今ならまだ間に合う! 手ごろな価格で狙えるFR&MTのトヨタ アルテッツァにも価格高騰の兆しが……気になったら早めの行動を!
2021/03/28
後輪駆動MTの価格高騰の波がアルテッツァに迫っている
もはや、絶滅危惧種と言っても過言ではない3ペダルMT車。イージードライブという観点はもちろんのこと、速さの面でもすでに2ペダル車の方が上回っているというのは、紛れもない事実と言えます。
とはいえ、自らクラッチペダルを操作し、シフトチェンジをするアナログな操作の3ペダルMT車の方が楽しい! と、同意される人は多いことでしょう。
そんな絶滅危惧種のMTの中でも、さらに希少となりつつあるのが後輪駆動のモデルです。
ひと昔前までは、後輪駆動車の入門編の代表格であったシルビア/180SXも、状態が良いものでは新車価格を上回るものも存在するほど価格が高騰。
他にもロードスターやマークⅡ3兄弟、スカイラインといったモデルなどが、続々と上昇に転じているといった状況です。
そんな中で、比較的安価に買える後輪駆動のMT車として知られていたアルテッツァですが、実は昨年後半からググっと相場が上がりつつあります。
このまま上昇が続くと、アルテッツァも手軽に購入できるモデルではなくなってきてしまうかもしれません……!
デビュー時はなんやかんや言われたが、走りの楽しいアルテッツァ
ということで、まずは改めてアルテッツァがどんな車だったのかを振り返ってみましょう。
デビューは1998年10月のことで、今までのトヨタ車のラインナップにはなかった、ショートオーバーハング&ロングホイールベースの比較的コンパクトなスポーツセダンとして誕生しました。
直接的なライバルはBMW 3シリーズで、海外ではレクサスブランドから「IS」の名前で販売されており、スポーティながらラグジュアリーさも兼ね備えたモデルというキャラクターをもった車種だったのです。
搭載されるエンジンは、当時セリカやMR2などにも搭載されていた2Lの直列4気筒DOHCの3S-GE型。MT車用エンジンには量産車としては初めてチタンバルブが採用され、210psを発生していました。そして、そこに組み合わされるMTは6速のもので、純正でトルセンLSDも装着されていたのです。
なお、上質な走りを求めるユーザー向けには、同じく2Lの排気量をもつ直列6気筒の1G-FE型(160ps)も用意されていました。
デビュー前は「AE86の再来」とも言われて期待値が大きかったことで、登場後は落胆する声も聞かれました。
ですが、冷静に考えてみれば4ドアセダンがAE86の再来であるわけはなく、スポーツセダンという点だけで考えれば十分走らせて楽しいポテンシャルをもったモデルだったのです。
特に現行車の時代は、アルテッツァだけのワンメイクレースも開催され、トムスが手掛けディーラーで購入できたボルトオンターボモデル「280T」なども存在していたこともそれを物語っていますね。
1年で平均価格が20万円アップ!? 「買っとけばよかった……」となる前に急げ!
アルテッツァの執筆時点での掲載台数は148台で、そのうちMTスポーツ好きから支持される、3S-GE型エンジンのRS200系のMT車となると89台。意外にもMT車の方の掲載台数が多い、という結果になりましたが、これもMT車需要が高いことを物語っています。
気になる価格帯は、安いもので総額40万円台から高いものでは200万円を超えるものまで非常に幅広です。
走行距離も2万~3万km台の低走行車から20万kmオーバーのものまでと、こちらも非常に幅広い状態となっています。
このように価格も走行距離もピンキリのアルテッツァではありますが、平均価格を追ってみると、その価格は確実に上昇していることが分かります。
2019年の時点では、車両本体価格の平均は55万円程度だったのですが、2020年の秋ごろから60万円台に突入し、2021年2月の時点ではついに70万円台を突破しているのです。
2020年2月の平均が53.6万円で2021年2月の平均が73.5万円となっており、1年で平均約20万円もアップしたという計算になりますから、ここのところの上がり幅はかなりのものです。
すでに現段階でも、走行距離10万km未満で修復歴なしの個体となると、総額で100万円ほどは見ておかないと手が届かない状態となっています。程度がよく、走行距離の少ない個体も減少していくことを考えると、この価格帯で狙うことができるのも、長くは続かないでしょう。
少し前までは手ごろな価格で買える代表格であったアルテッツァではありますが、さらなるプレミア化が進み、買えない値段になってしまう可能性が高いです。
「あのとき買っておけばよかった……」となる前に、気になる方は即行動した方がよいでしょう!
▼検索条件
アルテッツァ RS200(初代)×MT×全国▼検索条件
アルテッツァ AS200(初代)×MT×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
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