のD4インスクリプション(最上級グレード)がオススメとなるだろう。これであればマイナーチェンジ後の「新顔」であり、レザーシートやHarman/Kardonのプレミアムサウンドシステムなど装備も申し分ない。

ただ、こちらの低走行物件の相場は総額320万~380万円といったところ。新車価格が444万円であることを考えると妥当といえば妥当なのだが、正直もうひと声お安いと助かるのだがとも思う。

となるとD4の中では最廉価となるD4キネティックか? いやいや、こちらは確かに比較的お安いが、それでも総額250万~300万円付近。その金額を出してベーシックなキネティックというのはやや業腹であり、そもそも中古車の流通量もきわめて少ない。

ならば中間グレードのD4モメンタムで行くか? うむ、D4インスクリプションほどの高級感はないものの、T-Tecとテキスタイルのコンビネーションシートはいかにも北欧デザインといった感じでなかなか好ましい。これの低走行車の相場は総額260万~340万円といったところ。若干お高いような気もするが、まぁ悪くない好バランスな選択ではあるはずだ。

▲年式やグレード、オプション装備により若干異なる部分はあるが、現行ボルボV40のインテリアはおおむねこのような感じ。いかにも北欧の車らしい「さわやかな上質感」といったテイストが特徴だ40.8kg-mという極太トルクゆえ、その気になれば鬼のように速いV40 D4だが、我々中高年はそれを「余裕」に転化し、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)も併用しながらゆったりと走りたい▲40.8kg-mという極太トルクゆえ、その気になれば鬼のように速いV40 D4だが、我々中高年はそれを「余裕」に転化し、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)も併用しながらゆったりと走りたい

ただ、「ぶっちゃけもう少しお安い方が好ましい」という場合は、旧顔にはなってしまうが、マイナーチェンジ前の上級グレードであったD4 SEの低走行物件を探してみることをオススメしたい。

D4 SEであれば、走行2万km台までの物件であっても総額で240万~270万円といったところ。新車時21万円のオプションであったレザーシートや、同じく19万円だったパノラマ・ガラスサンルーフ、同6万2000円だった歩行者エアバッグが装着済みの中古車であれば、なおさらコスパ良好と感じられるはずだ。

なかなかグレード選びが難しい現行ボルボ V40 D4ではあるが、どれを選んでも素晴らしく良い車であることは間違いなく、中高年にうれしい各種の先進安全装備も充実している。ぜひ、楽しくお悩みいただけたら幸いだ。

text/伊達軍曹
photo/ボルボ・カーズ

▼検索条件

走行3万km以下×修復歴なし×全国

▼検索条件

走行3万km以下×修復歴なし×全国