ホンダ N=BOX▲両手がふさがっているときでもリモコンやレバーを軽く操作するだけで簡単に開閉ができる電動スライドドア。助手席側はもちろん運転席側にも付いている車は人気が高く、価格も高い。ただ、モデルによっては、総額80万円以下で手に入れることができる!

リッチな両側電動スライドドア付きモデルも、総額80万円以内で見つかる!

2019年度の軽自動車新車販売台数ランキング1位はホンダ N-BOX、2位はダイハツ タント、3位はスズキ スペーシアと、スライドドアを採用したハイトワゴンがベスト3を占領している。いま軽自動車では、開口部が広いため乗り降りがしやすく、かつドアを開けたときもスペースを取らないスライドドアタイプが定番となっていると言えるだろう。

中でも、楽に開閉できる電動式タイプが非常に便利で人気が高い。ヒンジ式のドアに比べてスライドドアは大きく重いので、ドアの開け閉めにはかなりの力が必要となるからだ。

とはいえ、電動かつ運転席と助手席の両側装備となると、その分価格もはね上がってしまう。「本当は両側電動にしたいところだけど、予算とのバランスもあるし……」と泣く泣く諦める人もいることだろう。なるべくリーズナブルに買いたい軽自動車選びにおいては、仕方のないことかもしれない。

ただ、中古車マーケットに目を向けてみると、予算100万円でたっぷりお釣りがくるモデルが増えてきていることがわかる。そこで今回は、総額80万円以下で購入できる、両側電動スライドドア搭載の軽自動車を3モデルピックアップしてみた。
 

ホンダ N-BOX(初代) 狙い目は特別仕様のSSパッケージ!

ホンダ N-BOX▲デビュー時のカスタムGターボパッケージに両側電動スライドドアが奢られた

2011年末に登場したN-BOXはデビューと同時に軽自動車販売台数ナンバーワンを記録し、2014年度を除いて現在までナンバーワンをキープし続けている。

その理由はホンダが長く追求し続けてきた「M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想」に基づき、軽自動車とは思えない室内空間が与えられたこと、そしてプラットフォームやシャシー、そしてボディを強固に設計することでサスペンションがしっかり動くようにし、背の高い車とは思えない安定した走りを実現していることに尽きるだろう。

また、後部座席に座面のチップアップ機能が付いているので、子供が室内で着替えたり、背の高い荷物を積むときなどに便利に使えるのも特徴だ。

そんな初代N-BOXで両側電動スライドドアが標準装備だったグレードは、以下のとおり。

・Gターボパッケージ(2015年2月以降は名称がターボ Lパッケージに変更され、両側電動スライドドアがオプションに)
・カスタムGターボパッケージ(2013年12月からはカスタムG Aパッケージに名称変更。2015年2月からはカスタムターボ Lパッケージに名称変更)
・SSパッケージ
・ターボSSパッケージ
 

ホンダ N-BOX▲こちらが、特別仕様車であるSSパッケージ

両側電動スライドドアが付いた中古車は全国で3100台ほど流通していて、予算80万円以内で買えるものは240台ほど流通している。その多くはカスタムのターボになる。標準モデルやNAエンジンで探したい人は特別仕様のSSパッケージ、ターボSSパッケージに的を絞って検索してみよう。

オススメはNA、ターボともに特別仕様のSSパッケージ。両側電動スライドドアだけなく、運転席&助手席シートヒーター、ヒーテッドドアミラーなど快適装備を手に入れることができる。
 

▼検索条件

ホンダ N-BOX(初代) × 総額80万円以下 × 両側電動スライドドア搭載

スズキ パレット(初代) オススメグレードはリミテッドII

スズキ パレット▲スペーシアの前身となるパレットは、ターボモデルに両側電動スライドドアが備わる

人気TOP3にランクインしているスズキ スペーシアの前身モデルとなるパレット(2008年1月デビュー)は、軽選びの主流となっているハイトワゴンの中で最も早く両側電動スライドドアを装備した"先駆け"モデルだ。

デビュー当初はトランスミッションが4ATだったが、2009年9月のマイナーチェンジでエントリーグレードとなるL以外で副変速機付きのCVTに変更された。

当時のCVTはまだ加速時などにもたつく感覚があり、違和感を覚える人も多かったが、パレットの副変速機付きCVTは出足の良さや加速時のフィーリングが改善されているので、違和感なく運転できるはず。もちろん低燃費にも効いている。
 

スズキ パレット▲こちらが、2009年に登場したパレットSW TS

パレットがデビューした2008年当時は、両側電動スライドドアが現在よりも高級オプションだったため、標準装備されているグレードは少なめ。

・T
・TS
・リミテッドII
・パレットSW TS
・パレットSW リミテッドII

両側電動スライドドアが備わっているパレットの中古車は450台ほど流通している。そのうち約285台が予算80万円で買える価格帯にあった。

オススメはリミテッドII。ヘッドライトが、ハロゲンからオートレベリング機能が付いたディスチャージヘッドライトに変更されたことで夜間の視認性がアップ。オートライトも付いているので、トンネルや夜間の運転での煩わしさがない。
 

▼検索条件

スズキ パレット(初代) × 総額80万円以下 × 両側電動スライドドア搭載

日産 デイズルークス(初代) 低走行でコンディションが良い物件も見つかる!

日産 デイズルークス▲デイズルークス(初代)はハイウェイスターの上級グレードに両側電動スライドドアが装備される

日産は2009年12月から2013年3月まで、ルークスという軽ハイトワゴンを販売していた。これはスズキ パレットのOEMモデルだった。

そして2014年2月、日産と三菱自動車との合弁会社であるNMKVが開発した軽ハイトワゴンが、日産 デイズルークスとして発売された。同じタイミングで三菱からは兄弟モデルのeKスペースが発売されている。

室内が広い軽ハイトワゴンは真夏の暑い日などに前席と後席でエアコンをつけたときの温度差が発生しやすい。そこでデイズルークスは、改善のために空気を循環させるファンを装備するなど、他のハイトワゴンにはない機能をいち早く導入した。

初代デイズルークスで、両側電動スライドドアが標準装備だったグレードは以下のとおり。

・ハイウェイスターX Gパッケージ(2016年12月以降は運転席側電動スライドドアがオプションに変更)
・ハイウェイスターターボ(2016年12月以降はハイウェイスターGターボに名称変更)
・Vセレクション

また、日産の関連会社であるオーテックジャパンが手がけるデイズルークスライダーというモデルもある。外装デザインだけでなく、インテリアも通常モデルとは一味違う仕様となっている。両側電動スライドドアは標準装備ではないので、選ぶときには注意が必要だ。
 

日産 デイズルークスライダー▲デイズルークスライダーで両側電動スライドドア付きが欲しい時はベースモデルに注目!

デイズルークスで両側電動スライドドアが備わっている中古車は2300台近く流通。このうち予算80万円で買えるのは83台ほど。上級グレードのハイウェイスター系だと走行距離は5万km以上走っているものが中心。標準モデルのXだと3万km未満のものが見つけやすい。

オススメのグレードは、ハイウェイスターターボ。エアロで高級感が高められているだけでなく、自車を俯瞰映像で確認できるアラウンドビューモニターなどの安全装備も充実している。ターボだから信号待ちや高速道路の料金所からの加速にも不満はない。
 

▼検索条件

日産 デイズルークス(初代) × 総額80万円以下 × 両側電動スライドドア搭載
文/高橋満(BRIDGE MAN) 写真/ホンダ、スズキ、日産

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL