トヨタ パッソ/ダイハツ ブーンは街中で快適に乗れる1台だ
カテゴリー: ダイハツの試乗レポート
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2016/06/21
3代目パッソ/ブーンはダイハツが開発から生産までを担当
2004年に登場した初代トヨタ パッソ/ダイハツ ブーンは、およそ6年ぶりのフルモデルチェンジを行い、今回3代目を発売した。最大の特徴はなんといっても初代から奇をてらわないデザインと、使い勝手の良さだろう。
パッソとブーンはフロントのデザインが大きく変わる2つのモデルが存在する。先代を継承した“X”と、フロントの意匠をティアドロップ型のヘッドライトとメッキを多用したMODA/CILQだ。外観の違いはあるが、中身は両者とも同じだという。
また、今回の3代目はすべてダイハツ工業が開発から生産までを一手に引き受けている。それは小排気量エンジンが得意なダイハツの潜在能力を試すことでもある。エンジンは、先代のモデルまで存在した1.3Lは廃止され1.0Lとなり、改良が加えられた。出力自体に変更はないが、特性を変えて運転機能の改善とエンジンの効率を向上させたという。
快適な運転や乗り心地を実現している
では、実際に試乗してみよう。まず、ドアを開けて乗り込むのがとにかく楽である。親しまれているモデルだけに、乗りやすさを重要視しているのだろう。ドアが90度近く開けば一層良い。見切りも良く、ドアミラーを覗くと視認性は抜群だ。空力も考慮しているが、ドライバーにストレスが少ないように設計されている。
走り出すと、以前の同社の3気筒に比べて伸びやかでスムーズな走りであることが分かる。3気筒エンジンは振動面で不利だが、きめ細かいアイドリングストップで振動も気にならない。トルク特性を変えたことによってエンジン音も振動も重厚感が増した。CVTとエンジンの組み合わせは非常に良い。CVT特有の高周波ノイズも相当低減した。
ステアリングはとにかく軽く、女性が楽に運転できるようにという配慮がうかがえる。しかし軽すぎる故にインフォメーションは少ない。ハンドリングも軽さを追求しているが、不安感をできる限り低減させようとする工夫がうかがえる。軽いと必要以上に切り込み速度が速くなり不安の要因になるのだが、この車はたとえそのようなことがあっても、ボディをフラットライドに保つことでドライバーに安心感を与えている。また、急な上り坂での発進でもアクセルの操作がしやすく、同乗者にも不快感を与えることはない。フロントのタイヤはしっかりと踏ん張って路面をとらえ、トラクションは良好だ。
乗り心地は、1人で乗るよりも4人で乗った方が車体が安定して心地よい。雨の日にも試乗したが、路面からの雨水がタイヤハウスに突き当たる音や、ルーフに落ちる雨音も気にならず、車内での会話に支障をきたさない。
これといって特出する部分のある車ではないが、快適に乗るために何が必要なのかを集約したモデルである。カラーバリエーションも増えて塗装の質も良く、MODA/CILQはカタログよりも実物の質感が良い。街中で扱うリッターカーで、ストレスの少ない車を選ぶのであれば有力な1台になるであろう。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:PASSO X ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直3DOHC ■総排気量:996cc
■最高出力:51(69)/6000[ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:92(9.4)/4400[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:3650×1665×1525(mm) ■ホイールベース:2490mm
■車両重量:910kg
■車両価格:115.02万円(税込)
■グレード:Boon CILQ ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直3DOHC ■総排気量:996cc
■最高出力:51(69)/6000[ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:92(9.4)/4400[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:3660×1665×1525(mm) ■ホイールベース:2490mm
■車両重量:910kg
■車両価格:143.1万円(税込)
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