フォレスター(現行型)▲スバルの新世代プラットフォーム「スバル・グローバル・プラットフォーム」をフォレスターとして初めて採用。0~約120km/hの車速域でハンドルやアクセル、ブレーキを自動制御してくれるアイサイト・ツーリング・アシスト機能が備わった新世代アイサイトが全車に標準装備された(写真は2021年大幅改良モデル)

新車は今年8月に値上げされ、納車は2~4ヵ月待ち

半導体不足や円安、不安定な世界情勢など、逆風が吹き荒れる中、新車の納車が長期化したり価格引き上げがあちこちで発生している。

スバルのミドルサイズSUVであるフォレスターもまた、2022年8月に価格が約2%引き上げられた。最廉価の2.0 ツーリングでいえば、293万7000円から299万2000円と、約6万円ほどアップしている。

一方で納車時期は、1.8Lターボ車が3~4ヵ月、ハイブリッド車が2~3ヵ月程度(同社ホームページの9月16日更新情報)。他メーカーでは半年待ちや1年待ちもざらにある中では短く感じてしまうが、それでも通常よりは時間がかかっている。

そこで検討してほしいのが中古車を選択肢に加えることだ。中古車なら何ヵ月も待つことなく納車してもらえるし、なによりも安くお得に手に入れることもできる。

まずは、今の中古車状況やモデル概要を見ていくとともに、今オススメな探し方を紹介しよう。

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スバル フォレスター(現行型)×全国
 

e-BOXER(ハイブリッド)モデルの掲載台数が多い

現在掲載されている現行型フォレスターの中古車は約280台。価格帯は約250万~430万円で、平均走行距離は約2万kmという状況だ。

現行型フォレスターは2018年7月のデビュー時と現在とでは、搭載されているパワートレインのラインナップや、それに伴うグレード構成が異なる。

デビュー時は2.5Lエンジンと、2Lエンジン+モーターのハイブリッド「e-BOXER」の2種類だったが、2020年10月に、2.5Lエンジンがなくなり1.8Lターボエンジンが追加された。

そのため中古車で最も多いグレードは、デビュー時からラインナップしていて、ずっと一番人気があった2Lエンジン+モーターの「2.0 アドバンス」で、掲載台数の4割以上に当たる約130台見つかった。

次いで多いのは「1.8 スポーツ」だが、2020年10月に追加されたグレードゆえ、1割強の約40台。他は1.8スポーツより台数が少なく、2022年8月に追加されたばかりの1.8 STIスポーツは原稿執筆時点で見つからなかった。

また、デビュー時から2020年10月までラインナップしていた2.5Lエンジンを積む3グレード(プレミアム/ツーリング/エックスブレイク)は台数が少ない。

2.5 エックスブレイクや2.5 ツーリングは、2.0 アドバンスよりデビュー時の車両本体価格が低かったため、2.0ツーリングより安い中古車もあるが、デビュー時の車両本体価格を上回る中古車が多いのが特徴だ。

その他、試乗用など販売店が登録しただけでほとんど乗られていない「登録済未使用車」は1割以上の40台以上が見つかった。

デビューから4年が経っているため、走行距離が7万km前後の中古車もあれば、ほとんど走っていない中古車もある。

そんな現行型フォレスターのどのグレードや、どんな中古車を狙えばいいか。モデル概要をおさらいして検討してみよう。

 

運転支援機能と悪路走破性の高い本格派のミドルクラスSUV

フォレスター(現行型)▲最低地上高は本格派SUVらしい220mm。全幅が1815mmと1800mmをついに超えたが、最小回転半径は5.4mに抑えられている。全車LEDヘッドライトを標準装備。ルーフレールは「2.5 エックスブレイク」は標準装備、他はオプションで用意されている

2018年7月から販売が開始された現行型の5代目フォレスター。

前述のとおり2.5L水平対向エンジンを搭載した3グレード(プレミアム/ツーリング/エックスブレイク)と、2L水平対向エンジン+モーターのハイブリッド「e-BOXER」を積む「2.0 アドバンス」の1グレード、合計4グレードで船出した。

もちろん全車4WD。また、トランスミッションはいずれも同社独自のCVT「リニアトロニック」で、路面状況に応じて悪路走破性を高められる「X-MODE」が全車に標準装備されている。

ちなみに、スバル独自のハイブリッドシステム「e-BOXER」に搭載されるモーターは、最高出力10kW(13.6ps)と、トヨタ プリウス(現行型)のモーターの60kW(82ps)と比べてかなり小さいが、低速時はモーターのみで走ることができ、加速時などにモーターがエンジンをアシストしてくれる。

また、先進安全運転支援機能「アイサイト」も全車標準装備。旧型に対し、アイサイト・ツーリング・アシストや後退時自動ブレーキシステムが加えられており、安全・快適性が高められている。

さらにスバル初の技術として、ドライバーモニタリングシステムが2.0 アドバンスに搭載された。これは車がドライバーの眠気やわき見を検知すると警報音などで知らせてくれるシステムだ。

デビュー時の車両本体価格は2.5L車が280万8000~302万4000円、2Lのe-BOXER(2.0 アドバンス)が309万9000円だった。

フォレスター(現行型)▲助手席側の死角を映すサイドビューモニターは全車に標準装備、リアカメラの映像をルームミラーに映すスマートリアビューミラーは全車にオプションで用意された。また、ルーフレールに荷物を積む際に足場になるリアドアのステップ形状も改良されている
フォレスター(現行型)▲カーナビやオーディオはオプション。インパネ中央上部のマルチファンクションディスプレイや左右独立調整機能付きフルオートエアコンは全車に標準装備されている
フォレスター(現行型)▲ステアリングヒーターや前席シートヒーターは標準装備。USB電源ソケットはフロントに2つ、リアに2つ用意される他、12V電源ソケットは室内に2カ所とラゲージ内に1ヵ所備わる。また、「2.5 エックスブレイク」はセンターコンソールやベントグリル加飾などにアクセントカラーが配される他、シートが撥水加工されている
フォレスター(現行型)▲ラゲージ容量は520Lで、4人分のキャンプ道具+バーベキューグリルを積載できるとしている。後席背もたれはスイッチひとつで倒すことが可能。また、倒した際にラゲージ床との段差や傾斜ができないよう、畳み方も改良されている。オプションで電動リアゲート機能も用意された

デビューから4年が経ち、その間に改良が繰り返されている。

初めての一部改良は2019年6月。後席の荷物の置き忘れをブザーなどで知らせてくれる「リアシートリマインダー」が全車に標準装備された。

2020年10月には、1.8L水平対向ターボエンジンを搭載する1.8 スポーツが追加され、2.5L車がラインナップから外れた。

同じタイミングで、2L+モーターのe-BOXER搭載車のラインナップが拡大され、2.0 ツーリング、2.0 エックスブレイク、2.0 アドバンスの3グレード構成になった。

2.5 エックスブレイクの代わりとなる2.0 エックスブレイクには、コーナリング時にスポーティな加減速が楽しめるe-アクティブシフトコントロール機能が備えられた。

2021年8月にはマイナーチェンジが施され、フロントフェイスの変更や、足回りの改良が行われ乗り心地の向上が図られた他、アイサイトはカメラの広角化やソフトウエアの改良などが施された。

直近の2022年8月には、同社のスポーツ部門「STI」が手がけた「1.8 STIスポーツ」が追加されている。

フォレスター(現行型)▲2021年8月のマイナーチェンジでは、SUBARUのデザインコンセプト「DYNAMIC×SOLID」をより進化させる「BOLDER」思想を取り入れたフロントフェイスや新デザインのアルミホイールを採用し、より SUV らしい迫力のある仕様となっている
フォレスター(現行型)▲エクステリアには専用のブラックパーツを採用している1.8 STIスポーツ。フロントサスペンションには、快適な乗り心地と俊敏でスポーティな走りを高次元で両立する、STI チューニングフロントダンパーを採用
 

なるべく安くお得に狙いたいなら「2.0 アドバンス」を

では、以下具体的にどんな物件が狙い目なのか考えてみよう。

価格だけ見れば2.5 ツーリングが最も安く、支払総額約270万円から狙うことができるが、原稿執筆時点で17台しかない。

また、オプションなどが備わっているという理由もあるが、デビュー時の車両本体価格280万8000円を下回る中古車は6台のみで、その走行距離は4万km超となる。

そこで、もし新車よりも安いフォレスターを狙いたいなら、台数の多い2.0 アドバンスがオススメだ。

フォレスター(現行型)▲水平対向エンジンと電動技術を組み合わせた「e-BOXER」が初めて搭載されたのが、フォレスター 2.0 アドバンスだった

2.0 アドバンスのデビュー時の車両本体価格は309万9000円だが、走行距離2万km前後で支払総額約300万円から狙うことができる。

また、2.0 アドバンス全体の掲載台数は約130台で、そのうち車両本体価格が新車時を下回る中古車は約25台見つかった。割合でいえばそう多くはないものの、2.5 ツーリングよりも選びやすいだろう。

▼検索条件

スバル フォレスター(現行型)×2.0 アドバンス×全国
 

コンディション重視なら「2.0 エックスブレイク」か「2.0 アドバンス」を

コンディション重視、しかも新車に近しい状態の中古車を狙うなら、まずは走行距離5000km以下に絞ってみよう。

原稿執筆時点で70台以上見つかり、その半数以上となる約40台が登録済未使用車だ。

5000km以下だと、ほとんどの物件が2021年8月マイナーチェンジ以降のもので、多いグレードは、2.0 エックスブレイクと2.0 アドバンス。どちらも約20台見つかった。

フォレスター(現行型)▲レッドオレンジのアクセントをはじめ、先進さが際立つ6連のLEDフロントフォグランプを採用したギア感あるスタイルのエックスブレイク

原稿執筆時点の新車の車両本体価格は、2.0 エックスブレイクが313万5000円、2.0 アドバンスが323万4000円。

いずれも新車時を下回る車両本体価格の中古車が見つかり、2.0 エックスブレイクは支払総額約315万円から、2.0 アドバンスは支払総額約320万円から狙うことができる。

なお、カーナビをはじめオプションを装着している中古車が多いので、新車より車両本体価格が高いといって避けるのではなく、どんな装備が備わっているのか確認して、トータルで考えて選ぶようにしよう。

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スバル フォレスター(現行型)×走行距離5000km以下×2.0 エックスブレイク/2.0 アドバンス×全国

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スバル フォレスター(現行型)×全国
文/ぴえいる、写真/スバル

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。