軽量化と低価格化を両立した三菱の世界戦略車

  • 三菱 ミラージュ 走り|ニューモデル試乗
  • 三菱 ミラージュ 後ろ|ニューモデル試乗
ボディカラーはレモネードイエローメタリックやカシスパープルメタリックを含む全8色(GとMグレード)をラインナップ
復活したミラージュは、最大のコンシューマーを相手に勝負するエントリーモデルである。その使命は大量販売であり、競合車種は多い。日本のマーケットは“安かろう悪かろう”では売れない。“安かろう良かろう”で初めてスタートラインに並ぶことができる。

「軽量化」は、燃費や走行性能、運動性能など車の性能にビビッドに反映される。そのため、パーツをひとつひとつ見直し、グラム単位でそぎ落とすことは、最もコストがかかるとされている。ミラージュはそれに挑戦し860kgという車両重量を実現した。しかもボディ剛性は申し分ない。エンジニア魂を感じられる。

見切りや取り回しなど街中での使い勝手が良好

  • 三菱 ミラージュ インパネ|ニューモデル試乗
  • 三菱 ミラージュ ラゲージ|ニューモデル試乗
インテリアはブラック&アイボリーとブラックの2タイプ。リアシートは6:4分割可倒タイプ。収納箇所の数こそ少ないが、機能的に配置されている
ミラージュはお世辞にもスタイリッシュとは言えないが、実用としての要素を盛り込んでいる点に注目したい。ボディは見切りが良く、目視のしやすさを重視している。最小回転半径も4.4mと、ライバルのパッソやマーチより小さい。3気筒1Lユニットは静か。女性をターゲットにした場合、静粛性は大切な要素だ。CVTとのマッチングは、発進から70km/hぐらいまでは乗りやすさと燃費に主を置いたセッティングと言える。停止する寸前はCVTの制御によるギクシャク感があるものの、いずれ改善されるだろう。低速時の電動パワーステアリングは男性には軽すぎる。ここからも女性を主ターゲットにしていることがわかる。乗り心地はとても良い。車体が軽く、低燃費仕様にもかかわらずよくサスペンションが動いている。雨の日でも安心感があるはずだ。

一番感心したのはアイドルストップ時のエアコン制御だ。最近のモデルでも、コンプレッサーが回らず車内が暑くなるアイドリングストップ車もあるが、ミラージュは快適性を主眼においているためか、この辺りのアメニティは素晴らしい。価格と性能の兼ね合いから見ても日本らしい技術を集約した1台である。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード       E             M             G      
駆動方式 2WD
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 3710×1665×1490
ホイールベース(mm) 2450
車両重量(kg) 860 870
乗車定員 5
エンジン種類 直3DOHC
総排気量(cc) 999
最高出力[ps/rpm] 51(69)/6000
最大トルク[Nm/rpm] 86(8.8)/5000
JC08モード燃費(km/L) 23.2 27.2
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/35
車両本体価格 99.8万円 118.8万円 128.8万円
Tester/松本英雄  Photo/尾形和美