トヨタ FJクルーザー ▲往年の名車「FJ40型ランドクルーザー」をイメージしてデザインされたFJクルーザー。2018年1月の生産終了後も中古車価格がほぼ値落ちせず、根強い人気のある1台だ(写真はカラーパッケージ)

トヨタ FJクルーザーの中古車は今

トヨタ ランドクルーザープラドをベースに開発されたトヨタ FJクルーザー。2010年12月~2018年1月まで販売された。

約7年間で機関系の変更は行われず、ベースグレードの他、カラーリングに特徴のある各種「カラーパッケージ」と、オフロード走行を重視した「オフロードパッケージ」が用意された。

流通台数は約350台。内訳はベースグレードが約100台、各種カラーパッケージが約220台、オフロードパッケージが約30台となる。

生産終了から3年が経つが、新車時の車両本体価格が314万~349.3万円だったにもかかわらず、中古車の平均価格は約310万円と、依然人気の高いSUVだ。

ここからはグレードで分けて、それぞれの特徴や中古車相場について紹介する。

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トヨタ FJクルーザー(ベースグレード)の特徴と中古車相場

■FJクルーザー(ベースグレード) DATA
生産期間:2010年11月~2018年1月
中古車流通量:約100台
中古車価格帯:200万~400万円
 

トヨタ FJクルーザー(ベースグレード) ▲全長4635mm×全幅1905mm×全高1840mm。フロントグリルに「TOYOTA」と入るのが日本では新鮮だ。両側観音開きドアゆえ、乗降性やモノの出し入れが容易。リアドアは90度まで開くことができる。ベースグレードのルーフカラーはホワイト(写真はカラーパッケージ)
トヨタ FJクルーザー(ベースグレード) ▲最低地上高は230mm、リアのガラスハッチは、背面タイヤを背負ったままでも開閉できる。ブラック塗装された17インチのスチールホイールが標準。オプションで17インチまたは20インチのアルミホイールが選べた

■FJクルーザー(ベースグレード)の特徴
動物などにぶつかってボディがへこんでも走行できるなど、過酷な環境において圧倒的な信頼感のあるラダーフレーム構造をもつトヨタランドクルーザーシリーズ。

その中のプラドをベースに、当時北米で人気のあったレトロ風デザインをまとった、けれど中身は本格派というモデルとしてFJクルーザーが誕生した。

当初は北米市場限定のモデルとして企画されたが、日本でも話題となり2010年11月より販売が開始された。なお、生産は日本の工場で行われた。

搭載されたエンジンは最高出力276ps/最大トルク380N・mを発揮する4Lガソリン。これに5速ATが組み合わされた。4WDはオフロード走行に長けたパートタイム式が採用されている。

他にも、空転するホイールを制動してトラクションを確保する「アクティブトラクションコントロール」が全車にオプションで、ベースグレードとカラーパッケージには、泥濘地や砂地での脱出に使える「リアデフロック」や、凹凸のあるオフロードなどを走る際に車体の横揺れと縦揺れを抑えてくれる「X-リアス」が用意された。

オプションパーツは他にも多数用意され、好みの仕様にカスタマイズしやすいモデルとなっている。
 

トヨタ FJクルーザー(ベースグレード) ▲大型のシフトノブ&トランスファーノブやドアノブ、エアコンのダイヤルなど、グローブをしたままでも操作がしやすいよう工夫されている。センタークラスターは全車ボディと同色となる(写真はカラーパッケージ。ベース車は写真のドア内側のブルー部分が首位同様ブラックとなる)
トヨタ FJクルーザー(ベースグレード) ▲撥水・防水加工されたシートとフロア・ラゲージカーペットを備えるなど、本格的にアウトドアを楽しみたい人向けの装備も充実していた

■FJクルーザー(ベースグレード)の中古車相場
走行距離5万km未満は約3割となる約30台、逆に10万km超は約10台見つかった。低年式・多走行ほど価格が安いのは、普通の中古車同様だが、10万km超の2011年式車でも車両本体価格が約200万円と底堅い人気を示している。

走行距離5万km未満を狙うなら、支払総額300万円は予算を組んだ方がいいだろう。逆に走行距離を重視せず、実車のキズや内装の汚れなどコンディション重視なら、他のグレードと大きな価格差がないので、予算に応じてグレードを問わずに探した方がいいだろう。

車両本体価格が400万円前後と、新車時より高い中古車の多くは、リフトアップなどカスタムされている物件だ。カスタマイズ用品が豊富なFJクルーザーを、購入後に自分仕様にしたいと考えている人は、好みの仕様の物件ならばその分カスタム費用を抑えられるので、オススメだ。
 

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FJクルーザー 各種カラーパッケージの特徴と中古車相場

■FJクルーザー 各種カラーパッケージ DATA
生産期間:2010年11月~2018年1月
中古車流通量:150台
中古車価格帯:230万~500万円
 

トヨタFJクルーザー 各種カラーパッケージ ▲「スモーキーブルー」のカラーパッケージのインテリア。ベースグレードのウレタンのステリングホイールが本革巻きになる。足元はベースグレード同様17インチのスチールホイールが標準

■FJクルーザー 各種カラーパッケージの特徴
「カラーパッケージ」は基本的に、ベースグレードに対してドアの内側にもボディと同じカラーが施されるなど、カラーリングに工夫が施されたグレードだ。クルーズコントロールが標準装備となるなど装備面で多少の違いはあるが、走行面で大きな変更はない。「リアデフロック」や「X-リアス」はベースグレード同様にオプションで用意された。

2011年11月にブラック塗装の17インチアルミホイールが標準装備された「ブラックカラーパッケージ」と、ルーフもボディと同じレッドとなる「レッドカラーパッケージ」が追加されたが、レッドカラーパッケージは2012年7月以降カタログから外れている。

2017年9月に、特別色のベージュが使われた特別仕様車「ファイナルエディション」が追加された。
 

トヨタFJクルーザー ファイナルエディション ▲特別仕様車の「ファイナルエディション」。ボディカラーやシート、センタークラスターに特別色のベージュが用いられ、20インチアルミホイールやサイドステップを備えている

■FJクルーザー 各種カラーパッケージの中古車相場
走行距離5万km未満は5割近い約100台、逆に10万km超は約15台見つかった。ベースグレードと比べて走行距離5万km未満の物件が多いので、走行距離を重視する人はカラーパッケージを中心に選んだ方がいいだろう。5万km未満を狙うなら、支払総額で300万円は用意する必要がある。

ベースグレード同様、リフトアップなどカスタマイズされている物件も多く、これらの中古車価格もノーマル仕様の中古車よりも高めだ。さらに、2017年9月に追加された「ファイナルエディション」は高年式であることと、それに伴い走行距離も少なめなのでもっと高くなる。

新車時の車両本体価格が349万2720円のところ、中古車価格は400万円超という物件もたくさんある。高年式・少走行距離を重視するならば、予算を450万円程度は組んでファイナルエディションを中心に探してみよう。

逆に、とにかく予算を200万円程度に抑えたいのであれば、ベースグレードとともに10万km超の低年式車を中心に狙うといい。

また、「カラーパッケージ」と名乗るだけあり、黄色や赤、緑など映えるボディカラーの物件も、他グレードより圧倒的に多い。ボディカラー重視なら、やはりカラーパッケージを積極的に狙おう。
 

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FJクルーザー オフロードパッケージの特徴と中古車相場

■FJクルーザー オフロードパッケージ DATA
生産期間:2010年11月~2018年1月
中古車流通量:約30台
中古車価格帯:200万~400万円
 

トヨタFJクルーザー オフロードパッケージ ▲ベースグレード同様17インチのスチールホイールが標準で、17インチアルミホイールも選べたが、20インチは設定されていない

■FJクルーザー オフロードパッケージの特徴
オフロードでの走行性能が高められているのが「オフロードパッケージ」だ。ビルシュタイン社製ショックアブソーバーを備える他、「リアデフロック」を標準で備える。

2012年7月の改良では、砂地や岩石路などで便利な、極低速走行できる機能「クロールコントロール」が標準装備された。
 

■FJクルーザー オフロードパッケージの中古車相場
走行距離5万km未満と、10万km超は約15台ずつ見つかった。車両本体価格で300万円以上する物件のほとんどは走行距離3万km前後の、カスタマイズされた物件となる。

ベースグレードやカラーパッケージと比べてビルシュタイン社製ショックアブソーバーやリアデフロックが標準装備されているにもかかわらず、その辺はあまり価格に反映されていないようだ。FJクルーザーでオフロードをガンガン走りたいと思っている人は、他グレードでオプションの有無を確認するより、最初からオフロードパッケージを狙うのが正解だ。

一方、他グレードでは多かったリフトアップなどのカスタム仕様は、オフロードパッケージではグッと少数になる。リフトアップしてマッドテレーンタイヤを履かせたいと思っているならば、他グレードを選んだ方がいいだろう。
 

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※記事内の情報は2021年6月21日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/トヨタ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。