トヨタ ハリアー|ニューモデル試乗

ボディは2代目より全長で15mm、全幅で10mm、ホイールベースで55mmサイズダウンされた

最もハリアーらしさが出ているのはガソリンエンジンの4WD

“いなし”の利いた乗り心地は健在

新型は4気筒ガソリンエンジン(2WDと4WD)とハイブリッド(電気式4WD)を用意する。

まずはガソリンエンジンの2WD仕様から。ノアやヴォクシー、アイシスなどにも積まれている4気筒2Lの3ZR-FAE型ユニットは、ハリアー搭載以降、エンジンブロックから発せられるバイブレーションが低下し、質は向上している。

新型のそれは馬力を抑え実用回転領域でのトルクを考えた扱いやすさ重視の仕様だ。

2WDは4WDに比べて50kg程車重が軽く乗り味は軽快。ハリアーの真骨頂である“いなし”の利いた乗り心地は健在で、尖った部分はない。しかしリアが軽い分、下からの突き上げが抑え込めず、バイブレーションが気になるなど、しっとりというレベルには達していない。

ガソリン4WDは硬軟のバランスが良好

ガソリンエンジンの4WDの乗り心地は、最もハリアーらしさが出ている。しなやかで路面のうねりに寛容だ。サスペンションが良く動いていて長距離を乗ったときに効果を体感できるような仕様である。

だが4輪へのトルク配分はスポーティな味付けで、コーナリングではアクセルワークで向きを変える積極的な走りも楽しめる。それでもロールは抑えられ乗り心地が良い。運転席からの目線が高いSUVだが、セダンに乗っているような感覚で走れる点は評価できる。

ハイブリッド車の試乗は、最終の市販仕様ではない車両で行った。先代モデルに比べると動力性能は落ちる。だが燃費を追求する時代背景から言えばもっともな結果だろう。

加速は特に不満はないが、先代と比べるとエンジン音の質が低下した。乗り心地でもガソリン4WDに比べてピッチング(縦方向の細かい振動)の収まりが悪い。361万円からという価格を考えると、現在の仕上がり具合ではありがたみは薄い。この部分に関しては最終的な市販仕様車で必ず調整してくるであろう。


ガソリン車のエンジンは2L直4のみの設定となる。ハイブリッド車は2.5Lエンジンを積み21.8km/Lを達成している

ガソリン車のエンジンは2L直4のみの設定となる。ハイブリッド車は2.5Lエンジンを積み21.8km/Lを達成している

インパネ上部とドアトリムの色はブラック(写真)とディープボルドーの2色を用意。シートカラーもブラックとアイボリー(写真)が選べる

インパネ上部とドアトリムの色はブラック(写真)とディープボルドーの2色を用意。シートカラーもブラックとアイボリー(写真)が選べる

革シート(写真)はメーカーオプションで用意される。カラーはブラックのみとなるが、革シートを選択した場合でも内装色は2パターンの選択が可能だ

革シート(写真)はメーカーオプションで用意される。カラーはブラックのみとなるが、革シートを選択した場合でも内装色は2パターンの選択が可能だ

SPECIFICATIONS

グレード GRAND PREMIUM ハイブリッド Advanced Package
駆動方式 FF 4WD
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4720×1835×1690
ホイールベース(mm) 2660
車両重量(kg) 1560 1630 1800
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC 直4DOHC+モーター
総排気量(cc) 1986 2493
最高出力[kW(ps)rpm] 111(151)/6100 112(152)/5700+105(143)+50(68)
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 193(19.7)/3800 206(21.0)/4400‐4800+270(27.5)+139(14.2)
JC08モード燃費(km/L) 16.0 15.2 21.4
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/60 レギュラー/56
車両本体価格(万円) 272.0 323.9 447.0
Tester/松本英雄 Photo/篠原晃一