新型登場の裏でルノー カングー(2代目)の中古車価格が下落中。狙い時の今、オススメの選び方は?
2023/09/14
日本でも大ブレイクしたフランスの人気車
ルノー カングーといえば、フランスを代表するビジネスカーゴであり、キャンプやアクティブな遊びを楽しむユーザー御用達の車だ。
そんなカングーが2代目から3代目へとモデルチェンジ。洗練されたスタイルと大幅にサイズアップしたボディ、格段にスムーズになったパワーユニットを引っさげて登場した。日本でも今年2月から供給がスタートしている。
新型登場の影響か、2代目の中古車が下落傾向にある。日本で3代目の販売が始まった3月から、半年で平均価格はおよそ20万円下落しているのだ。
【2代目カングーの中古車平均価格(2023年3月~8月)】
・3月:166.4万円
・4月:156.8万円
・5月:157.5万円
・6月:149.9万円
・7月:149.7万円
・8月:146.6万円
最新の3代目モデルもいいが、2代目がもつ独特の柔らかいフォルムが好みという人は、狙うなら今がチャンスかも。ここでは2代目カングーの概要を振り返るとともに、オススメの買い方を紹介する。
2代目カングーってどんな車?
2代目カングーは世界的な大ヒット作となった初代カングーの跡を継ぎ、ビジネスユースとプライベートユースの両方をカバーすべく開発された2ボックススタイルの車だ。
日本でデビューしたのは2009年9月のこと。初代で好評だった背の高いスタイルと後部スライドドア、観音開き式リアゲートなどを踏襲しつつ、ボディサイズを大幅に拡大。その結果、後席使用状態で660L、最大で2866Lもの大きなカーゴスペース容量が実現された。
なお、フランス本国などではビジネスユース専用の「カングー・エクスプレス」をはじめ、様々なバリエーションが用意されていたが、日本に導入されたのは標準的な仕様のみだった。
2代目カングーのパワートレイン/グレードの差異
国内モデルに搭載されたエンジンは、以下のとおりとなっている。
●1.6L 直4ガソリン(2018年4月):最高出力105ps(78kW)/5750rpm・最大トルク15.1kg・m(148N・m)/3750rpm
●1.2L 直4ガソリンターボ(2014年5月~):最高出力115ps(84kW)/4500rpm・最大トルク19.4kg・m(190N・m)/2000rpm
●1.5L 直4ディーゼルターボ(2021年7月):最高出力116ps(85kW)/4500rpm・最大トルク26.5kg・m(260N・m)/2000rpm
デビュー当初に搭載された1.6Lガソリンエンジンは、初代から引き継いだもの。5速MTと4速ATが組み合わされた。
2014年5月に採用された1.2L ガソリンターボエンジンは排気量こそダウンサイズされたものの、従来のエンジンを大きく上回る動力性能となった。トランスミッションも進化し、6速MTもしくはデュアルクラッチ式の6速AT(2016年7月~)が与えられている。
待望のディーゼルはモデル末期になってようやく登場。しかしレギュラーモデルでなく、2021年7月に設定された限定車「リミテッド」のみに搭載された。
特別仕様車を含めると、膨大なバリエーションがあった2代目カングー。ここではレギュラーモデルのみを紹介する。
●1.6(~2013年8月):前期型に設定されたベースグレード
●イマージュ(2012年3月~2013年8月):前期型に設定された上位グレード。シルバーのアクセント入りバンパー、3トーンカラーのシートなどを装備
●アクティフ(2013年8月~):後期型に設定されたベースグレード
●ゼン(2013年8月~):後期型に設定された上位グレード。カラードバンパーなどを装備
2代目カングーの年式による違い
13年半という長きにわたって販売されただけに、マイナーチェンジも何度か行われた。主要な変更時期と内容は以下のとおりとなっている。
●2013年8月:ヘッドライト、グリルなどフロントまわりのデザインを一新。併せてグレード体系も「アクティフ」と「ゼン」の2種類に変更
●2014年5月:1.2L 直4ガソリンターボを6速MT車に新設定。1.6L 直4ガソリン車も2018年まで継続販売
●2016年7月:「ゼン」にデュアルクラッチ式ATの「6速エフィシエントデュアルクラッチ(EDC)」を追加
●2021年7月:1.5L 直4ディーゼルターボエンジンを搭載した限定車「リミテッド」を発売
2代目カングーのオススメの買い方①できるだけ安く買う
アウトドアやマリンスポーツ、ビジネスなど実用車としてカングーをガンガン使いたい人は少なくないだろう。そんな人には2013年7月までに生産された前期型がオススメだ。
前期型は初代カングーを踏襲したデザインで、愛らしいフロントマスクが特徴。中古車市場には約350台の2代目カングーが流通しているが、その約3分の1が前期型となっている。
デビュー直後の物件なら総額30万円台から、走行距離5万km未満の物件でも総額100万円程度で十分に狙える。ただし前期型は製造から少なくとも10年経過しているため、タイミングベルトの交換など、ある程度のメンテ費用は見越しておきたい。
▼検索条件
ルノー カングー(2代目)× 2009年9月~2013年7月2代目カングーのオススメの買い方②装備重視で選ぶ
実用的な装備重視でいわゆる快適装備は少ない2代目カングー。その中で装備内容の充実したモデルを選ぶとなると、2013年8月以降に生産された後期型の「ゼン」、あるいは「ゼン」と同等の装備をもつ限定車が候補となる。
「ゼン」はカラードバンパーやオートエアコン、本革巻きステアリングなどを備えた上級グレードだが、今どきのミニバンのような先進予防安全装備、パワースライドドアといった装備はないのでご承知おきを。そうした意味ではあくまでも実用車だ。
「ゼン」の中古車市場における価格帯は総額30万~390万円。後期型全体の流通量は約250台で、そのおよそ7割が「ゼン」と、選択肢は豊富にある。一例を挙げると、2014年式・走行距離3.3万km・4速ATの物件で総額155万円。
予算に余裕があるなら、2016年7月以降に販売された「ゼン EDC」がオススメだ。この1.2L ガソリンターボエンジン+デュアルクラッチ式6速ATの組み合わせは日本市場向けに企画された仕様とのことで、走りがとってもスムーズ。こちらは総額180万円前後からのスタートとなる。
▼検索条件
ルノー カングー(2代目)× 「ゼン」系2代目カングーのオススメの買い方③MTを狙って選ぶ
カングーはMT車を選ぶ人が多い車。中古車市場でも全体の約2割がMT車となっている。実際、2代目は初代に対して260kgも車重が重くなっているにもかかわらず、2014年5月までは初代と同じ1.6Lガソリンエンジンが搭載されていた。4速ATではパワー不足と感じる人が少なくなかったようだ。
1.6L ガソリンと1.2L ガソリンターボ、どちらもMTで操るのが楽しいエンジンだが、中古車市場での流通量が充実しているのは、生産期間が長かった後者。1.6L ガソリン+5速MTは総額40万円から、1.2L ガソリンターボ+6速MTは総額90万円から狙える。
数は少ないが、2021年に限定発売された「リミテッド」は力強いディーゼルエンジンと6速MTを搭載する魅力的なモデルだ。こちらの中古車相場は総額350万円~となっている。
▼検索条件
ルノー カングー(2代目)× MT▼検索条件
ルノー カングー(2代目)※記事内の情報は2023年9月1日時点のものです。
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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