50万円でもバリュー・フォー・マネーが高い車ばかり

車を買う予算として50万円は、決して多いほうではありません。しかし、予算50万円でも走れる車、実用的な車、経済的な車が数多く狙えます。いろんな面においてコストパフォーマンスに優れた10台をピックアップしてみました。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。ちょっと見ない間に、かなり値落ちした車があるかもしれません。中古車相場は時代の流れとともに下落します。どこで“拾う"がポイントです。

第5位はBMW5シリーズ(旧型)。フロントマスクには代々受け継がれているキドニーグリル、そして丸目ヘッドライトがBMWらしいアイデンティティです。この代の5シリーズは、サスペンションの大部分をアルミ化し、バネ下重量を大幅に削減されました。ラグジュアリィセダンながら、スポーティな走りもまたBMWらしいアイデンティティとなっています。液晶パネルのドット抜けは、ほぼお約束と言っていいほど中古車に見受けられます。修理は意外に高額なので、乗り潰す意気込みで!

第4位はスバルトラヴィック(絶版)。サクッと登場して、サクッと消えたトラヴィック。元はオペルザフィーラですが、GMとの提携関係のなかでタイにおいて生産されていました。当時のヤナセは怒り心頭だったでしょう、トラヴィックの安さに。7人乗りミニバンとしての性能は、さすがドイツ設計と言わしめるものでした。低重心で、とにかく踏ん張る走りには驚かされたものです。高速安定性も抜群で、実用面での優等生ぶりは今でも評価できます。質実剛健の塊、と言っていいでしょう。

第3位は日産ステージア(絶版)。最近、めっきり見かけなくなったこの手のクラスの国産ステーションワゴン。ステージアはデザイン的にも優れていたし、走りも当時のスカイライン譲りのスポーティなものでした。アウディオールロードクワトロやボルボV70クロスカントリーなどを見据えた、“クロスオーバー"モデルの設定もありました。速いし、実用的だし、人気が出てもよさそうなものの、あえなく絶版となってしまったステージア。50万円なら遊び倒しても悔いは残りません。

第2位はR2(現行)。一般的に軽自動車の値落ち率は低いです。それほど需要が底堅いということでしょう。スマートKやアイなども候補に挙がったのですが、R2のコストパフォーマンスの高さに注目してみました。走りは低重心により、思いのほかスポーティで安定しています。R1のほうがデザイン的にはスッキリしていますが、リアシートへの乗り降りを考えれば4ドアのR2に軍配が。スバルが軽自動車から撤退する、という意味でもR2に価値を見出しました。

第1位はM・ベンツCクラス(旧々型)。コスト削減にM・ベンツが本気で取り組んだモデル、ということで安っぽいという批判があったのも事実です。しかし、乗ってみるとやっぱりしっかりM・ベンツしています。当時のSクラスを凝縮したような雰囲気は、今となってはキュートだし合理的。足車として、サラッと乗るには嫌味がありません。スポーティではなくともステアリング操作に忠実なボディロールが、疲れ知らずな乗り味をもたらしてくれます。50万円で味わえるなんて幸せです。

フォトコレクション

写真:第5位:BMW5シリーズ(旧型)|なんでもベスト10

第5位:BMW5シリーズ(旧型)

写真:第4位:スバルトラヴィック(絶版)|なんでもベスト10

第4位:スバルトラヴィック(絶版)

写真:第3位:日産ステージア(絶版)|なんでもベスト10

第3位:日産ステージア(絶版)

写真:第1位:M・ベンツCクラス(旧々型)|なんでもベスト10

第1位:M・ベンツCクラス(旧々型)

Report / 古賀 貴司